株式見通し
(写真=PIXTA)

2月6日の東京株式市場は、前週末の海外市場でのリスクオンを好感し続伸。日経平均は前週末比58円51銭(0.31%)高の1万8976円71銭で終えた。前週末の米市場は、雇用統計のポジティブサプライズにくわえ、トランプ大統領が金融規制を見直す大統領令に署名したこともあって、NYダウは5営業日ぶりに2万ドルを回復した。

規制緩和で収益機会の拡大が期待される銀行など金融セクターが上げを牽引した。東京市場でも、三菱UFJ銀 <8306> が3.4%高となるなど銀行株中心に買いが先行し、一時157円高の1万9075円と1万9000円台を回復したが、ドル円が112円台の円高に進むと、上げ幅を縮小して引けている。

7日の東京株式市場は、欧州の政治リスクが表面化、円高が進んだことで日経平均株価は反落。前日比65円93銭(0.35%)安の1万8910円78銭で終えた。極右の仏大統領選候補である国民戦線のルペン党首が、ユーロからの離脱を問う国民投票を実施すると公言、政治リスクが表面化した。

ユーロ圏の仏、伊などの長期国債利回りが急騰したこともあって、欧州株式市場は大きく下げ、リスクヘッジ通貨である円は買われ、ドル円は111円台半ばまで円高が進んだ。円高で輸出関連株の下げが主導し、東京市場は一時171円安まで下落したが、日銀のETF買いの観測で午後には下げ幅を縮小した。好決算を発表した半導体製造装置のディスコ <6146> が買われている。

8日の東京株式市場は、円高進行の一服で反発。日経平均の終値は前日比96円82銭(0.51%)高の1万9007円60銭と、1万9000円を1週間ぶりに上回った。もっとも、東証1部の売買代金は1兆9826億円と1月30日以来の低水準と2兆円の大台を割り込み、10日の日米首脳会談を控え模様眺め気分が強かった。

大型株が膠着する中、決算プレイと小型株に商いは集中。前日に好決算と自社株買いを発表した旭硝子 <5201> や場中に上方修正を発表した三菱ケミカル <4188> が買われ、小型株の代表であるマザーズ指数は1.3%高で1000ポイントを回復し活況だった。

9日の東京株式市場は、円高の進行で反落。日経平均は前日比99円93銭(0.53%)安の1万8907円67銭で終えた。円相場が一時111円台後半の円高に振れたことを嫌気して朝方から売りが先行した。引き続き決算プレイが中心で、前日に好決算を発表したソフトバンク <9984> は4日続伸、半導体材料のSUMCO <3436> は年初来高値まで買われた。

10日の東京株式市場は、米国株が法人減税期待で史上最高値を更新したこと、ドル円が113円台まで円安が進んだことで急反発。日経平均は前日比471円26銭(2.94%)高の1万9378円93銭で引けた。上げ幅は1月4日の大発会に次いで今年2番目の大きさ。

トランプ大統領は、今後2?3週間内に「税に関する驚くべき発表」をすると発言、もともと公言していた大型減税への期待感が膨らんだ。東証1部の売買代金は2兆7569億円と今年最多。日米首脳会談を控え、トランプ大統領が日本の新幹線を評価していると伝えられたため、日本車輌 <7102> など鉄道関連株が買われた。

「2/13~2/17」の株式展望

17年3月期の決算がほぼ出揃い好決算だったこと、テクニカル的に日経平均が上抜けてきたことから今週は上値トライとなる公算が高いだろう。

先週で17年3月期の第3四半期決算の大半がほぼ出そろった。10日時点での時事通信社の集計では、第3四半期実績の経常利益は円高の影響で前年同期比3.3%減と減益だった。ただ、通期の業績予想を上方修正したのは227社と、下方修正の83社を大きく上回り、モメンタムは上向いている。17年3月期通期では減益幅は0.6%まで縮小する見込みだ。円高による業績懸念も一巡し、さらに円安に振れるなら通期で増益の含みをのこした全体としてはいい決算だった。

日経平均は先週末10日の上げで、13週移動平均(1万9027円)、5日移動平均(1万9036円)、75日移動平均(1万9077円)、25日移動平均(1万9109円)、52週移動平均(1万9237円)を一気に抜き、ボリンジャーバンドの1α(1万9322円)も抜いた。テクニカル的にはトレンドは完全に上向いた。

10日の米株式市場は、前日に減税期待で買われた地合を引き継ぎ、NYダウは前日比96ドル高の2万269ドルと、過去最高値を連日で更新している。日米首脳会談が友好的に終わったことも市場の上げをサポートした。トランプ・ラリー第一弾で買われたような、金融、インフラ関連、景気敏感株などが買われており、トランプ・ラリー第2弾だとの指摘もではじめている。

ただ、10日のドル円はトランプ発言で一時円高に大きく振れた。トランプ大統領は、米中関係で「すぐに公平な競争ができる土俵をつくる」と語っため、市場はドル高の牽制ととらえた。113円台だったドル円は一時112.85円まで売られた。CMEの日経平均先物は大阪市場の金曜日の引け値に対して50円安の1万9330円で引けている。

メインシナリオは、世界的なリスクオンから上値トライ。心理的抵抗線の1万9500円、ボリンジャーバンド2αの1万9534円、1月5日の年初来高値1万9615円がターゲットだ。円高が進んだ場合は、上値が重くなる可能性もある。その場合は25日移動平均の1万9109円がサポートとなりそうだ。

今週注目される経済指標は、日本では13日に第4四半期のGDP速報(前期比コンセンサス0.3%増)がある。海外では、15日に米1月のCPI、小売売上高、鉱工業生産が発表され、16日に米1月の住宅着工、フィラデルフィア連銀景況指数、前週の新規失業保険申請件数がある。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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