生命保険を見直そうと一括資料請求したものの、届いた商品パンフレットの量に辟易して見直しを断念してしまった……。こんな経験を持つ人も少なくないだろう。世帯状況でリスクへの備え方が変わるため、相談相手がいたほうが見直しは進めやすい。しかし、誰に相談すればよいかでまた迷うところ。窓口それぞれのメリット、デメリットを確認しておきたい。

来店型保険代理店(保険ショップ)で商品選択肢を広げる

保険,見直し
(写真=PIXTA)

街中やショッピングモール内に店舗を構え、ブースで担当者と対面相談ができる来店型保険代理店(以下、保険ショップ)。最近あちこちで見かけるようになったがご存知だろうか。

保険ショップの大きなメリットは、乗り合い型代理店特有の取り扱い保険会社数の豊富さにある。医療保険や就業不能保険など、商品性も多種多様になりつつある現在、どんな生命保険があるかを知りたい向きに打ってつけと言える。

ただし、取扱商品が増えればそれだけ保険各社毎の手続きや保障内容、引き受け基準などに精通する必要が出てくるが、商品知識が伴わない担当者にあたる可能性もある。担当者がなぜその保険を提案するのか、まず明確な説明を求めるべきだ。安直にオススメ商品を求めると、相談者目線ではない、ショップ目線の提案を受ける場合があることに要注意だ。

保険ショップは、担当者に不明点をその都度確認、ネット検索で能動的に調べることが苦にならず、幅広い保険商品から選びたい人に向く窓口と言えるだろう。

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生命保険会社に所属し、その会社の保険商品を募集するのが(一社専属の)保険募集人だ。自社商品ならでは商品知識の深さもあり、減額や一部前納払いなど契約者の事情に臨機応変に対応できることが最大のメリットだろう。

勤続年数が長ければ給付事例や手続きにも詳しくなり、保険金・給付金の請求漏れやスムーズな受け取りを重視する向きに合っている。相談相手として安心、信頼できる担当者が見つかればそれに越したことはない。

しかし、提案プランが(提携会社もあるが)その会社の商品だけなので、設計に制限が出ることは否めない。また、職員の入れ替わりの激しい保険業界において、長く付き合える相手になれるかどうかも重要だ。もし、あなたの職場に通う保険募集人が複数いるならば、人となりや商品知識がありそうか吟味をしてから話しかけても遅くはない。

ファイナンシャルプランナー(FP)になった背景や収益源を確認

これまでに挙げた窓口にも、当然ファイナンシャルプランナー(以下、FP)資格をもつ担当者はいるだろう。では、保険ショップや保険会社内のFPと独立して保険相談を受けつけているFPはどこが違うのか、何がメリットか?それを知るには、FPになる前歴やFPとして独立してからの経験、相談料金の有無などがヒントになるだろう。

まずメリットは、オーダーメイドのように保険に限らずあなたの家計状況に合ったテーマを1対1でじっくり相談できること。期間にも提供商品にも縛りがない、独立しているからこそできるサービスであろう。

ただ生命保険や損害保険、相続や社会保障制度などFPの守備範囲は恐ろしく広い。それらをすべて網羅する経歴を持つFPはほとんどいないのではないだろうか。経歴により多かれ少なかれ、生命保険が得意な者とそうでない者に分けられる。そのため、まずは経歴に着目して相手を選ぶほうが実務的なアドバイスを得る可能性が高い。

はじめに断っておくが、保険の手数料をもらっているFPすべてが手数料目当てであるとは思わない。しかし、メインの収益源は何かを確認することも重要だ。それによってどの立場でアドバイスをしているか考えることも賢い消費者として必要だろう。相談料はその目安にもなる。

我が家に適した相談窓口はどれかの視点を持つことは大切だが、会ってまず話すことをおすすめする。人対人の付き合いには相性があるからだ。また、どの窓口であっても最終的に判断するのは自分であることを忘れずにいてほしい。

海老原政子 ファイナンシャルプランナー
国内生保の生命保険募集人として勤務。ライフプラン全体から生活者視点・女性目線を活かしたアドバイスが好評。コラム執筆や家計相談、個人・企業向けマネープランセミナーを行う。エムプランニング代表。(AFP、住宅ローンアドバイザー)

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