2018年1月からいよいよ「つみたてNISA」がスタートする。現行のNISAと違う点は、つみたてNISAは投資可能銘柄が限定されていることだ。

今回はつみたてNISAで投資が可能な銘柄をいくつか紹介する。

目次

  1. つみたてNISA 銘柄の概要
  2. つみたてNISA銘柄 各ランキング
    1. リターンランキング(過去の実績)
    2. 信託報酬ランキング
    3. 低リスクランキング(標準偏差・過去の実績)
  3. 債券ファンドの注意点
  4. 選択肢が豊富なネット証券
  5. 過去のリターンが高かったのはひふみ投信
  6. つみたてNISAの主要証券会社比較を確認する
  7. 実際に株式投資を始めてみる

つみたてNISA 銘柄の概要

つみたてNISAでは131銘柄の投資信託へ投資が可能だ(2017年12月6日現在)。

つみたてNISAで投資が可能な投資信託は大きく分けて2種類ある。「インデックス型」と「アクティブ型」だ。

「インデックス型」は株価指数などに連動するよう設計されている投資信託で、信託報酬が低いという特徴がある。

それに対し「アクティブ型」は、独自の運用手法でより大きな運用成果を得ようとする投資信託だ。ファンドマネジャーの力量や運用手法により成績に差が出るため、一般にインデックス型よりリスクが高いとされている。また信託報酬はインデックス型より高めだ。

投資信託は「プロ任せの運用」という面を持つが、その性質が強いのがアクティブ型だ。インデックス型は相場に連動するため、ある程度自分で戦略を立てる必要があるだろう。

インデックス型、アクティブ型の違いのほか「単一資産型」と「バランス型」の違いもある。

単一資産型とはある特定の資産のみへ投資を行う投資信託のことで、つみたてNISAの場合単一資産型は株式ファンドしかない。債券のみ、REIT(不動産投資信託)のみといった、株式以外の単一資産型投資信託は用意されていない。

これに対してバランス型は、株式や債券など複数の資産を組み合わせている投資信託のことだ。1つの資産に集中投資を行わないことで、値動きリスクを小さくする効果が期待できる。組み合わせは銘柄により違っており、一般に株式への投資比率が高い銘柄は値動きが大きく、逆に債券への投資比率が高い銘柄は値動きが小さくなる傾向にある。

つみたてNISA銘柄 各ランキング

投資に重要な要素としてリターン、リスク、コストがある。「リターンはできるだけ大きく、リスク・コストはできるだけ小さく」するのが投資の基本だ。

ここでつみたてNISA対象銘柄でそれらの要素のランキングをモーニングスターを参考に紹介する。

リターンランキング(過去の実績)


順位 銘柄 1年リターン 3年リターン(年率) 5年リターン(年率)
1位 ひふみ投信ひふみプラス +43.68% +21.61% +28.67
2位 年金積立Jグロース +32.87% +14.35% +26.02%
3位 コモンズ30 +25.94% +11.51% +19.43%

(2017年12月12日現在) 上位3銘柄は国内株式のアクティブ運用ファンドが独占した。国内株式の相場が良好だったことに加え、ファンドマネジャー独自の運用手法が奏功したようだ。

一般的に長期投資の場合はインデックスファンドの方が向いているとされるが、実は国内株式市場の場合、アクティブファンドの方が運用成績は高い傾向にあった。

上記数値は過去の実績で、今後の運用成績を保証するものではないが、国内株式で運用をする場合はアクティブファンドも選択肢に入るだろう。

信託報酬ランキング


順位 銘柄 信託報酬(税込み・年率)
1位 EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド 約0.15%
2位 楽天 全米株式インデックス・ファンド 0.1696%

※第3位は信託報酬が年率0.17%で複数が該当するため除外

つみたてNISA対象銘柄を選定する段階で、すでに信託報酬が高い銘柄は排除されているが、その中でも特に低い銘柄が上記の2銘柄だ。

インデックスファンドの場合は、信託報酬の差がそのままリターンの差になってくる。同一指数のインデックスファンドの場合、できるだけ信託報酬が低いものを選ぶのが無難だ。

つみたてNISA対象銘柄は信託報酬の引き下げが相次いでおり、今後さらに低いコストで運用する銘柄が出てくる可能性もある。

低リスクランキング(標準偏差・過去の実績)


順位 銘柄 1年リスク 3年リスク(年率) 5年リスク(年率)
1位 東京海上円資産インデックスバランスファンド 1.54 2.09 3.60
2位 三井住友DC年金バランス30(債券重点型) 1.98 4.59 4.96
3位 ダイワ・ライフバランス30 2.17 4.82 5.32
(比較) ニッセイTOPIXオープン  6.51 16.01 16.28

