先週(3/27-3/31)の日経平均は、前週末比353円27銭(1.8%)安の1万8909円26銭で引けた。実質新年度入りで堅調な相場が期待されたが、金曜日の午後からは先物主導で下げ足を早め、心理的節目である1万9000円を割り込んで安値引けとなった。3週連続の下落となり、3月3日に付けた年初来高値からは3.9%安となった。
27日の東京株式市場は、NY市場の混乱を嫌気して反落。日経平均株価の終値は前週末比276円94銭(1.4%)安の1万8985円59銭だった。2月9日以来1カ月半ぶりに終値で1万9000円を下回った。
オバマケア代替案の採決見送りで、トランプ政権に対する不信感から、NYダウは59ドル安で7日連続安、ドル円は一時110円63銭まで円高が進んだ。東京市場でも一時110円12銭まで円高が進行し、株式市場にもポジション整理の売りが先行した。
28日の東京株式市場は、円高の進行が一服で反発。日経平均の終値は前日比217円28銭(1.1%)高の1万9202円87銭だった。
前日のNY市場では、ダウは5年ぶりの8日連続安となり、円は一時110円11銭と16年11月18日以来の水準まで進んだ。ただ、ドル円の110円前半での買い意欲は強く、東京時間では110円80銭まで反発、日経平均も戻しはじめた。
3月決算銘柄の権利付き最終日であり、配当取り、優待取りを狙った買いやインデックスファンドの配当落ち分の買いなどを期待した買いも相場を押し上げた。権利付きの売買が増えたため売買代金は2兆4150億円と膨らんだ。
29日の東京株式市場は、NYダウが9営業日ぶりに反発したことを好感し続伸。日経平均の終値は前日比14円61銭(0.1%)高の1万9217円48銭となった。
受け渡しベースで実質新年度入り。前日のNYダウは150ドル高と反発、ドル円も111円台まで反発したため、日経平均も堅調な展開となった。3月期末の配当権利落ち分は約132円で、配当落ちを埋めてプラスとなった。新興市場や直近IPO銘柄にも買いが先行、マザーズ指数は2.7%高と続伸した。
30日の東京株式市場は、手懸かり材料に欠ける中、円高、上海株安などで反落。日経平均は前日比154円26銭(0.8%)安の1万9063円22銭で引けた。
前々日に一旦反発したNYダウが前日42ドル安と下げたことで、前場の日経平均は方向感のない展開だった。午前中に111円40銭前後をつけていた円相場が、ユーロ安に牽引され午後に110円割れまで円高に振れ、上海市場が不動産市場の悪化に対する懸念で一時1%を超える今年最大の下げとなる中で午後に日経平均は一段安となった。
31日の東京株式市場は、午後から先物主導で下げ足を早め続落。日経平均は、前日比153円96銭(0.8%)安の1万8909円26銭で終えた。1万9000円割れは4日ぶり。
朝方は前日の米国株高や原油50ドル台回復、円安を好感した買いが優勢で期末のドレッシングなどの期待もあり前日比プラスで推移していたが、午後に先物主導で下げ足を早めたため新年度期待で膨らんでいたポジション調整の売りで安値引けとなった。
東証1部の売買代金は2兆5881億円と膨らんでおり、機関投資家のまとまった期末対策の売りが入った模様だ。したがって新興市場に下げの影響は少なく、マザーズ指数は0.6%高、ジャスダック平均は0.3%高と反発した。
「4/3~4/7」の株式展望
日米ともに新規の材料難からポジション整理の売りが進んでいる。31日のNYダウは65ドル安と反落。ドル円は111円台前半までの円高になった。ただCMEの日経平均先物は1万8940円と大阪先物の引け比では40円高としっかり。31日の東京時間の午後の下げが期末に絡んだ売りだとの見方が強いだけに自律反発している。
今週の東京市場のメインシナリオは、1万8800円から1万9300円のボックス圏内の動きが想定している。31日の下げが決算に絡むものであれば早々に1万9000円台回復の可能性が高いが、その後は材料難で方向感がでにくい展開となりそうだ。
3月に外国人投資家は現物株を9595億円売り越した。ただ3月末の配当が付くため、外資系証券が国内にポジションを一時移したとの見方もある。4月はリーマンショック以降の8年間で、現物と先物合算では7回買い越し、売り越しは1回だけ。1~3月で売っていても4月から買いに転じることが多い。
国内機関投資家の売り一巡、外人買いで需給は改善する見込みだ。下値に抜けた場合のサポートは25週移動平均の1万8664円。上値は75日移動平均線の1万9259円が戻りのめど。抜けた場合は25日移動平均の1万9319円がレジスタンスとなる。
今週のイベントでは、欧州中央銀行が4月1日からテーパリングを開始。資産買い入れ額を月800億ユーロから600億ユーロへ減少する。今後の欧州の金融政策を見る上でも7日のユーロ圏財務相会合には注目。米FOMC議事録(3月15日開催分)が6日に公表される。6日からは米中首脳会談。為替に対するコメントに注意。なお、4月には米FOMCの開催はなく次回は5月2日から3日。次回の日銀決定会合は4月26日から27日。
経済指標では、日本の日銀短観(3月調査)が最大の注目材料。大企業製造業業況判断指数の市場コンセンサスは14。海外では、3日の米3月のISM製造業景気指数、中国の製造業PMI(マークイット)、4日の米2月の貿易収支、5日の米3月ADP雇用統計、3月ISM非製造業景気指数、7日の米3月雇用統計が注目される。雇用統計の非農業部門雇用者数のコンセンサスは17万2000人。(ZUU online 編集部)
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