新年特集

いま、ベトナム株がアツいと言われている。2018年のアジアの株式市場では、ベトナム株がインドやインドネシア、フィリピンといった新興国を上回るパフォーマンスを見せた。2000年以降、アジアの国々の多くは急成長を続けているが、なぜいまベトナムなのか。アジア諸国の情勢に詳しい藍澤証券の今井正之さんに話を聞いた。(聞き手:マネーライター、NET MONEY編集部 新井奈央)

目次

  1. 日本の高度成長期と非常に似ている
  2. 今後10年、高成長を維持する理由
  3. フロンティア市場からエマージング市場への格上げ期待大
  4. 現在は絶好の買い場? どの業種がいいのか?
  5. 金融危機には注意。数年以内に発生する可能性も
  6. 億り人www9945さん「ベトナムの未来は前途洋洋」

日本の高度成長期と非常に似ている

近年、ベトナムは高い実質ベースで経済成長率を続けている。約9500万人の人口、20代、30代の働き盛りの若い層が厚い人口ピラミッドを形成。これらがベトナムの急成長を支えているのである。

新年特集7回目

「2000年以降の18年間で、ベトナムの1人当たり実質GDPはドルベースで約5倍、1人当たりの購買力平価も3倍超になっています。日本は1950年代の半ばから1970年代、いわゆる高度成長期の10年間で、1人当たりGDPが3倍以上に拡大しました。現在のベトナムは日本なら1950年代から1970年代、中国なら1990年代にあたる高度成長期を迎えていると言っていいでしょう。

成長の過程もかつての日本と非常によく似ています。まずは賃金が安く、質の高い労働力を活用して低付加価値の製品を大量に輸出する段階から始まり、徐々に付加価値を高めた製品にシフトしていくことで、ある段階から急激に外貨準備が積み上がるというパターンです。足元では韓国企業によるスマホやスマホ部品など高付加価値製品の輸出も拡大していますが、ベトナム企業は、まだ縫製品や雑貨など低付加価値労働による製品が主力であるのは否めません。かつての日本も経験した“安かろう悪かろう”の段階ではあるものの、賃金は周辺の新興国に比べると低いので、輸出の競争力や優位性があります。

日本は1980年代以降、企業努力によって『日本製品と言えば高品質』というブランド力を作り上げました。中国はいままさにその段階ですが、ベトナムもそのステージに向かってまい進している状況と言えるでしょう」

今後10年、高成長を維持する理由

ベトナムの高成長の背景には、政府による輸出主導経済がある。1986年、ベトナムは第6回共産党大会でいわゆる「ドイモイ(刷新)政策」を採用。資本主義寄りの政策を導入して経済成長を図った。それがここまでは「大方はうまく行っている印象」(今井さん)。