永田町の妖怪を撃退する大人のケンカの作法
中には、対話する気のない相手もいる。論点をはぐらかしたり、曖昧な答弁に終始する議員などだ。そんな人にはどう対応するのか。
山本氏は、ポイントとなる「質問の仕方」を解説してくれた。
「中身のない答弁をして質疑応答の時間を削り、こちらの力を削ごうとするのが彼らのやり方です。
ですから、まともな答弁は返ってこない、という前提で質問を作ることが大切です」
意識したのは、答弁の当事者以外の人たち。つまり私たち有権者の目だ。
「ただでさえ、国会質疑はわかりにくいイメージから敬遠されがちです。それを避けるために、『私の質問を聞けば、議論されている内容について知らない中学生でも、問題点を理解できるわかりやすさ』を目指しました。
一般的な質疑のように、わかった者同士の会話からスタートしません。これほどまで簡単な質問にもまともに答えない対応を見れば、有権者にも議員の不誠実さが伝わるでしょう」
〝のらりくらり〟かわされないためには、「予定調和にしないことも大事」だ。
「国会で質問する際、相手に事前に質問を通告する慣例があります。通告に対して、省庁の官僚が答弁を作るわけです。お互いに了承したうえでのやり取りですから、これは、ある意味で芝居です。私はこの方法が嫌いなので、通告は1割するかしないか。通告したテーマとは違う質問をすることもあります。
すると、相手は何を聞かれるかわからないので、こちらをバカにしたような態度で答弁に臨めなくなります。相手の土俵では戦わない。それによって、少なくとも緊張感が生まれますね」