13日の東京株式市場は、小幅ながらも3日続伸。日経平均は前週末比29円14銭(0.15%)高の1万9633円75銭と連日で昨年来高値を更新した。

前週末(3月10日)に注目された米2月雇用統計では、非農業部門の雇用者数が23万5000人増と市場予想を上回り、米景気の好調持続が確認できる結果だった。連邦準備制度理事会(FRB)が15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げをするとの見方がほぼ決定的となり、焦点は今年の利上げのペースに移った。イベントを無事に通過したことでNYダウは続伸し44ドル高で引けた。

東京市場でも、日米金利差拡大から円安が続くとの期待感から、一時1万9656円48銭と、1月5日につけた1万9615円40銭のザラ場の高値を更新した。

雇用統計後、ドル円は材料出尽くしで115円台から114円台へと円安が一服となっていたため、自動車などの輸出関連株は売られた。原油先物が、米国のシェールガスなどの増産で在庫が増えていることから節目の1バレル50ドルを下回り48ドル台まで下げているため、エネルギー関連株も売られた。日経平均は高値更新でも、東証1部の売買代金は1兆7724億円と商いは低調。

14日の東京株式市場は、4営業日ぶりに小幅ながらも反落。日経平均は、前日比24円25銭(0.12%)安の1万9609円50銭で終えた。

15日に米FOMCとオランダ総選挙を控え、一旦利益を確定する動きが優勢になった。東証1部の売買代金は1兆7814億円と引き続き低調。 15日の東京株式市場は、海外での大きなイベントを控え模様眺め感が強まりポジション整理から小幅続落。日経平均は、前日比32円12銭(0.16%)安の1万9577円38銭で終えた。

日本時間16日未明の米FOMCやオランダ総選挙を控えて模様眺めとなり、東証1部の売買代金は1兆6771億円と、2月21日以来およそ3週間ぶりの低水準となった。堅調を持続していた新興市場にも利益確定の動きが先行し、ジャスダック平均が0.9%安、マザーズ指数が3.3%安と久々に大幅な下落となった。

16日の東京株式市場は、NY市場の大幅高を受け、3日ぶりに反発。日経平均は、前日比12円76銭(0.07%)高の1万9590円14銭で終えた。

FRBは市場の予想通り政策金利の25bpsの引き上げを決定したものの、年3回という基本の利上げシナリオを維持した。利上げペース加速観測が後退したことで、NYダウは112ドルの大幅高だったが、ドル円はNYで一時113円40銭の円高に振れた。

東京市場の朝方は売りが優勢で、寄り付き後に下げ幅が123円となる場面があった。それでも押し目買い意欲は強く、日銀のETF買いの観測もあり、下げ幅を縮小、引けにかけてプラスに転じた。オランダ総選挙で与党が第1党を維持し、極右政権の躍進を食い止めたと伝えられ、懸念されたイベントを無事通過したことも買い安心感を誘ったようだ。東証1部の売買代金は2兆1590億円と4日ぶりに活況とされる2兆円を上回った。

17日の東京市場は、国政の停滞懸念から小幅反落。日経平均は、前日比68円55銭(0.35%)安の1万9521円59銭で終えた。

大阪の学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る問題で、安倍首相の寄付問題が浮上、海外市場で有事の円高となり一時112円台まで円が買われていた。東京市場でも、政局の停滞を懸念して朝から売りが先行、3連休を控えていることもありポジション整理の小口の売りが優勢だった。東証1部の売買代金は2兆4595億円と膨らんだ。

「3/21~3/25」の株式展望

17日のNYダウは、19ドル安と小幅ながら続落している。FOMC後の金利低下が続いており、金融株の下げが相場を下押しした。米長期国債利回りは、FOMC前には2.6%台と、トランプラリー後の高値に接近していた。最近の日経平均は、NYダウよりも米長期国債利回りとの連動性が高く、米金利上昇で高値を更新していた。FOMCの上げペースが年4回になるとの観測は後退し、17日の長期債利回りは一時2.4%台まで下落した。ドル円も一時112円57銭まで円高となり、2月28日以来3週間ぶりの水準になった。FOMC前のドルロングのポジション整理の動きが継続している。円高を嫌気してCMEの日経平均先物1万9310円まで下げた。
17-18日にドイツでG20が開催されており、ムニューシン米財務長官から円などの通貨安に対する批判がでるかもしれないことも嫌気しているようだ。

今週の連休明けの東京市場のメインシナリオは、19200円から19600円のレンジ内の動きか。ドル円の動きを見ながらの展開となる。先週115円から112円まで思わぬ円高が進んだため、今週は日経平均25日移動平均線である1万9394円を巡る攻防となりそうだ。ただ、基本的に米利上げによる日米金利差の拡大から円安になるというストーリーは大きく変わらない。押し目買いの意欲も強いだろう。東京市場では期末要因で需給が改善、配当取りの動きもあり来週には再び上値挑戦になる可能性が高いと見ている。

今週は23日の籠池氏の証人喚問が注目のイベント。グローバルでは大きなイベントはない。 経済指標では、日本では22日の2月の貿易統計、日銀金融政策決定会合議事要旨が注目。海外では、21日の米第4四半期の経常収支、22日の米2月の中古住宅販売件数、23日米2月の新築住宅販売件数、24日の米2月の耐久財受注などが注目されよう。(ZUU online編集部)

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