金曜日の海外市場では、前日からのユーロ売りの流れが継続、スペイン・カタルーニャ問題で売りが加速し1.15ドル台まで下落しました。ドル円は米・第3四半期GDPが予想を上回ったことから一時7月高値目前まで上昇しましたが、クロス円の売りと次期FRB議長を巡る米長期金利の下落が意識され、113円台半ばまで反落しました。
金曜日の海外市場
欧州時間序盤は日経平均先物が堅調に推移したことから、ドル円は底堅く推移しドル円は114.30円台を示現し、東京時間高値を更新しました。また、ユーロドルについても1.1610ドル台までドルが買われる動きとなりました。その後、米長期金利の低下につれドル円は一時114円を割り込みましたが、113円台は買い意欲も強くじりじりと値を戻す展開となりました。NY時間に入り21時半発表の米・第3四半期GDP/個人消費等が事前の予想を上回り米経済の好調さが確認されると米長期金利の上昇を受けドル円は急騰、7月高値に迫る114.40円台を示現、ユーロドルは1.16ドル台を割り込み1.1580ドル台をつけました。ドル円が高値圏で推移する中、スペイン・カタルーニャ自治州が独立を宣言したとの報道に ユーロ売りが強まりユーロドルは1.1570ドル台へ下落、ユーロ円の売りにドル円もつれ安となり再び114円を割り込む動きとなりました。
23時発表の米・10月ミシガン消費者信頼感指数は予想通りの結果となったものの、直後に 「トランプ大統領が次期FRB議長人事でパウエル理事に傾く」との報道が伝わると米長期金利が反落、ドル円は一気に114円を割り込み113.70円台まで下落し、ユーロドルは1.1620ドル台まで値を戻しました。
しかし、「スペイン上院がラホイ首相にカタルーニャ州の自治権を剥奪させる権限を与えた」との報道にユーロドルは再度売り込まれ1.1570ドル台の安値をつけました。その後、米長期金利が下げ幅を拡大したことからユーロドルは若干値を戻し1.16ドル台でクローズ、一方ドル円は114円台が重くなり、引けにかけ113.60台の安値をつけ、そのまま安値圏で週末を迎えました。
週明けの東京市場ではドル円は113円台後半、ユーロドルは1.1600ドルを挟んでの値動きとなっています。
FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは約98%へ若干下落、来年6月の利上げは約60%へと大きく下落しています。
今日の予定
今日の海外時間には、スイス・10月KOFスイス先行指数、独・9月小売売上高、ユーロ圏・ 10月業況判断指数、米・9月個人消費/個人支出/PCEコア・デフレータ、ドイツ・10月消費者物価指数(速報値)の発表が予定されています。
今後の見通し
テイラー教授かパウエル理事かの二択に絞られてきた次期FRB議長人事が今週中には発表される予定となっており、一時的に米長期金利の動向を通じてドル円相場にも影響を与え そうです。また、今週は本日発表予定の米・9月PCEデフレータを皮切りに、今後のFRBの利上げペースに影響を及ぼしそうな重要指標の発表が続きます。米経済の好調さが確認されればドルの下支えになるものと予想されます。欧州ではスペイン・カタルーニャ問題が懸念されるところではありますが、欧州経済の堅調さから、USD>EUR>JPYの序列が崩れることはなさそうです。
(ポジション戦略)
先々週木曜日に作った112.60円のドル買いポジションは、引き続き113円割れに損切り、 115円台前半に利食いを設定したまま保持。また、本日ユーロ円を131.90円で打診買い。 損切りを131.60円割れに設定し、ひとまず133円台前半での利食いを目指します。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。
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