為替見通し
(写真=PIXTA)

1月30日の東京為替市場は、ドル円は前週末の115.13円から一時113.46円まで一気に円高が進んだ。週末に米国で、トランプ大統領令で移民に関する移動が制限され、空港等でトラブルが頻発、政策不信感からドルの利益を確定する動きが本格化した。

31日の東京市場は、円は続伸、ドル円は一時112.09円と11月20日以来2ヶ月ぶりのレベルをつけた。トランプ大統領の極端な移民政策に関して、米国のITや自動車などの大企業が正式に批判を表明したことを嫌気した。

1日の東京市場は、円は小反発、ドル円の引け値は113.18円。トランプ大統領が、中国と日本の通貨安政策を批判したこと、トランプ大統領が移民政策に難色を示した司法省トップを解任したことで朝方は112.64円まで円高が進んだ。日銀決定会合は市場予想通りで現状維持、景況感を上方修正したが材料視はされなかった。

ただ、ドルの押し目買い意欲も強く、相場が反転しはじめると一時113.95円まで戻し、113円台を回復して引けた。トランプ大統領が日本円に言及したのは就任以来初めてでトランプトレードによる円安トレンドが変わったとの見方も増えてきている。

2月2日の東京市場は、再び112円台に突入し112.73円で引けた。1日の米FOMCは市場予想通りで現状維持。今年3回の利上げが見込まれる中、利上げに対してタカ派的な発言がでるとの期待感も多かったが不発。円高が再び進行し、一時112.06円を付けた。FOMCを受けて、日本の10年債利回りが0.10%台まで急騰したことも嫌気している。

2月3日の東京市場は、ドル円は小反発、113.13円で引けた。朝方は前日の流れを引き継いで112.52円高値の112円台での展開だった。日銀は昼過ぎに昨年11月以来となる指値オペを実施。緩和スタンスでゼロ金利を死守する構えを見せたことで、10年債利回りは0.15%台から0.10%台に低下、ドル円も反転し一時113.21円まで戻した。

今週の為替展望

最大の焦点は10日の日米首脳会談。通商面、為替面でなにか重要な発言が出る可能性が高い。安倍首相は、アベノミクス以降の異次元金融緩和は、デフレを解消するためであり、通貨安政策でないことに理解を求め、インフラ投資増、雇用増などで日本の協力体制を明示すると見られている。

3日に発表された米1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数は22万7000人増と市場予想の17万人を大きく上回った。トランプ大統領が金融規制見直しの大統領令にサインしたこともあって、3日のNYダウは金融セクターが牽引して1月27日以来の2万ドルを回復した。株が大幅高となる一方で、日米首脳会談を前にドル円の動きは膠着しており、雇用統計後も112円半ばと金曜日の東京のレベルからはむしろ円高になっている。

日米首脳会談で方向感が出るまでは、ポジションを傾けにくく、今週は112円から114円の狭いレンジでの展開となりそうだ。ちょうど100日移動平均が113.06円にあり居心地もいいレベルだろう。(ZUU online 編集部)

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