株式展望,見通し
(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

6日の東京株式市場は、北朝鮮のミサイル発射で円高に振れたことで下落。日経平均は先週末比90円03銭(0.46%)の1万9379円14銭で2日続落となった。

有事の円高でドル円は114円を割り込んだ。アジアの地政学リスクと円高で、日経平均は一時128円安。ただ、積極的に売り込む向きは少なく下げ幅を縮小して引けた。東証1部の売買代金は1.72兆円と今年2番目の薄商いだった。

円高で輸出関連セクターが売られた。大型株の上値の重さから物色の中心は新興市場で、ジャスダックは17連騰、マザーズは11連騰。

7日の東京株式市場は、模様眺め気分が強く小幅ながら3日続落。日経平均は前日比34円99銭(0.18%)安の1万9344円15銭で終えた。

日経平均の日中の値幅は57円と今年最低で、16年12月26日以来約2カ月半ぶりの小動きだった。東証1部の売買代金は1兆9866億円と活況のめどとされる2兆円の大台を2日連続で割り込んだ。ジャスダックは18連騰となったが、マザーズは利益確定売りで12日ぶりの下げとなった。

8日の東京株式市場は、国内機関投資家の期末対策と思われる売りで下げた。日経平均は、前日比90円12銭(0.47%)安の1万9254円03銭と4日続落した。

安値では1万9200円を下回り、サポートと思われた25日移動平均の1万9241円を割り込む局面もあった。ただ、押し目買いの意欲は強く下げ幅を縮小して引けた。ジャスダックは19連騰と03年12月から04年1月の21連騰以来の13年ぶりの記録となった。

9日の東京株式市場は、114円半ばまでの円安を好感し5営業日ぶりに反発。日経平均は、前日比64円55銭(0.34%)高の1万9318円58銭で終えた。

前日の米国で2月のADP雇用レポートを受けて米長期債利回りが2.55%と12月20日以来のレベルまで上昇した。現在の東京市場は、NYダウよりも米国債利回りとの連動性が高くなっている。長期債利回り上昇→日米金利差の拡大→円安となるためだ。

自動車や、ゴム、精密など輸出関連株に買いが向かった。もっとも積極的な売買は手控えられ、東証1部の売買代金は1兆8791億円と低迷した。ジャスダックは20連騰。

10日の東京株式市場は、円安が115円まで進んだため、大幅続伸。日経平均は、前日比286円03銭(1.48%)高の1万9604円61銭で引けた。ほぼ高値引けとなり、引け値ベースで1月4日の高値1万9594円16銭を抜いた。

円安が進行し115円を付けた。米長期債利回りが一時2.60%に上昇し、ほぼ3カ月ぶりでトランプラリー後の高値圏であるレベルまで達し、日米金利差拡大からドル高・円安が進んだ。

日経平均は160円高とギャップアップして始まり、円安が一時115円40銭近辺まで進むのを見ながら先物に継続的な買いが続き、引け値ベースでの年初来高値となった。

金利上昇で採算が改善する保険セクターを筆頭に、証券、銀行などの金融セクターがしっかり。円安で電機、自動車等の輸出関連にも買いが集まった。SQだったことで売買代金は2兆9483億円に膨らんだ。新興市場は、ジャスダックが21連騰。

「3/13~3/17」の株式展望

10日に発表された注目の米2月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数は前月比23万5000人増とコンセンサスの20万人を上回った。今週のFOMCでの利上げは確実視されている。CMEのFF金利先物では、FRBが3月に利上げする確率はすでに93%。さらに6月利上げの確率も55%まで高まってきた。

東京市場の今週メインシナリオは、円安が進行し日経平均が高値追い。今週のFOMCでの25ベーシスの利上げは確実視されているが、すぐに焦点は次の利上げとなるだろう。日米金利差拡大の思惑から円安トレンドが続き、日本株も上昇する公算が強い。国内機関投資家の益出しの売りも峠を越え、市場の株式需給は改善する。3月後半はアノマリー的にも上げることが多く、今週か来週には2万円の大台変替わりにチャレンジしそうだ。

日経平均は年初からの上値抵抗線となっていた1万9500円をやっと抜いた。日経平均の上値を押さえていたのは、国内機関投資家の3月期末益だしの売りだった。国内金融法人は5週連続の売り越しで、5週間で約2980億円を売った。国内投信も12週間連続の売り越し。今年だけでも4730億円売り越している。通常、国内機関投資家の決算対策売りは3月のメジャーSQで大半を終える。今後需給は改善する見込みだ。

テクニカル的には、上値のレジスタンスはボリンジャーバンドの2αの1万9661円、3月2日のザラ場高値の1万9668円くらいしかない。次は心理的抵抗線の2万円だ。下値サポートは、52週移動平均の1万9394円、25日移動平均の1万9284円。

テイルリスクとして気を付けたいのは、アジアの地政学リスクと米国予算教書の遅れ。13日に予定されていた米予算教書は、トランプ政権の人事が遅れているため、3月中に出せるかどうかも危ぶまれてきている。

今週の重要イベントは、利上げが確実視される米FOMCが14-15日、日銀金融政策決定会合が15-16日、オランダ総選挙が15日。

オランダ総選挙は、極右政党である自由党(PVV)が支持率で首位を走ってきたが、最近の世論調査ではPVVの人気は失速している。ポピュリズムの流れはあるのだが、米トランプ政権の混迷から人気が下降してきているとの見方が強い。PVV一党で過半数をとることは無理そうで、5-6党での連立政権となり、PVVの影響は限定的だろう。

経済指標は、日本では13日に1月の機械受注がある。海外では、15日に米2月小売売上高、3月NY連銀製造業景況指数、16日に米2月住宅着工、17日に米2月鉱工業生産、3月ミシガン大学消費者信頼感指数がある。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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