日本人の身長の分布はどうなっている?

そもそも、偏差値がどういうものか知らない、あるいは忘れてしまった人も多いはず。ここでは、日本人男子の平均身長を例に解説しましょう。

日本人男子の平均身長を170センチとします。

この平均身長を中心に、大きい人から小柄な人まで、いろいろな人がいます。統計学では、次の図のような「正規分布」で、各身長の人が分散していると仮定します。

偏差値,正規分布,数字で話せ,斎藤広達
(画像=THE21オンライン)

横軸が身長の高低、縦軸が分布数を示すグラフです。

山の頂上、つまり一番数が多いのが、平均の170センチ。平均身長である170センチ前後の人が多いのは、納得感があります。

そこを中心にして、グラフは左右に、徐々に数を減らしながら分散しています。つまり170センチの人よりは175センチの人が少なく、180センチの人となるとさらに少なくなっていく。この分散度合いを表す数値を「標準偏差」と呼びます。

標準偏差は何を表わす?

偏差値はともかく、「標準偏差なんて聞いたことがない」という人は多いと思います。実際には、テスト結果の偏差値を示す表にも、この標準偏差が必ずセットで表記されていたはずですが……。学校では偏差値の本質など習いませんから、多くの人が標準偏差を見逃していたとしても、無理もありません。

標準偏差を簡単に説明すれば、「正規分布のどこにいるかを計算するため」に使われる数値です。

詳しい計算方法は省きますが、日本人男子の身長分布では、標準偏差が6センチぐらいになります。

さて、この正規分布においては、標準偏差プラスマイナス1つ分の範囲に全体の68%が含まれるようになっています(より正確には、便宜的にそう定義することになっています)。

つまり、日本人男子の身長は、164センチ(170センチ-6センチ)から、176センチ(170センチ+6センチ)の間に、全体の68%が含まれるというわけです。

標準偏差2つ分だと、全体の95%が含まれます。158センチ(170センチ-6センチ×2)から182センチ(170センチ+6センチ×2)の間に95%の人が含まれるということです。

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(画像=THE21オンライン)

標準偏差がわかれば、全体の中で自分はどのくらいの位置にいるのかがわかるのです。