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NISA、少額投資非課税制度という言葉は、最近、テレビや新聞などで、見聞きする機会があるかと思います。NISAは、新たに時限的に実施される投資優遇税制制度です。イギリスのISAを手本としており、日本版ISAとも呼ばれています。

今回は、リタイア世代の老後資金の運用方法として、NISAの活用について、ご紹介します。リタイア後の投資では、安定運用が基本です。投資信託毎月分配型で分配金を生活費の一部とすることや、資産成長型で夫婦の一方が遺された時に備えるといった活用方法があります。


年金収入のプラスαとして、NISAを活用しましょう

リタイア世代は、一般的には年金収入以外の収入は見込めませんので、不安な思いをされている人もいます。蓄積した老後資金を運用することで、収益分を年金収入のプラスαとして、期待することができます。
NISAの非課税メリットを生かした運用を行ないましょう。

NISAは、2014年1月から10年間実施される制度で、1人1年間に100万円までの投資に対する譲渡益や分配金、配当に対する税金が5年間非課税となります。銀行や証券会社に1人1口座NISA口座を作り、上場株式と公募株式投信への投資が対象です。
5年間経った後に運用し続けるのであれば、特定口座や一般口座に移すか、その年の非課税枠の口座に移管するロールオーバーといわれる方法をとります。なお、ロールオーバーの際に、時価が100万円を超えていた場合には、移管できるのは100万円までの部分になります。


資産を使いながら運用し、資産の減りを緩やかに

定期預金などの貯金を取り崩して生活費にまわしているだけでは、老後資産は減っていく一方になってしまいます。投資信託などの金融商品は、元本保証ではありませんが、運用して収益を上げることで、資産の減りを緩やかにしていくことが見込めます。70代前半くらいまでは、使いながら資産運用していくことが理想的です。NISA)の非課税メリットを老後資金の運用に活用しましょう。夫婦それぞれ、NISA口座を開設することで、2人合わせて年間200万円までの非課税枠ができます。

なお、NISAでは、他の特定口座や一般口座とは損益通算されませんので、損失を出すと税務上不利になります。また、売却した場合、投資枠は復活しませんので、長期投資できる商品が向いています。リタイア世代では、大きく資産を失うわけにはいけませんので、特に、安定運用が見込める商品への投資を行なうことが賢明です。


生活費の一部とするなら、投資信託毎月分配型

リタイア世代が、使いながら運用していく方法として、投資信託毎月分配型への投資があります。投資信託毎月分配型は、運用実績によって、毎月、分配金を受け取ることができますので、お小遣いや生活費の一部として利用できます。
例えば、6000円の分配金を受け取った場合、本来であれば20%の税金(復興所得税を除く)がかかり、受取額は4800円になります。NISA口座の非課税枠内で購入すれば、6000円をそのまま受け取ることができます。NISAの非課税メリットを感じやすい投資方法です。

分配金には、元本より基準価額が上回るか同等以上の時に支払われる普通分配金の他に、特別分配金があります。元本を取り崩して払われる特別分配金は、もともと非課税ですし、元本が減ってしまいます。NISA口座では、特別分配金が支払われないタイプの商品を選ぶようにしましょう。

値動きが小さく安定運用できる商品が向いていますので、国内債券型や、外国債権型では為替ヘッジありの商品がお勧めです。為替ヘッジありは、ヘッジ手数料はかかりますが、為替リスクを回避できますので、値動きが小さくなります。


配偶者の一方が遺された場合に備えるなら、投資信託資産成長型

厚生年金の受取額は、夫婦のうち主に家計を支えていた方が亡くなった時、大きく減ってしまいます。配偶者の一方が遺された場合に備えて、生活費を確保しておく必要があります。将来の備えとして蓄えるのであれば、分配金を出さない投資信託資産成長型が、運用実績によって、元本が複利効果で増えていくので向いています。毎月分配型で、分配金を再投資した場合には、100万円を超えた部分は課税対象となってしまいます。

長期運用に向いた商品として、バランス型がお勧めです。バランス型は、国内や海外の債券や株式、REITが組み合わされて、分散投資されていますのでリスクが小さくなります。資産運用では、売却や買い増しによって資産配分を保つリバランスを行なう必要があります。バランス型はリバランスが行なわれる商品ですので、自分で投資信託を組み合わせるよりも、ロールオーバーも見据えて、保有し続けやすい商品です。


生活資金計画をたて、NISAを活用しましょう

リタイア世代では、老後の生活資金計画を立てておくことが不可欠です。70代半ばぐらいまで使いながら運用し、老後資金の減りを緩やかにしておくことで、安心して年を重ねることができます。老後生活の不安を払しょくするためも、不安生活資金計画に沿って、投資商品の検討を行ない、NISAを上手に活用していきましょう。

photo credit: Candida.Performa via photopin cc

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