こんにちは、ファイナンシャルプランナーの内山です。
今回のテーマは若い世代の生活費です。「隣の芝生は青く見える」ということわざがありますように、他人の生活はよく見えるものです。

では実際には、他の人はどれくらいのお金を使っているのでしょうか?そのヒントになるのが、総務省から発表されている「家計調査」です。多くの方の平均であるため、1つの目安になりそうです。一般的にはどういう支出傾向にあるのか?こういった調査結果を確認すると、皆さんの生活費のあり方が見えてくるかもしれません。

20代・30代の平均収入はいくら?

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(画像=iStock.com/Yagi-Studio)

今回、働いている20代・30代の平均収入を踏まえながら、理想的な支出について追及していきます。まずは収入データから紹介します。家計調査(2017年、2人以上の勤労世帯)から、20代・30代調査結果を抜粋しました。

収入データ
(画像=mymo)

1世帯当たりの月当たりの収入は20代で約42万、30代で約49万。世帯主の収入のみならず、配偶者の収入やその他、家賃収入や贈与があった場合などの臨時収入など全てを含みますので、やや多く感じる人が多いかもしれません。世帯の勤め先収入のうち、大部分が世帯主勤め先収入であり、「夫が働き、妻がパート勤務しながら家事」という形態の世帯が多いことが推測できます。

なお、勤め先収入は年収を月換算しているため、賞与の影響を受けており、こちらも実際の月給よりもやや多い金額になっていますが、年収換算では380万~460万円となるため、一般的な金額からかけ離れてはいないようです。

20代・30代の平均支出はいくら?

では、実際にどれだけ使えるお金があり、どの程度のお金を使っているのでしょうか?

収入データ
(画像=mymo)

可処分所得とは、税金や社会保険料を差し引いた自由に使えるお金です。配偶者の収入(手取り)などを加えますので、世帯主収入よりも多くなっていることが分かります。その、自由に使える可処分所得のうち、食費や光熱費、教育費や趣味などに使っているお金が消費支出です。20代から30代にかけて可処分所得も増えていますが、消費支出も増えています。

家計管理のコツは30%の黒字率を維持

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(画像=iStock.com/beer5020)

ただ、ここで注目してほしいのが黒字率です。20代も30代もほぼ同じ約36%です。賞与分が可処分所得に含まれていますので、その分を調整すると、1ヵ月あたりの黒字率は30%程度が目安になります。

よって、特に「浪費気味かも」という方は、まずは30%の黒字率値を目標に家計管理してください。例えば、1ヵ月の可処分所得(手取り)が30万円の場合、9万円を貯蓄や年金、投資など将来のお金に回し、21万円で生活するイメージです。

独身の黒字率はまさかの40%超え!

では、独身の人はどうでしょうか?
独身で働いている方は、当然2人以上の世帯に比べ、収入や消費支出は少なくなりますが、今回注目した黒字率は34歳までの年齢層で40%を超えています。結婚などの今後のライフイベントに備えて消費を少し抑え、貯蓄に励んでいるのかもしれません。好きなように生活し、好きなものが買えて、「快適なシングルライフ!」などということもありますが、調査からは堅実な姿が映し出されています。

なお、消費支出の中で最も高い割合を占めているものは、独身・既婚、20代・30代問わず、食費です。消費支出の20%超を占めています。よって、食費で工夫できることはないか?と考えることが効果的な支出見直しになりそうです。

収入の3割を先取りして貯金、残るお金でやりくりしよう

いかがだったでしょうか?
皆さんなりのスタイルがあっていいと思いますが、3割を貯蓄に回し、それ以外を自由に使う。「3割残ればいいね」ではなく、「3割を先取りし、貯蓄に回し、残りでやりくりする」という方法を取り入れてほしいです。失業・病気・そして長生きでさえ「リスク」といわれています。さまざまなリスクに対応できるように、若いうちからスマートなお金の使い方を意識してください。

お金の価値観は人それぞれです。食事は高くても美味しいものを食べたい、でも趣味などにはお金はかけたくないという人もいれば、趣味や旅行のために、日々のランチ代を節約している人もいるでしょう。よって、“隣の芝生“に目を取られることなく、自分の適切なお金の使い方を追求することが重要です。

掲載元:mymo

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