前週(7/18〜7/21)の日本株は小幅反落ながら、2週連続で2万円を維持している。

NY株が19日に史上最高値を更新するなど世界的に株式市場は堅調だが、ドル円が売られて円高に振れていることで日本株は模様眺め感が強くなっている。先週から4−6月期の決算発表が始まり、決算動向を見極めたいとのムードも強い。

日経平均の週間の引け値は2万0099円75銭と前週末比19円11銭(0.1%)安で商いを終えた。週間高値は7月20日の2万0157円11銭、安値は18日の1万9943円14銭。週間のレンジは213円97銭だった。

前週(7/18〜7/21)の振り返り

株式展望
(写真=PIXTA)

18日の日経平均は3日ぶりに反落、終値は前週末比118円95銭(0.6%)安の1万9999円91銭だった。2万円を割り込むのは7月7日以来6営業日ぶり。

14日発表の米CPIや米小売売上などの主要経済指標が予想を下回った。アトランタ連銀が米国のGDP予想である「GDPナウ」を引き下げた。米景気のスローダウン懸念から米長期金利の上昇が一服した。ドル円は連休前の113円台から円高に反転し一時111円台をつけ、株式市場も売りが先行した。日経平均の下げ幅は一時175円まで拡がったが、午後から日銀のETF買いが入り下げ幅を縮小して引けた。

19日の日経平均は反騰、前日比20円95銭(0.1%)高の2万0020円86銭で引けた。

この日から日銀の金融政策決定会合が始まった。20日には欧州中央銀行(ECB)理事会があり、日欧の金融政策の動向を見極めたいとの思惑で投資家の動きは鈍い。日経平均の一日のレンジは85円、特に午後は40円以下と極端に狭いレンジでの商いだった。

20日の日経平均は続伸、前日比123円73銭(0.6%)高の2万0144円59銭で終えた。東証株価指数(TOPIX)は1634円96銭と6営業日ぶりに年初来高値を更新し、15年8月19日以来の高値を付けた。

好決算への期待と原油相場の上昇で、米国では主要3指数がそろって過去最高値を更新した。米国の17年4−6月期の決算は前四半期比で約8.5%の増益が予想されている。海外市場でのリスクオンを好感して日本株も堅調。日銀の政策決定会合は予想通り現状維持ながら、インフレターゲット2%の達成時期の予想を18年から19年に先延ばししたため、当面日本の低金利が続くとの見方が拡がり先物主導で株が一段高となった。

21日の日経平均は反落、前日比44円84銭(0.2%)安の2万0099円75銭で引けた。

注目のECB理事会は予想通り現状維持ながら、ドラギ総裁は金融政策の変更を「秋に議論する」とテーパリングへの意欲を示した。ユーロが買われドルが売られ、円もクロスレートで円高に振れた。欧州株が会見後大きく下落したこともあり、米国株もリスクオフで連れ安となった。

日本株も海外の流れを引き継ぎ軟調だったものの、下値も限定的で日中のレンジは54円と小動きに留まった。東証1部の売買代金は1兆9967億円と1週間ぶりに2兆円を下回った。

先週の海外動向を振り返る

21日NY市場でNYダウは31ドル安と続落、週間でも25ドル(0.1%)安と3週間ぶりに下落した。

19日には決算期待と原油高から主要3指数が市場最高値を更新したが、その後ドル安で金利が低下し利益確定が先行している。

21日には、OPECの原油供給増の報道で原油相場が約2%安となったことも嫌気した。

NY為替市場で円は4日続伸、ドル円は一時111円01銭と6月22日以来の円高水準を付けた。対ユーロでドル売りが継続しておりクロス円が買われた。米長期債利回りは一時2.22%と約3週ぶりの低水準を付けた。

CMEの日経平均は1万9965円と先週末の大阪市場の引けから115円下げて2万円を割っている。

「7/24〜7/28」の株式展望

今週の日経平均のメインシナリオは、1万9856円から2万300円のレンジを想定している。

円安トレンドは7月11日の114円51銭で反転、21日には111円01銭まで円高となった。東京市場の為替感応度が落ちているとはいえ、全体の指数が上伸するムードではない。

市場エネルギーは低下しており、大型株よりも中小型株や新興市場株の物色が中心になろう。19日に証券最大手の野村證券が「中小型バリュー株が復活する可能性に注目」と中小型株のカバレッジのユニバースを拡充し話題になった。21日には東証2部指数やジャスダック平均が年初来高値を更新している。一足先に調整に入っていたマザーズ市場もそろそろ高値トライする局面が期待出来よう。

前週末に安川電<6506>が好決算で10%高となり、他のFA関連銘柄へ物色動向が拡がった。今週もハイテク企業を中心に好決算銘柄への期待は高い。好決算発表銘柄だけでなく、日経の業績観測記事や好決算期待の銘柄にも物色動向が集まりそうだ。

テクニカルでは、日経平均はボラティリティが低下しており、25日移動平均である2万0093円を中心にしたレンジを大きく外れるとは想定しづらい。下値は切り上げてきているため、7月7日安値の1万9856円あたりがサポートになりそう。レジスタンスは6月20日の年初来高値の2万0318円になる。

今週の重要なイベントは、25日から26日に開催される米FOMCだ。政策変更はないだろうが、金融緩和の債券買い取り等で膨らんだバランスシートの縮小の動きが出るかどうかが最大の注目材料。次回の9月20日のFOMCでの政策変更を示唆する文言が声明文に入るかどうかが焦点となる。25日には日銀が6月の金融決定会合の議事録を公開する。29日にはスクエニが「ドラクエ11」を発売。30日には横浜市長選挙が予定されている。

経済指標は、日本では28日の6月の全国CPIと7月の東京のCPI、家計調査の6月の消費支出、6月の失業率、有効求人倍率など、物価、雇用、消費関連の重要な指標が発表される。海外では24日の米6月中古住宅販売、25日の米7月CB消費者信頼感指数、26日の米6月新築住宅販売件数、28日の米4−6月GDPが注目される。

決算発表では日本では26日の任天堂、27日の日産、東京エレクトロン、ドコモ、28日の野村、JR.東などが注目される。米決算では24日の米アルファベット(グーグル親会社)、25日のキャタピラー、AMD、26日のフェイスブック、27日のインテル、28日のメルク、シェブロン、エクソンモービルなどが日本市場にも影響がありそうだ。(ZUU online 編集部)

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