特集「本を読む。」 特集AI 人口知能がもたらす禍福 専門家たちの金言 広告特集「太陽光投資」 特集「不動産投資のはじめ方」 特集「仮想通貨/ビットコイン」 DC特集
投資の応用
Written by 岩田太郎 44記事

不滅のインデックス投資

バフェット氏のヘッジファンド批判「ドブに捨てるようなもの」

バフェット氏,投資家への手紙
(写真=Kent Sievers/Shutterstock.com)

「オマハの賢人」との異名をとる、世界最大の米投資会社バークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)のウォーレン・バフェット氏(86)は2月25日、同社株主に宛てた毎年恒例の書簡を公表し、「大したリターンも生み出さないのに、手数料だけはバカ高いヘッジファンド」に対する猛批判を展開して、注目された。

バフェット氏の不満とは何か。その不満は、的確なのか。米メディアは、どう論評しているのか。探ってみよう。

ヘッジファンド批判の背景

バフェット氏が、なぜヘッジファンドを非難したのか理解するためには、同氏がバークシャー・ハサウェイの株主に対する書簡で、米経済の現状や投資を取り巻く環境に関して、どのような見解を示したかを知る必要がある。

まずバフェット氏は書簡のなかで、例年通り、米国と米経済に対する強い信頼感を表明した。同氏は、「米国人は人間の知恵や市場システム、才能ある野心的な移民の流入、法の原則を融合させることで、祖先の夢を超えるほどの豊かさを実現した」と述べ、市場原理や法の支配に挑戦するトランプ政権への間接的な批判を展開するとともに、米市場のシステムは、一政権の「改革」の動きでは揺るがないとも示唆した。

また、「バークシャー・ハサウェイが市場で売買できる証券を、全て永久に保有すると約束したことは、一度もない」とする一方、従来通り、社会のインフラ化している優良企業株を長期保有する基本方針に変更がないことを確認し、「私の目が黒いうちは売るつもりのない株式を、弊社が保有していることは事実だ」と言明した。

バフェット氏はさらに、市場平均と同程度の運用成績を目標とした投資スタイルであるパッシブ運用が、一般投資家には向いているとの従来からの見解を改めて表明。

バークシャー・ハサウェイの運用戦略も、そうした低コストで質素な「インデックス投資」に沿っており、「他の運用戦略よりも、はるかに良い選択肢だ」と述べた。

ヘッジファンド成績を上回るインデックス投資

そしてバフェット氏は、インデックス投資の草分けである米投資運用大手バンガード・グループの創設者、ジャック・ボイル氏を次のように称賛した。

「ジャックは当初、業界の笑いものだった。だが今日では、何百万の投資家に、他の投資手法よりはるかに優れたリターンと手数料の節約をもたらしたことで、満足しているだろう。彼は、それらの益を被った投資家たちと私にとってのヒーローだ」と、手放しの称賛を送った。

その文脈で出たのが、ヘッジファンド批判だ。バフェット氏は書簡のなかで、「我々は、2007年、『10年越しで、パッシブ運用と、ヘッジファンドなどが採用するアクティブ運用のどちらが優れているか』という投資手法の賭けを、『ヘッジファンドに投資するファンド』のプロテジェ・パートナーズと始めた。

私は、手数料の低いインデックス投資ファンドが、向こう10年間のリターンでヘッジファンドを上回ると見て、S&P500種指数連動ファンドを買い、ヘッジファンドを売る100万ドルのポジションを構築した」と回顧した。

なお、この賭けは、収益を慈善団体に寄付する目的で、バフェット氏とプロテジェ・パートナーズが合意して始めた「慈善ギャンブル」である。

バフェット氏は、こう指摘する。「私と反対の相場観を持っていたプロテジェ・パートナーズはヘッジファンドへの投資に特化した5つの投資ファンドに資金を投入した。今年末の期限まであと1年を切った今、100万ドルの元手から、彼らは手数料支払い後22万ドルの利益を生み出したが、我々は85万4000ドルものリターンを叩き出した。2007年以来で比べれば、現時点でこの5つのファンドのうちS&P500種指数連動ファンドを上回っているものは一つもない」。

こうしたことからバフェット氏は、「私が勝利を収めることは、もう確実だ」と宣言した。

そして、「過去10年間で、投資家たちは手数料が高く、リターンの低いヘッジファンドに対する手数料の支払いで、推定1000億ドルをどぶに捨てた」とこき下ろしたのである。

質素な生活を送るバフェット氏は、「そうした浪費は、金持ちが贅沢なライフスタイルを維持するため行う非効率的な投資の代償だ」と手厳しい。

ただしバフェット氏は、「(小さな元手を大きくすることを称賛するたとえ話に富む)聖書的な観点から言えば、バークシャー・ハサウェイに大きな利益をもたらしさえすれば、私は喜んでファンドに巨額の手数料を払う」と付け加えることも、忘れなかった。

バフェット氏の見方を支持する米メディア

米メディアは、こうしたバフェット氏の見解を大筋で支持している。ブルームバーグ通信の論評は、「金融情報を提供するモーニングスターによると、パッシブ運用のファンドは2016年に、5048億ドルもの新規投資を受け入れたが、同年、アクティブ運用からは3401億ドルの資金が引き揚げられた」「英調査会社プレキンのアンケートでは、66%がアクティブ運用のリターンが予想を下回ったと回答した」として、「バフェット氏の見解は、勢いを得ている」と結んだ。

米有力マネーマネージャーのスティーブ・ウォールマン氏も、「インデックス投資の方が有利とするバフェット氏の書簡は、この先、非常に大きい影響を持つだろう」と予想した。

ヘッジファンドとの10年越しの賭けで、勝利がほぼ確実に見えるバフェット氏。2018年初頭になお存命であれば、恒例の株主向け書簡で、「質素さを旨とするインデックス投資は、不滅だ」と、今年の書簡より踏み込んだ表現をするかも知れない。(在米ジャーナリスト 岩田太郎)

【編集部のオススメ記事】
地方移住ランキング! 昨年王者の山梨を破って首位に輝いたのは◯◯県?(外部)
100万円で79万円儲かる?「究極の」資産運用術とは
女性不動産投資家「金融機関40行の融資情報はお金を出しても聞きたい!」(PR)
東京23区「平均年収ランキング」圧倒的1位は902万円の……
「相続税対策」に「都心の中古1棟マンション投資」がいい理由(PR)

バフェット氏のヘッジファンド批判「ドブに捨てるようなもの」
ZUU online の最新記事を
毎日お届けします
PREV マイナス金利下における国内債券運用
NEXT 新興国通貨の二極化 「勝ち組」と「負け組」の選別方法は?