年金,GPIF
(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

2017年3月3日に発表された年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2016(平成28)年度第3四半期(10~12月)の運用実績は10兆4973億円の黒字となり、四半期としては過去最高益を記録した。期間収益率は7.98%である。足元の運用状況は非常に好調だが、注目が集まるのはその持続性だ。

国内外の株高が収益に寄与

2016度第3四半期(10~12月)の運用収益である10兆4973兆円の内、国内株式の収益額は4兆6083億円となっている。国内株式のベンチマークであるTOPIX配当込み指数は同期間の収益率が14.95%となっており、相場好調に支えられた国内株式が収益を支えた。

また外国株式の収益額も4兆8213億円となっている。同期間は為替の円安も大きく進み、海外資産の収益を押し上げた。ドル/円レートは2016年9月末に101円台であったが、同年12月末には116円台まで円安が進行している。国内外の株高と円安に支えられ、10兆円を超える運用収益を叩き出した。

米大統領選挙後の財政拡大期待、米国金利上昇に伴う円安、OPECの原油協調減産合意などが10~12月の相場好調の要因となった。

2012(平成24)年度第4四半期の収益額7兆6273億円を超え、四半期過去最高益となったGPIFだが、次は年間最高益の更新が期待される。年間最高益は2012年度の11兆2222億円である。2016年度4~12月期の収益額は7兆6378億円となっており、足元も国内外の株式市場は堅調を維持している。2017年7月頃と見られる2016年度の運用実績公表に注目が集まる。

GPIFには様々な検討議題が残されている

GPIFは運用目標を「名目賃金上昇率+1.7%」と置いている。厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査(確報値)」によると、2016年12月の名目賃金上昇率は前年同月比0.5%増である。足元のGPIFの運用実績が好調である事が分かる。

しかし、GPIFには様々な検討議題がある。資産構成比率をめぐっては、低金利下の現状で、国内株式やオルタナティブ資産の比率引き上げを唱える声が常に存在している。運用コスト削減や機動的なリスク管理ができるよう、現在はすべて外部委託する必要のある株式の運用をGPIFが直接行う「インハウス運用」の解禁も議題に挙がる。政治介入の排除と国民の意見の反映の為、ガバナンス改革の必要性を指摘される事もある。

短期間の運用実績は参考指標のような位置付けであり、GPIFには今後長期に渡り安定した運用実績を残し、国民年金制度を維持していく使命がある。これからの運用をより良いものにする為、挙がっている検討課題に向き合って議論する事が重要である。運用実績の良い今の時期だからこそ、国民の関心も高まっており、そういった議論を行う絶好の機会となり得る。(ZUU online編集部)

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