必ず意見が出る「KJ法」の正しい使い方
こう言うと「実際はそううまく進まない」と感じる方も多そうです。意見を引き出そうにも口が重かったり、本音を言わなかったり。意見が出ても論点がズレたり、繰り返しになったり。
口頭で言葉を交わし合うときの交通整理は、そう簡単ではないことは重々承知しています。そこで登場するのが「KJ法」。東京工業大学の川喜田二 郎教授が1967年に考案した方法です。
KJ法は、意見を「書いてもらう」方法です。口頭での意見表明の場合、とかく人はためらったり、逆にどこまでも語ったり、脱線したり、人の意 見を否定したりしますが、「書く」ならばそれを防げます。
まず、7×7センチ程度の付箋紙をメンバーに配布し、第1段階の「現状の問題点」を挙げてもらいます。多人数なら「1人5枚」など制限をかけますが、原則的には無制限です。
「1枚につき一要素のみ」「サインペン使用」「単文でシンプルに表現」「書いたものは横に向かってはがす(貼り出したときに丸まらないようにするため)」、とルールを説明します。
3分で書いてもらい、その付箋紙を集め、似た意見を縦列に並べて貼り出します。
下の図は、「進まない会議」の現状を挙げたものです。ご覧の通り、問題 点が可視化されています。しかもこの問題群、KJ法ならほぼすべて防げることにも気づかれるでしょう。
「意見が出ない」も「心ここにあらず」も、書いてもらえているだけですでに解決。長時間の議論も起こらず、まとまりも早く、無記名なので忖度も最小限です。
こうして貼り出したあとは、メンバーがシンプルに所感を述べて共有。10~15分で、第1段階完了。同じ要領で「あるべき姿」「原因分析」「解決策」まで行なえば、問題解決に至れます。
再び、「実際はそううまく進まない」という声が聞こえてきそうですね。それはおそらく、付箋を手元に集めたときに的確に素早くジャンル分けするのが難しいからです。
その解決策はシンプル。1枚受け取ってそれを読み上げ、「似たのを持ってる人、いる?」と聞けばその場ですぐ集まります。それを縦に並べて、タイトルをつければ完了。彼らの参加意識もより高まります。