株式展望
(写真=PIXTA)

27日の東京株式市場は、円高を嫌気して続落。日経平均は前週末比176円07銭(0.91%)安の1万9107円47銭で4日続落となった。米国が史上最高値を連日更新するなか、日本株の上値の重さが目立っている。

一時111円台の円高となったことで、日経平均は1万9000円を割れとなる場面があった。ただ1万9000円割れは押し目買い意欲も強く、日銀のETF買いの思惑もあって下げ幅を縮小した。

円高と金利の低下で、輸出関連や金融株が中心に売られた。個人の物色の中心は小型株。ジャスダックは12日続伸、マザーズは6日続伸だった。

28日の東京株式市場は、円高の一服で5日ぶりに小反発。日経平均は前日比11円52銭(0.06%)高の1万9118円99銭で終えた。

FOMCのメンバーから利上げに前向きな発言が報じられ、ドル円が112円台後半まで反発したことを好感した。トランプ大統領が軍事費、インフラ投資増の発言をし、インフラ関連株、機械株、防衛関連銘柄などが賑わった。原油が54ドル台まで上げたため資源株も買われた。ジャスダックは13日続伸。1991年7月以来の26年ぶりの高値。マザーズも7連騰。

3月1日の東京株式市場は、米利上げ観測が高まり円安に振れたことで続伸。日経平均は前日比274円55銭(1.44%)高の1万9393円54銭で引けた。

FOMCの複数の主要メンバーが利上げに対して前向きな発言をしたため米国の早期利上げ観測がさらに高まり、ドル円は113円台半ばまで買われた。

日本時間11時過ぎから始まった大統領演説では、インフラ投資1兆ドル、大幅減税、ソフトバンクが雇用創出等の内容が伝わった。新鮮な内容ではなかったが、懸念していた過激な発言がなかったことで日本株には先物を中心に買いが入り午後から一段高。

円安メリットの大きい電機や自動車等のセクターが物色され、インフラ関連銘柄やソフトバンクにも買いが入った。小型株は引き続き好調。ジャスダック14日続伸、マザーズ指数は8日続伸。

2日の東京株式市場は、米国株が大統領演説通過で303ドルの大幅高となり円安も進んだことで3日続伸となった。日経平均は前日比171円26銭(0.88%)高の1万9564円80銭で引けた。米国で3月FOMCでの利上げ観測が強くなり、ドル円は114台に。

日経平均は、上値のレジスタンスとなっていた1万9500円を抜け、年初来高値を更新した。金利の上昇で金融機関の利鞘が改善するとの期待からメガバンクが買われた。ジャスダックは15日続伸、マザーズは9営業日続伸。

3日の東京株式市場は、キャタピラーの株価下落でNYダウ、ドル円が一服したことで4日ぶりに下落。日経平均は前日比95円63銭(0.49%)安の1万9469円17銭で引けた。

米内国歳入庁がキャタピラーを家宅捜査していると伝わり、NYダウは前日の300ドルを超える上げから100ドルを超える下げとなった。キャタピラーは建機大手でインフラ関連銘柄として市場の中心銘柄だった。東京市場で、円安は一服、朝方の114円台から113円台に振れたことで、日経平均は寄り後の19500円台高値からじり安の展開だった。

「2/6~2/10」の株式展望

米大統領選という大きなイベントを通過し、3月のFOMCでの米国の利上げがほぼ確実視されるようになったことで、日経平均は1月5日から続いていた1万9000円と1万9500円のボックスを一時上抜けた。

日柄調整も十分で、下値も切り上げながらボックス抜けたことで、日経平均は、3月末にかけて2万円をつけにいく可能性が高くなった。

2月に米国株が歴史的な上げとなる一方で、日本株の上値が重たかったのは、国内機関投資家の利益確定売りが入っていたためだと言われている。通常、期末の益出しは3月のメジャーSQで一巡する。3月FOMCでの米国利上げについで、6月にも利上げとの見方が拡がりつつある。日米金利差の拡大期待から再びドル円が115円台をこえる円安となり、日経平均も高値追いとなる可能性が高そうだ。

今週の東京市場のメインシナリオは、日経平均で1万9300円から1万9800円のレンジ。ボックスは抜けたものの、今週から来週に大きなイベントを控えており、一気に上値トライとはなりづらい。

下値は、5日移動平均、25日移動平均、75日移動平均、13週移動平均など主要サポートが1万9200円台に修練しており、サポートされる。一方、上値は1万9632円にボリンジャーバンドの2α、1万9668円の年初来高値くらいしかレジスタンスはない。

3月末に2万円への挑戦のためにも、今週は1万9500円を固める展開が予想される。重要イベントを控え出来高が膨らまずに1万9500円を大きく上抜けきれない場合は、引き続き新興市場など小型株の個別物色が中心となろう。

今週の主要イベントは、5日から中国全人代、9日がECB理事会、10日が日本のメジャーSQ。来週は、13日めどで米予算教書、14?15日が米FOMC、15日がオランダ下院選挙、15?16日が日銀決定会合とかなり重要なイベントが続く。経済指標は、7日にユーロ圏4QのGDP改定値、8日に日本4QのGDP2時速報値、10日に米2月雇用統計が注目される。(ZUU online 編集部)

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