昨日の海外時間には、米長期金利が低下したことからドル売りが優勢となる中、独・第3四半期GDPが予想よりも良い結果だったこともあってユーロ買いが強まりました。

昨日の海外市場

(写真=PIXTA)

欧州時間序盤、発表された独・第3四半期GDPが予想よりも強い結果だったことからユーロ買いが強まって、ユーロドルは1.1710付近まで、ユーロ円は133.30円台まで、ドル円も113.90円台まで上昇しました。その後米長期金利が低下を始めると、全般的にドル売りが優勢となってドル円は113.50円台まで下落し、ユーロドルは1.1730付近まで上昇しました

NY時間にはいって、原油相場が急落する中米長期金利の低下とドル売りの流れが続き、ドル円は113.30円付近まで下落し、ユーロドルは1.1760台まで上昇しました。

NY時間午後には、米長期金利が下げ止まったことからドル円はもみ合いとなりましたが、ユーロ買いは続き、ユーロドルは1.1800台まで、ユーロ円は133.80円台まで上昇幅を拡大しました。

東京時間にはいってからは、日経平均が下落していることから円買いが優勢となっています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約71%でほぼ変わらずです。

今日の予定

今日の海外時間には英・10月雇用統計、ユーロ圏・9月貿易収支、米・10月小売売上高、米・10月消費者物価指数、米・11月NY連銀製造業景気指数、米・9月対米証券投資収支の発表があるほか、エバンズ・米シカゴ連銀総裁、プラート・ECB専務理事の講演が予定されています。

今後の見通し

昨日の海外時間には、2.40%台だった米長期金利が2.36%台まで大きく低下し、今日の東京時間にはさらに2.35%台まで低下幅を拡大しています。先週半ばからの上昇の約半分を半日で失った形です。要因としては、IEA(国際エネルギー機関)が原油需要の見通しを引き下げるとともにOPEC 非加盟国の産油量が増えると予想したことで原油相場が急落したことと、世界的な株安などです。この株価の下落と米長期金利の低下が続けば、ドル円相場は直近の安値である112.90円台を割り込んで一段安となると考えられます。今晩は米・10月小売売上高、米・10月消費者物価指数といった重要な経済指標の発表がありますので、その結果次第で米長期金利の動きとドル円の動きが左右されるでしょう。

ドル円買いポジションを維持

目先は最近の安値圏である113円付近ではドルの買戻しも見られると予想できることからドル円の買いポジションは維持しますが、112.90円割れでは損切ります。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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