前週(4/24〜4/28)の東京為替市場では、フランス大統領選後のリスクオンで円は対ドルで2週連続安。28日17時のインターバンクレートは111円29銭で終え、週間では2円08銭(1.9%)の大幅な円安で終えた。週間のドル円のレンジ(海外市場を含む)は、高値111円78銭(4/26)、安値109円60銭(4/25)だった。

24日の東京為替市場はドル円が3日連騰。東京時間午後5時のドル円のレートは、110円08銭と先週末比87銭の円安で終えた。

23日のフランス大統領選の第1回投票の速報が朝一番で伝わり、中道のマクロン氏が極右のルペン氏を上回り事前の予想通りの結果になった。リスクオフのムードが後退、東京市場のドル円は110円台と前週末比1円程度の急騰ではじまった。一時110円31銭まで円安は進んだが、25日の北朝鮮の朝鮮人民軍創建85周年を前に地政学的リスクへの警戒感が残るためドルは午後には伸び悩んだ。

25日の東京為替市場は、ドル円は4日連騰。東京時間午後5時のドル円のレートは、110円31銭と前日比23銭の円安で終えた。

朝方は地政学リスクの警戒感から109円台で始まったものの、当日警戒されていた北朝鮮からは対外的な軍事アクションは起なかった。ドル円は11時過ぎに110円台を回復、一時110円36銭まで円安が進んだ。トランプ米大統領が26日に税制改革案を発表する予定であるため期待感からドルがしっかりした展開となった。

26日の東京為替市場は、ドル円は5日連騰で大台変わり。東京時間午後5時のドル円のレートは、111円24銭と前日比93銭の円安で終えた。

NYでトランプ大統領が法人税を35%から15%に減税すると伝えられ、米10年債利回りは2.3179%まで上昇、ドル高が進んだ。東京市場では111円09銭で始まった後もドル買い需要は継続し、一時111円52銭と4月10日以来の水準まで円安が進んだ。

27日の東京為替市場は、ドル円が6連騰。東京時間午後5時のドル円のレートは、111円28銭と前日比4銭の円安で終えた。

トランプ米政権の大型減税の基本方針の発表で、海外株式市場では一旦材料出尽くしとなり、利益確定売りが広まった。財源の確保が不十分なため実現性に不透明感が残るとの見方も根強い。海外で円安進行が一服し、東京市場は111円18銭と若干の円高で始まったが、押し目のドル買い意欲は強い。日銀は金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めると、円は再び111円30銭を中心としたトレードになった。

28日の東京為替市場は、ドル円が小幅ながら7連騰。東京時間午後5時のドル円のレートは、111円29銭と前日比1銭の円安で終えた。

ゴールデンウィーク(GW)を控え、模様眺め気分が強く、東京市場でのドル円は111円07銭〜35銭と狭いレンジでの商いだった。

「5/1〜5/5」の為替展望

ミサイル,北朝鮮
(写真=PIXTA)

28日のNY為替市場では、ドル円は111円半ばと東京時間よりやや円安で推移した。米第1四半期のGDP速報値は市場予想を下回ったが、雇用コスト指数が上昇していたたことで市場はドル買いの反応だった。 29日早朝には再び北朝鮮がミサイルを発射し失敗したと報道された。まだまだ地政学リスクは簡単には解消されそうもなさそうだ。

今週の東京為替市場のメインシナリオは、ドル円は110円17銭から112円20銭の狭いレンジでの動きとなる可能性が高そうだ。GWの谷間で1日と2日の2営業日のみ。海外市場でも5月1日はメーデーで、英国など主要欧州市場、中国など主要新興市場は休場であり、地政学リスクが高まらなければ模様眺めとなる公算が強い。

テクニカルでは、一目均衡表の基準線である110円17円がドル円のサポート、3月31日高値がレジスタンスとみている。5日移動平均が、110円89銭にあり下値はそこでもサポートされている。レンジを上抜けた場合は、上値は3月14日以来の115円チャレンジが想定される。地政学リスク等で下抜けた場合は4月17日安値の108円14銭がターゲットとなる。

今週の注目のイベントは、米FOMCが5月2日〜3日だが、今回の注目度は低い。CMEのFF先物では5月はFF金利据え置き予想が95%とコンセンサスは変更無し。6月FOMCでの利上げ確率は66%になっている。2日に日銀金融決定会合(3月)の要旨。7日にフランス大統領選決戦投票。9日に韓国大統領選。

今週の経済指標は、1日に米4月のISM製造業景況指数、3日に米4月のISM非製造業景況指数、米4月のADP雇用統計、5日に米4月雇用統計。雇用統計は非農業部門雇用者数が10万人増、失業率4.5%がコンセンサス。(ZUU online 編集部)

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