昨日の海外時間には原油などエネルギー価格が上昇する中米長期金利が低下してドル売りが優勢となりました。

昨日の海外市場

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(写真=PIXTA)

欧州時間、各国株価が弱い展開となったことなどから円買いが優勢となって、ドル円は113.90円台まで、ユーロ円は132.20円付近まで、ユーロドルも1.1590付近まで下落しました。

NY時間午前は、特段の材料もない中各通貨ペアとも小動きとなりました。

NY時間午後にはいると、原油などエネルギー価格が上昇する中米長期金利が低下したことからドル売りが強まって、ドル円は113.70円台まで、ユーロ円も132.00円付近まで下落し、ユーロドルは1.1610台まで反発しました。

東京時間午前は各通貨ペアとも小動きが続いています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げは約68%にやや上昇しています。

今日の予定

今日の海外時間には独・9月鉱工業生産、ユーロ圏・9月小売売上高、米・9月JOLT労働調査の発表とクオールズ・FRB副議長の講演が予定されています。

今後の見通し

4日にイエメンの反政府武装組織「フーシ」がサウジアラビアの首都リヤドの空港に弾道ミサイルを発射したことや、同じく4日にサウジアラビア政府が、世界有数の投資家アルワリード王子など王族11人を含む約50人を汚職の疑いで逮捕したとの報道を受けて、中東の不安定化リスクから原油相場が2年4か月ぶりにの57ドル台まで急騰しました。原油の急騰を受けて、天然ガスや金、銀などの相場も上昇していて、対価としてのドルが下落しました。原油や金などの主要な商品相場は、ドル建てで取引されていることから、商品相場の上昇は全般的なドルの下落に繋がりやすいのですが、昨日の動きはそういった動きと言えます。

今後もこの動きが続くかは不透明ですが、このエネルギーなどの価格上昇がネガティブなものに過ぎなければ、ドル売りとともに円買いが強まると考えられる一方、原油以外のコモディティー価格の上昇がリスク選好によるものであれば、ドルと同時に円も売られると考えられます。

ドル買い戦略を継続

今後もエネルギー価格とリスク指向に関しては状況を見ていく必要がありますが、現状NY株高をうけて日経平均が強含みに推移する中、日本国債利回りが低下傾向にあることから、引き続き円安進行を見込み、昨日作った114.00円のドル買いポジションを維持します。利食いは115円台を待ち、損切りは113.50円割れとします。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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