借金というと、華美な生活やギャンブル好きな人がお金に困って借りるイメージがあるかもしれない。しかし、昨今は生活苦による借金が多いのではないか。筆者が受けた相談からそんなことを感じることも。なかには配偶者の死後、カード会社からの督促で債務を知るなど深刻なケースもある。配偶者に借金があることがわかったら、まず何をすべきであろうか?

「いつ」「何のために」借りたのかを確認

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(写真=PIXTA)

夫婦であっても、原則は各々の財産は本人のもの。それは負の財産である借金も同じだ。ただし、結婚後に作られた借金となれば話はそう単純ではない。

婚姻後に形成した財産は、共有財産になる場合と夫婦それぞれの固有財産となるケースがある。もし配偶者に借金があることがわかったら、「いつ」「何のために」お金を借りたのか、まず状況を確認してみることだ。

たとえば、妻自身が欲しくて買ったブランド物のバッグの割賦契約などであれば、婚姻後に生じた借金であれ、連帯保証人になっていない限り夫に返済義務はない。

しかし、夫の転職やリストラで世帯収入が減り、家賃や光熱費の支払いに困ってお金を借りたなど生活のために借りたお金(日常家事債務)となれば、夫婦で返済することになる可能性が高い。子どもの進学のための教育ローンなども同様である。

難しいことかもしれないが、話を聴くときは決して感情的にならず、根本から解決するためだということを説き、しっかり相手の話を聴くことだ。変に隠されても後々困るのは自分である。また、法的な債務整理が必要なケースも多いため、借金があることがわかったら初めから弁護士など専門家に同席してもらい話し合うのも一手だ。

借金の全容を把握することが解決への近道

配偶者に隠していた借金が判明したということは、多くの場合、借りた本人が“返せなくなった”からではないだろうか。返済期限が迫り仕方なく新しくカードを作り、借りて、返す。そんな状況で何社もの借入となったとも考えられる。まずは、次のことを調べてみよう。

(1) どこから借りているか?(借りていたか?)

法的な債務整理にはいくつか方法があるため、まず借金の全容を確認すべきだ。また、借入時期が2007年以前の借金の場合、いわゆる“過払い金”が発生していることがあるため、完済した借金についても調べることをオススメする。

(2) 各会社からの債務額はいくらあるのか?

契約書や督促状、通帳などを確認して、当初いくら借り入れ、いつ、いくら返済したのか等を調べよう。合わせて借入金利や返済方式「分割払い」「リボルビング払い」なども確認しておくとよい。

(3) 担保や連帯保証人の有無(有;担保は何か?連帯保証人は誰か?)

親族の不動産を担保にしている、親兄弟が連帯保証人になっているケースもあるだろう。その場合、家庭内で事は済まず、親族が多大な損害を被る可能性がある。滞納する前に必ず相手に家計の現状を伝え相談すべきだ。また、自動車ローンは購入車が担保になることが多いので、仕事で車を使っている場合は注意が必要だ。

(4) 滞納の有無

滞納によるデメリットは大きい(遅延損害金が発生する、金融会社から分割ではなく一括返済を求められる、契約者本人ではなく連帯保証人に督促がいく等)。総債務額にも影響が出るため、早めに確認しておきたい。ただし、5年もしくは10年以上滞納している場合、「消滅時効の援用」が中断し使えなくなる恐れがある。勝手に金融会社に問い合わせることは避けたい。

法的な債務整理には種類があり、住宅ローンが残っていて家を残したい場合などケースバイケースで対応が変わってくる。自力で解決できそうにない場合は、迷わず自治体の多重債務相談窓口や債務整理に詳しい専門家の意見を仰ごう。素人判断は危険である。

精神的に追いつめられると、こうした調べ物すら手につかず、時間ばかり経過する可能性もある。時を追うことに解決が難しくなるため、場合によっては配偶者の代わりに調べて専門窓口への相談に同行することも考えてほしい。

借金問題を解決した後が大切だ

法的な債務整理を行うなどで借金の問題が解決できたとしても、「なぜ借金をしたのか」その原因を調べ解消しておかないと、再び借金をする可能性が高い。そもそも生活レベルが世帯収入に見合っていない。あるいは、夫婦間のわだかまりなど人間関係のストレスが影響して過度な消費につながっているケースもあるだろう。

お金とのつきあいは死ぬまで続くもの。夫婦としての縁を結んだ以上、円満な家計運営となるよう二人三脚で生活改善を進めていってほしいと願う。

海老原政子 ファイナンシャルプランナー
国内生保の生命保険募集人として勤務。ライフプラン全体から生活者視点・女性目線を活かしたアドバイスが好評。コラム執筆や家計相談、個人・企業向けマネープランセミナーを行う。エムプランニング代表。(AFP、住宅ローンアドバイザー)

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