前週(4/17~4/21)の東京為替市場は、円は対ドルで3週間ぶりに反落。21日の17時の銀行間インターレートは109円21銭で終え、週間では27銭(0.2%)の円安で終えた。週間のドル円のレンジ(海外市場を含む)は、高値109円48銭(4/20)、安値108円14銭(4/17)だった。
17日の東京為替市場ではドル円が週末を挟んで3日続落、東京時間17時では108円33銭と先週末比61銭の円高だった。
北朝鮮が16日朝にミサイルを発射したが、直後に爆発し失敗に終わった。東京為替市場では、朝から有事のドル売り・円買いが進み、朝11時過ぎには108円13銭まで円高が進行した。16年11月15日以来の5ヶ月ぶりの円高水準。リスクオンで日経平均も一時年初来安値となる1万8224円と前日比110円安まで売られた。米長期債利回りが時間外取引で2.2%台に低下したこともドル売り要因だった。
もっとも、ドル円の108円手前での買い意欲は強く午後には108円30銭まで反転した。午前11時に発表された中国1~3月期GDPは前年同期比6.9%増だったが、市場の反応は限定的だった。
18日の東京為替市場ではドル円は4日ぶりに反発。東京の引けは108円87銭と前日比54銭の円安となった。
連休開けの米株式相場は、北朝鮮でのイベント通過から地政学リスクは一服と受け止め、NYダウは183ドル高と4日ぶりに反発しリスクオンで円安の展開となった。東京為替市場でも、ドル円は午前9時過ぎに109円22銭まで買われたが、フランス大統領選を週末に控え上値も重く109円ラインを中心とする一進一退状態だった。
19日の東京為替市場ではドル円は小幅反落。東京の引けは108円83銭と前日比4銭の円高だった。
英メイ首相が6月に解散総選挙を実施することを明らかにし、フランスの第1回大統領選を23日に控えていることもあって、欧州の政治リスクが改めて浮上、海外で株安、円高が進んだ。英ポンドは、対ドルで一時昨年10月以来の高値となる1ポンド1.2905ドルまで上昇した。クロスレートでドルが売られ円高が進んだ。
20日の東京為替市場ではドル円は反騰。東京の引けは109円01銭と前日比14銭の円安だった。週末のフランス大統領選を控え模様眺め気分は強く、109円をはさんで小動きだった。
21日の東京為替市場はドル円が2日続騰。東京の引けは109円21銭と前日比20銭の円安で終えた。
地政学リスクは落ち着きをみせている。トランプ大統領の周辺からは、改めてリフレ政策に積極的な姿勢を示す言葉が相次いだ。グローバルでリスクオンのムードが広まり円安が進行した。23日に控えるフランス大統領選も事前のルペン候補の支持率が伸びや悩んでいることで警戒感が和らいだことも好感したようだ。
「4/25~4/28」の為替展望
21日のNY為替市場では、ドル円は109円10銭で取引を終えた。フランス大統領選挙を23日に控えて狭いレンジ内の動に終始。東京での動きを踏襲していた。今週のメインシナリオは、108円14銭から110円のレンジを想定している。
地政学リスクは小康状態が続きそうだ。 米トランプ政権は、28日に迎える米暫定予算期限を意識して、政策に関するトークをぶり返し始めている。
フランス大統領選は第1回で過半数をとる候補は出ないことは確実で、事前の調査では中道系独立マクロン氏と極右ルペン氏による第2回投票に進むことがコンセンサス。急進左派のメランション氏が得票を伸ばしているため、ルペンとメランション氏の決選投票になることが最悪のシナリオ。国民に極右か左派しか選択肢がなくなり、ユーロ圏の混乱が予想されるためだ。最悪のシナリオの場合は、107円台までの円高を見ておいた方がいいだろう。
テクニカルでは、サポートは17日のドル円の安値108円13銭。それをブレークすると、大台代わりから16年11月15日安値の107円77銭が意識される。レジスタンスは、心理的抵抗線の110円。それをブレークした場合は一目均衡の基準線の110円81銭あたりか。
今週から来週に重要なイベントが目白押し。23日にフランス大統領選第1回投票(5月7日に決戦投票)、25日に北朝鮮人民軍創建85周年、26〜27日日銀決定会合、27日に欧州中央銀行(ECB)理事会、27日には安倍首相がロシア訪問、28日米暫定予算期限、5月9日には韓国大統領選が控えており、25日から在外投票が始まる。5月2〜3日には米FOMC。
今週の経済指標は、日本では28日の3月消費者物価指数、鉱工業生産が注目。海外では、28日の米1QのGDP速報値、30日中国4月製造業PMIが注目だろう。(ZUU online 編集部)
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