(本記事は、横山光昭氏の著書『ゼロからわかる!フリーランス、自営業のためのお金の超基本』=アスコム、2020年4月18日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

最強の節税方法は青色申告と小規模企業共済の組み合わせ

フリーランス自営業のための、お金の超基本
(画像=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
青色申告と小規模企業共済のコンボによって節税をする、というのが、最強の節税術。経費を使って課税所得を減らそうとするのはNG!

また、確定申告で戻ってきた還付金は、翌年以降の住民税などの支払いのために、できるだけとっておきましょう。

青色申告や小規模企業共済で節税をすると…

適度に節税しながら、きちんとお金を手元に残すことができる。

経費を使って課税所得を減らそうとすると…

税金自体は減っても、経費貧乏に陥るおそれがある。

すでにお伝えしたように、フリーランス、自営業の人の節税方法として、青色申告と小規模企業共済(プラス青色事業専従者による節税)の組み合わせは最強です。

これに勝る方法はほかにありませんから、必ず利用し、節税しながら老後の資金や、いざというときの資金を作りましょう。

いくら税金を払いたくないからといって、やたらと経費を使い、課税所得を減らそうとするのは考えものです。

たまたま利益が多く出た年に、いずれ必要になるものをあえて買っておくというならまだよいのですが、そうでない場合は、経費貧乏に陥る可能性があるからです。

青色申告や小規模企業共済など、合法的な方法によってできるだけの節税をしたら、払うべき税金はきちんと払い、あとのお金はきちんと管理して、必要なことに使うなり、貯金や投資にまわすなりしましょう。

還付金の使いすぎには注意が必要

なお、納めるべき所得税額が源泉徴収された額よりも少なかった場合には、確定申告してから1か月~1か月半後に、還付(かんぷ)金が戻ってきます。

還付金は、ときには何十万円、何百万円にもなりますから、フリーランス、自営業の人にとっては、非常に大きな臨時収入です。

そのため、還付金が入ってくると、つい気が大きくなり、旅行に行ったり、高いお店で食事をしたりしてしまう人もいるかもしれません。

もちろん、ときには贅沢(ぜいたく)をし、生活を楽しむことも必要ですが、還付金の使いすぎには注意が必要です。

なぜなら、確定申告の結果を踏まえて、6月以降に、住民税や国民健康保険料などを支払わなければならないからです。

前年の課税所得が多ければ多いほど、当然のことながら、住民税や国民健康保険料の額も高くなります。

翌年も同程度以上の収入が見込めるなら、まだよいのですが、フリーランス、自営業の人の場合は、どうしても収入に波があります。

いざというときに困らないためにも、還付金はできるだけキープしておくことをおすすめします。

なお、確定申告が必要であるにもかかわらず、しなかった場合は、当然のことながら、還付金は戻ってきません。

それどころか、いくつかのペナルティーが科されます。

まず、確定申告をせず、税務署から指摘があった場合には、「期限後申告」を行うことになりますが、その際、納税額のうち50万円までの部分には15%、50万円を超える部分には20%の無申告加算税が上乗せされます(自ら期限後申告を行った場合は、無申告加算税は5%に減額されます)。

また、所得税の納付期限を過ぎると、延滞税もかかりますし、悪質な所得隠しがあった場合は、「重加算税」も課されます。

還付金をきちんともらうためにも、ペナルティーを科されないためにも、確定申告は期限内にきちんと行いましょう。

ゼロからわかる!フリーランス自営業のための、お金の超基本
横山 光昭
家計再生コンサルタント。株式会社マイエフピー代表取締役社長。家計の借金・ローンを中心に、盲点を探りながら抜本的解決、確実な再生をめざす。個別の相談・指導では独自の貯金プログラムを活かし、リバウンドのない再生と飛躍を実現し、これまで10,000人以上の赤字家計を再生した。業界でも異端児的活動で、各種メディアへの執筆・講演も多数。著書多数。中でも『3000円投資生活』シリーズ(アスコム)は、累計78万部のベストセラーに。少額投資ブームをけん引し「この本で投資を始められた」と全国で話題に。NHK、TBS、フジTV、などへの出演も多数で、雑誌、新聞、ラジオでも活動している。日本経済新聞社のWebサイトでも連載を公開中。全国の読者や依頼者から共感や応援の声が集まる、庶民派ファイナンシャル・プランナー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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