(本記事は、菅下清廣著書『知らないと損をする! 株高時代の「お金の教養」』=KADOKAWA、2018年5月18日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

【『知らないと損をする「お金の教養」』シリーズ】
(1)「今のバブル」と前回の違いは? 勝つために見極めたいポイント
(2)初心者は「お世話になってます株」に注目せよ 好景気で投資を始めると良い2つの理由
(3)お金持ちになれない人に共通する3つのポイント
(4)なぜ「世界最高の頭脳」でもマーケットに勝てなかったのか--真に相場を動かすモノとは?
(5)時間をムダにする人はお金もムダにする ウォール街で出世する人の必須条件

知らないと損をする! 株高時代の「お金の教養」
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社代表取締役。国際金融コンサルタント、投資家。立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。マーケット情報配信サービス「 スガシタボイス 」、株価の解説・予測が無料で読める「 スガシタレポート オンライン 」を配信中。

チャンスをつかむ人の3つの条件とは

「投資を始めてみたい!」と思っている皆さん。

「好景気が続くらしいし、なんとなく得できそう」という考えだけで、この世界に足を踏み入れるのは危険です。

「好景気ならではの投資の仕方」を知っておかないと、かえって損をするからです。

中でも重要なのは、お金と向き合う態度。

細かい技術などよりも、実はそちらのほうが重要です。その人の考え方や姿勢に、お金持ちになれるか否かの違いが出てくるのです。

お金持ちになれない人には、共通する三つの特徴があります。

第一は「情報のない人」。

いうまでもなく、無知なままでは何が流行っていて何がそうでないのか、何が得で何が損かもわかりません。ということは、経済ニュースをまったく読まない人は即アウト。加えて、非社交的な生活態度もダメな人の特徴です。部屋にこもってゲームばかりしているようでは、チャンスもつかめません。

第二は、「悲観的な人」。

投資には多かれ少なかれリスクが伴うもの。

無謀はもちろん禁物ですが、毎回「失敗するかも」「株なんか買ったら損してしまうかも」と及び腰になっていては、何も始められません。また、悲観的な人のいうことばかりに耳を傾けるのも、情報収集の仕方としてよくありません。

「チャンスかも?!」と身を乗り出すような楽観性や積極性があってこそ、思い切った行動を起こせるのです。チャレンジ精神を常にもつことが大切です。

第三は、「お金のない人」。

これも厳しい現実ですが、何かを始めるにしても、元手が不可欠。

資本金ゼロでは会社を始められないのと同じで、貯金ゼロ、日々の生活も火の車では、そもそも株など買えません。お金のない人はすぐに「軍資金」を貯めましょう。無駄遣いはきっぱりやめて、元手をつくることです。

さしあたり必要なのは、年収1年ぶんの貯金。できれば、3年ぶん貯められれば万全です。それだけの元手があれば、「殖やす」態勢に入れます。

思ったより元手が必要なんだ、とがっかりすることはありません。

私の周りには、私の本を読んでイチから元手を貯め、投資を始めた人がたくさんいます。そして今や、富裕層の仲間入りをした人も。その気になって見直せば、節約できるお金は多々あるものです。今後は副業も一手でしょう。

つまり、お金持ちになるチャンスをつかめる人の条件は、1.情報のある人、2.前向き・積極的な人、3.元手がある人、の3つです。どれも、今からでもそろえられる条件ばかり。同じ本を読んで、実行するかしないかが、大きく運命を変えます。

デフレ時は現金をもち、インフレ時は投資する!

知らないと損をする! 株高時代の「お金の教養」
(画像=Ollyy/Shutterstock.com)

インフレの時代に、現金を後生大事に貯め込んでいる人は損をします。

なぜなら、モノの値段が上がっていくからです。100万円で買えたものが、120万円ないと買えなくなる、極端にいえばそういう話です。

ですから、現金以外に資産を分散するのが、インフレ時代の知恵です。

デフレ時代はその逆です。モノの価値が下がるということは、資産の価値も下がるということ。株や不動産には積極的に投資せず、現金の比率を高めておくのが基本的なスタンスです。

では、そんなデフレ時に、投資家はどう行動するのでしょうか。

実は、デフレ時はデフレ時で、得する投資術があります。

たとえば国債。金利が下がると、国債の値段は上がります。

なぜだかわかりますか?

金利1%のときに1万円出して国債を買ったとしたら、年間で100円の利払いがもらえるということですね。

もしその後金利が0.8%になれば、100円の利払いがもらえる国債には1万2,000円の価値があるということになります。このタイミングで売れば1万2,000円。2,000円のお得になるわけです。

「失われた20年」の間、多くの投資家が日本国債で大儲けしました。

しかし、そのほとんどは銀行や保険会社などの機関投資家です。

個人投資家は、金利の低さに食指が動かなかった模様。当然ですね。個人は小口の資金ですから、この金利ではウマ味がありません。

しかし個人投資家も、技術に長けた人はデフレ時にしっかり儲けました。

日経平均が下がっていても、個別の株では上がるものもありますから、銘柄を吟味して買う「目利き」の力があればいいのです。

なお、「デフレ時には現金の比率を高めるべし」という考え方は、売買の短いスパンに当てはめても同じです。投資家は市場の動向に随時目を配り、手持ちの銘柄の株価が過熱してくれば、危ないと考えて現金に換えます。

こうして現金比率を高めておいて、また下落するのを待つ。情報力と予測のスキルを活かして、常に資産の配分を考えるのがプロのスタンスです。

初心者の方がそのスキルをもつには、時間と経験と勉強が必要です。

ですから今、幕を開けようとしているインフレの間に株式投資を実践しつつ、しっかり学んで知恵を磨きましょう。

万一不景気になったときも、その知恵が活用できます。

菅下清廣(すがした きよひろ)
スガシタパートナーズ(株)代表取締役。国際金融コンサルタント。投資家。学校法人立命館 顧問。メリルリンチをはじめとする名門金融機関で活躍後、現職。「経済の千里眼」の異名を持ち、政財界に多くの信奉者を持つ。 『今こそ「お金の教養」を身につけなさい』(PHPビジネス新書)、 『マネーバブルで勝負する「10倍株」の見つけ方 【2018年上半期版】』(実務教育出版)など著書多数。