目次

  1. 「金利」の発祥起源
  2. 旧約聖書では「利子をとる」ことは禁止されていた
  3. シェイクスピアの作品にも登場する「利子のエピソード」
  4. 利子が浸透するきっかけとなった「宗教改革」
  5. 大きく変わる「金融の未来」

「金利」の発祥起源

2016年1月に日銀が「マイナス金利政策」を発表してから、はや3年になろうとしている。発表当初はテレビのワイドショーでも大きく取り上げられ、「お金を預けたら利子が付く」のは当たり前だと思っていた私たち消費者にとって、前代未聞の出来事であった。

しかし、人類の長い歴史からすると「利子」(金利)という概念が定着したのはそんなに昔の話ではないどころか、当初は「利子」をとるのは人の道に反すると考えられていたようである。では「利子」という考えが広く浸透したのは、いつ頃からなのだろうか。

旧約聖書では「利子をとる」ことは禁止されていた

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の共通の経典である旧約聖書に次のような一節がある。

「異邦人には利子を付けて貸し付けてもよいが、あなたの兄弟に貸すときには利子をとってはならない」(「申命記23章20」) 、「その人に金や食糧を貸す場合、利子や利息をとってはならない」(「レビ記25章37」)

古代宗教世界において、上記の教えは厳格に守られていた。また、カトリック教会では信者同士で利子をとる行為を禁止していた。古代ギリシアでも、哲学者アリストテレスは、お金を貸して利子をとる行為は「自然に反している」と批判さえしていたのである。

シェイクスピアの作品にも登場する「利子のエピソード」