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今回はNISAとライフプランニングについてお届けします。そしてその中でも、特に50代のNISAという切り口で記事をお届けします。50代は「定年」を意識し始める頃だとは思いますが、「相続」についてはどうでしょうか。まだまだ現役だし、あまり深く考えたことがないという人も多いのかもしれません。

実は、今話題のNISAは、50代の方が相続を考えはじめるのにピッタリだというのはご存知でしょうか。しかも、親子で先々のことまで考えることで、子供の資産形成の助けにもなるというメリットがあります。
そんな親と子の、相続と資産運用の両方を意識したNISAの活用方法についてご紹介したいと思います。


子供のNISA(ニーサ/日本版ISA)口座に贈与して、ダブルの非課税を

ご存じのとおり、NISA口座は日本国内に住む20歳以上であれば、年間100万円までの投資について、利益に対して課税されないという制度です。あなた自身がNISAで非課税の恩恵を受けるだけでなく、あなたが子どもに100万円を贈与して、そのお金をNISA口座で運用することもできるのです。年間110万円までの贈与については贈与税がかかりませんから、贈与税はゼロです。さらに、NISAでの利益についても、もちろん非課税となります。子供1人に対してこれを10年間続ければ、1,000万円分の資産について、ダブルで非課税という恩恵を受けることができるのです。

ここまでは一般的なお話。マネー雑誌やNISAの活用を教えてくれるセミナーなどでもよく聞くことなのではないでしょうか。しかし今回は、そこからさらに一歩踏み込んだところまで考えてみることにしましょう。


NISA(ニーサ/日本版ISA)は将来、子供に援助するための資金だと伝えましょう

「贈与とは言うけど、必要でもないのに、子供にそんな大金を渡すのはちょっと…」
「子供がちゃんと投資できるのだろうか…」
「だからといって、名義だけ子供にして運用すれば、税務署に指摘されるかも…」

「ダブルの非課税を」と言っても、実際にはこういった疑問や心配事が出てくるはずです。しかし、子供が資産運用についてしっかり理解できていれば、これらのことは問題にはならなくなりますね。そのために、子供には、「将来、結婚するときなどに援助するためのお金を贈与するから、一緒に考えながら、できる限り堅実な方法で運用しよう」と伝えて、あなたがアドバイスしながら、子供と一緒に運用すればいいのではないでしょうか。その際には、国債や優良企業の社債で運用する投資信託など、特に資産が目減りしにくい、元本割れしにくい金融商品を一緒に選ぶといいでしょう。そして、「資産運用に絶対はない。元本割れする可能性もある」ということをしっかりと伝えて、リスク管理が重要だということを理解してもらいましょう。

毎月、毎週など、一定の時期を決めて、運用成績について子供と話し合う機会を作っておけば、リスクがあるということを実感させることができるはずです。うまくいっているときでも、直近で暴落した銘柄を題材にして、思わぬ損失が発生することもあるということについて実際に話をすることで、子供は少しずつリスクについて理解していくことができるでしょう。

このように、子供への投資教育としても役立てることができるのです。しかも、逆に親であるあなたが子どもから教えてもらうことができるのも、この方法のメリットです。


未来の大企業を見つけるヒントは子供が知っているかも?

今年、パズドラ(パズル&ドラゴンズ)の大ブレイクで、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株が、一時20倍程度の大暴騰を演じたのは記憶に新しいのではないでしょうか。ただ、50代の方で、暴騰が始まる前からパズドラのことをよく知っていた人はあまりいなかったのではないでしょうか。

他にも音楽の話題ではどうでしょうか。サザンオールスターズの活動休止発表でアミューズ株が下落したのは、中高年の方であれば簡単に想像がつくでしょう。逆に、若い人たちの情報からわかるのは、2000年代後半にエイベックス株が長期的に下落傾向にあったことです。浜崎あゆみのCDセールスが落ち込んできたけれども、彼女の全盛期に匹敵するほどのドル箱アーティストを売り出せていないことで、市場からの評価も徐々に低下していったのですが、彼女のブームが去っていたことは、プロの投資家よりも若者の方が圧倒的に早くから気付いていたはずです。

このように株式市場には、中高年世代がよく知っている相場材料だけでなく、若者世代なら誰もが知っている材料もたくさんあります。親子で交わされる日々の会話は、子供の世代だから知りえる相場材料の宝庫だとも言えるのです。あなたが知らない投資のチャンスを、子供から教えてもらうこともできるのです。


相続を考えるのに「早すぎる」はありません

ここまでに説明したように、NISAを親子で有効に活用することで、さまざまなメリットが得られます。万一の場合に備えるという意味でも、相続を考えるのに「早すぎる」ということはありません。実際、税金がかからない程度に贈与をするという相続対策は、早ければ早いほどその効果が大きくなります。NISAを活用するということをきっかけとして相続対策をして、さらに、親子で色々な話をすることで、家族の絆も再認識できるのではないでしょうか。「お金の話」はしにくいことかもしれませんが、家族だからこそ、そこまで踏み込んだ話ができるでしょう。この機会に、親子で資産運用にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

photo credit: Thomas Hawk via photopin cc

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