昨日の海外時間には、週末に米上院で税制改正法案が可決されて東京時間に上昇していた米長期金利が上昇幅を削る展開となったことからドル円も反落しました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間序盤、米長期金利が上昇したことからドル買いが優勢となってドル円は113.00円台まで上昇し、ユーロドルは1.1830台まで下落しました。しかし米長期金利が反落する流れとなると、ドルも売り戻され、ドル円は112.80円付近まで下落し、ユーロドルは1.1870台まで上昇しました。その後米長期金利が下げ止まると、再びドル買いが優勢となって、ドル円は112.90円台まで反発し、ユーロドルは1.1840台まで下落しました。この間ユーロ円は133.70円台から134.00円台で上下しています。

NY時間にはいって、各国株価が上昇する中ドル買いが優勢となって、ドル円は113円台を回復し、ユーロドルは1.1830台まで下落しましたが、株価の上昇は続かず下落に転じると、米長期金利が低下しドル売りが優勢となって、ドル円は112.60円台まで下落し、ユーロドルは1.1860付近まで反発しました。

NY時間午後にはいると、各通貨ペアとももみ合いとなりましたが、NY時間引けにかけて再び各国株価が下落する中米長期金利が低下すると円買いが優勢といなって、ドル円は112.30円台まで、ユーロ円は133.20円台まで下落しました。

なおポンドは、EU離脱交渉の進展が見込まれると報じられたことから一旦買われましたが、その後「完全な合意に至らなかった」と報じられて反落しています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約81%へやや低下しました。

今日の予定

今日の海外時間にはユーロ圏・11月サービス業PMI(確報値)英・11月サービス業PMI、ユーロ圏・10月小売売上高、米・10月貿易収支、米・11月ISM非製造業景況指数の発表が予定されています。

今後の見通し

昨日の東京時間早朝には、週末に米上院で税制改正法案が可決されたことを受けて米長期金利が上昇しドル買いが強まってドル円は113円台を回復しました。しかし海外時間にはいってからは米が低下傾向となってドル円も上昇幅を削る展開となりました。昨日も書きましたが、現在は上下院で異なる法案が成立した段階で、今後それらの法案を一本化する工程が残っています。その過程でたとえば法人税の減税が2018年から行われるのか、それとも2019年に先延ばしされるのか、など大きな問題が残っていることから一方調子の相場にならなかった、と考えられます。また再びロシア・ゲート問題に注目が集まっていることもドル相場の足枷になっています。今後も税制改革法案の行方と、ロシア・ゲート関連の報道で米長期金利と株価が左右され、そしてそれらに為替相場が左右されるという動きが続くと考えられます。

ドル円でドル買いポジション

112円で買ったドル買い円売りポジションを保有中です。損切りラインを建値の112円に置いています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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