前週(4/3~4/7)の日経平均は、1万8664円63銭で引け、週間で244円63銭(1.3%)安の4週続落となった。4週連続は16年6月のBREXIT前以来。新年度入りで堅調な相場を期待していたが、地政学リスクの懸念で金曜日の午前中には年初来安値を更新した。
3日の東京株式市場は反発。日経平均は、前週末比73円97銭(0.4%)高の1万8983円23銭で終えた。新年度初日の上昇は5年ぶり。
前週末2日で300円以上下落し1万9000円を割り込み年初来安値をつけていた。国内機関投資家の決算対策の益出しの売りで下げたとの見方が強かっただけに、4月の先高感から反発のスタートとなった。
4日の東京株式市場は反落。日経平均の終値は前日比172円98銭(0.9%)安の1万8810円25銭だった。
ロシアで地下鉄爆破事件が起き、米国が北朝鮮を制裁対象にするとの報道があり地政学リスクが高まった。円高が一時3月27日以来となる110円34銭まで進行した。東証1部の売買代金は2兆5741億円まで膨らんだ。特に、新興市場の下げが厳しく。マザーズ指数が3.2%安、ジャスダック平均が2.0%安と日経平均の下げを大きく上回った。
5日の東京株式市場は反発。日経平均の終値は、前日比51円02銭(0.3%)高の1万8861円27銭だった。
前日のNYダウが3日ぶりに反発、ドル円は3月27日の安値110円12銭を手前に反転し、一時110円91銭までの円安となったことで、日本株にも買い戻しが先行した。
6日の東京株式市場は反落。日経平均は、前日比264円21銭(1.4%)安の1万8597円6銭で終えた。引け値で1月24日以来の年初来安値更新。
米FOMC議事録で、量的金融緩和で膨らんだ債券ポジションの縮小やNY株が割高だとの議論がでていることが確認され、米債が買われ米株が売られた。さらに、朝方北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、米朝関係の緊迫化への懸念が高まったこともリスクオフに拍車をかけた。新興市場の下げが厳しくなり、マザーズは2.4%安、ジャスダックは2.2%安となった。
7日の東京株式市場は反発。日経平均は、前日比67円57銭(0.4%)高の1万8664円63銭で終えた。
午前10時過ぎに米国がシリアにミサイルを発射したと伝わると、リスク回避でドル円は一時110円14銭まで進行し、日経平均も一時1万8517円43銭とザラ場の年初来安値を更新した。
ただ、ドル円が3月27日の安値110円12銭をブレークせずに反転したことで、自律反発を狙った買いで戻した。東証1部の売買代金は2兆7654億円まで膨らんだ。マザーズ、ジャスダックともに反発したが、マザーズは一時2月13日以来の1000ポイント割れとなる場面があった。
「4/10~4/14」の株式展望
7日のNYダウは、地政学リスクは残るものの、3月の失業率が4.5%と07年5月以来10年ぶりの水準に低下したことで買い意欲も強く、6ドルの小幅安と下げ渋った。注目の米中首脳会談では、貿易不均衡是正のために100日計画を策定することに合意、北朝鮮問題は協力を強化していくこととしており、株式市場が懸念していた中国に対する強固な要求はでなかった。
東京市場のメインシナリオは、1万8500円~19000円の狭いレンジ内の動きが想定される。今週末は多くの国でイースターの連休となるため方向感にかける展開となりそうだ。
地政学リスクによる緊張感があり、米トランプ政権に対する不信感も継続する可能性が高い。特に、法人減税が遅れや減額が報道されると株式市場にネガティブになりそうだ。ただ、ドル円は110円前半に強い買い需要が見られており、日本株の押し目買い意欲も強いことは先週確認された。
日米とも足下の景気は上向きで、1~3月期の決算に対する期待感は強い。米国の決算は今週から本格化、13日にはシティ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴなどの主力銀行が発表する。銀行の決算で新しい方向性がでてくる可能性があるだろう。
テクニカルでは、サポートが1万8602円のボリンジャーバンドの2α、昨年12月安値の1万8227円。レジスタンスが、5日移動平均の1万8783円、ボリンジャーバンド1αの1万8909円、心理的抵抗線の1万9000円。円が3月27日高値の110円12銭を抜ける展開となれば、日経平均も下抜ける可能性がある。その場合は200日移動平均の1万7779円が意識されるだろう。
今週の主なイベントは、10日に日銀支店長会議、10~11日にG7外相会合、15日金日成生誕105周年。北朝鮮はイベント時に世間を騒がせるようなことがありがちだ。12日からNYで国際自動車ショー。今週末はイースターで、14日金曜日は欧米主要国で休場が多い。経済指標は、日本が12日に3月の機械受注。海外が14日に米3月のCPI、小売売上。注目される指標は少ない。(ZUU online 編集部)
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