(2017年12月12日現在) 次に低リスクランキングを紹介する。ここでのリスクとは値動きリスクで、価格のばらつきを示す標準偏差を利用している。

上位には株式投資の比率を抑え、債券への投資比率が大きいファンドが並んだ。債券は大きな値動きが少なく、安定的な運用が期待できる。TOPIXに連動するニッセイTOPIXオープンと比較すると、リスクが小さいことが確認できる。

つみたてNISA対象銘柄の中には債券へ100%投資するものは現在のところないが、大きな値動きを避けたい方はこれらのファンドへ投資することが効果的だ。

ただし、あくまで過去の実績ということは注意したい。

債券ファンドの注意点

債券ファンドは値動きリスクが小さい上、国債などのイメージから元本が保証されていると思われがちだ。ところが実はそうではなく、値下がりする可能性のある金融商品なのだ。

代表的なリスクが金利上昇リスクだ。債券は市場金利が上昇する局面になると価格が下落する特徴を持つ。市場金利が上昇すると今保有している債券よりもリターンの高い債券が発行されることになり、相対的に魅力が薄れるからだ。

これまで日本含む先進各国は金利を引き下げて景気の上昇を図ってきた。景気の回復がある程度織り込まれると、今後は金利を上昇させる局面に入ってくる。日本は出遅れているが、米国・欧州はすでに金利を上昇させる段階に入っている。本格的に金利が上昇するようなら、債券ファンドへの投資比率は下げる必要がある。

選択肢が豊富なネット証券

つみたてNISAは投資可能銘柄が限定されているが、その取り扱いには各金融機関に大きな差がある。

特に対面証券・銀行は取り扱いが極端に少ない。例えば国内首位の野村證券はわずか4銘柄の取り扱いしかない。大手銀行系証券ではみずほ証券が3銘柄扱うのみで、SMBC日興証券と三菱UFJモルガンスタンレー証券では取り扱いがない(三井住友銀行は3銘柄、三菱UFJ銀行では12銘柄取り扱いあり。2017年12月12日現在)。

収益性の低いつみたてNISAは、対面金融機関では取り組みに消極的だ。それに対しSBI証券楽天証券などの大手ネット証券では、ほぼすべてのつみたてNISA対象銘柄に投資を行うことが出来る。

投資のアドバイスを受けたいという希望がない限りは、つみたてNISAはネット証券で行う方が良いだろう。

過去のリターンが高かったのはひふみ投信

つみたてNISAの投資可能銘柄の中で、最も過去のリターンが高かった銘柄がひふみ投信だ。国内中小型の株式で運用を行い、日経平均やトピックスといった国内株価指数を圧倒するリターンを積み上げてきた。


銘柄 1年リターン 3年リターン 5年リターン
TOPIX(ニッセイTOPIXオープン 信託報酬0.5%) 23.93% 10.04% 19.92%
日経平均(ニッセイ日経225インデックスファンド 信託報酬0.25% 26.08% 10.84% 20.92%
ひふみ投信 43.66% 21.53% 28.46%

(2017年12月12日現在)

ひふみ投信は高いリターンにも関わらず大きな値動きも少ない。いわばリスク・パフォーマンスが高いと言える。


銘柄 1年リスク 3年リスク 5年リスク
TOPIX (ニッセイTOPIXオープン 信託報酬0.5%) 6.51% 16.01% 16.28%
日経平均 (ニッセイ日経225インデックスファンド 信託報酬0.25%) 9.52% 16.50% 16.83%
ひふみ投信 5.74% 13.08% 14.59%

(2017年12月12日現在)

ひふみ投信の良いところは、情報開示にも積極的な点だ。投資信託は投資対象のうち上位10銘柄を公開するのが普通だが、ひふみ投信は上位30銘柄を公開している。

2017年2月にTV放送(テレビ東京:カンブリア宮殿)で紹介され人気に火が付き、純資産総額は倍以上になっている。純資産の増加に対応するためか、最近は米国株の組み入れも行われている。これには投資家も多少驚いただろうが、現在のところ運用成績や純資産総額に大きな影響は与えていない。

ただひふみ投信は国内株式インデックスファンドと比べると信託報酬が高く設定されているので、その点は留意しておきたいところだ。

つみたてNISAの主要証券会社比較を確認する

新制度の開始は証券会社にとって新規顧客の獲得チャンスともなるため中には対応にかなりの力を注いでいる企業もある。そこで主要証券会社のつみたてNISAの対応状況を比較していく。同制度を今後利用しようと検討している方はぜひ参考にしていただきたい。

>>「つみたてNISA」主要証券会社比較はこちら

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