キオクシアホールディングス ZUU online Members
(画像=ZUU online編集部)

【目次】
①️キオクシアホールディングスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【9/25更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【9/18更新】 ※有料会員限定

会社名
キオクシアホールディングス株式会社
コード
6600
市場
市場第一部又は市場第二部
(公募・売出し条件決定後に決定する予定)
業種
電気機器
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 早坂 伸夫 /1955年生
会社住所
東京都港区芝浦三丁目1番21号
設立年
2019年
社員数
113人(2020年7月31日現在)
事業内容
メモリ及びSSD等関連製品の開発・製造・販売事業等を営むグループ会社の経営戦略策定及び管理
URL
https://www.kioxia-holdings.com/
資本金
10,000,000,000円 (2020年8月27日現在)
上場時発行済み株数
539,062,500株
公開株数
87,631,400株
連結会社
16社
スケジュール
仮条件決定:2020/09/17→2,800~3,500円に決定
ブックビルディング期間:2020/09/18 - 09/25
公開価格決定:2020/09/28
申込期間:2020/09/29 - 10/02
上場日:2020/10/06
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:野村證券
引受証券:ゴールドマン・サックス証券
引受証券:J.P.モルガン証券
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:大和証券
引受証券:みずほ証券
引受証券:クレディ・スイス証券
引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
大株主
(株)東芝 39.59%
BCPE Pangea Cayman, L.P. 25.25%
BCPE Pangea Cayman2, Ltd. 14.57%
BCPE Pangea Cayman 1A, L.P. 9.13%
BCPE Pangea Cayman 1B, L.P. 5.84%
HOYA(株) 3.05%
ステイシー・スミス 0.49%
ロレンツォ・フロレス 0.15%
早坂伸夫 渡辺友治 0.06%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2019/03 連結実績 
1,074,465,000 4,016,000 11,604,000 866,156,000
2020/03 連結実績 
987,234,000 -238,777,000 -166,686,000 699,149,000
2020/06 第1四半期連結実績 
267,460,000 2,787,000 1,699,000 704,012,000
ロックアップ情報
指定された株主は上場後180日目の2021年4月3日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×仮条件上限)
3067億990万円(87,631,400株×3,500円)
潜在株数(ストックオプション)
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
キオクシアホールディングス株式会社<6600>は東芝から独立したメモリー部門・旧東芝メモリを母体に設立されており、世界で最大級のフラッシュメモリの専業企業である。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■同社沿革について
同社は東芝から独立したメモリー部門・旧東芝メモリが設立母体である。東芝の経営危機に際し、投資会社であるベインキャピタルなどからの資金支援を受けた後、2019年3月に設立された。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

東芝のメモリー部門は元来メモリーの世界大手であり、独立後の同社も世界最大級のフラッシュメモリ専業プレイヤーとしての地位を維持している。


■製品構成
2020年3月期のアプリケーション別の売上収益比率は下記となっている。

・SSD&ストレージ 41%
・スマートデバイス 44%
・その他 15%

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●SSD&ストレージについて
SSD&ストレージには主にPC、データセンター、エンタープライズ向けストレージ機器用途で使用されるSSD製品及びメモリ製品が含まれている。

クラウドサービスの普及に伴うデータセンターの需要や、エンタープライズ向けのストレージ機器への組み込み容量増加を受けて、データセンター・エンタープライズSSDが成長している。またクライアント向けも、PCにおけるHDDからSSDへの置き換え等により、今後も一定の成長が見込まれている。

●スマートデバイス
スマートデバイスにはスマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、テレビ等の民生機器、車載、産業機器等の用途で使用される制御機能付の組み込み式メモリー製品が含まれている。

スマートフォン向けフラッシュメモリの市場は依然として規模が大きく、また成長しているアプリケーションであり、同社にとって引き続き重要なマーケットとなっている。


■生産体制
同社は製造合弁契約を結ぶWestern Digitalグループと合わせたメモリーの出荷量は世界で約35%のシェアを有しているが、下記の2工場でメモリーを生産している。

・四日市工場
同社の主力工場である。66万㎡(東京ドーム約14個分)の広大な敷地に6つの製造棟が配置されている。

・北上工場
第1製造棟が2019年10月竣工であり、今後の拡張余地を十分に残した工場となっている。


■相手先別売上高
2019年3月期
・Appleグループ 売上収益2,600億円(割合24%)
・Western Digitalグループ 売上収益834億円(同7.8%)
・Dellグループ 売上収益1,151億円(同11%)

2020年3月期
・Appleグループ 売上収益2,346億円(割合24%)
・Western Digitalグループ 売上収益1,150億円(同12%)

2019年3月期、2020年3月期ともにAppleグループが全体の年間売上の24%を占めており、売上先第1位である。また製造合弁契約先のWestern Digitalが売上先としては第2位である。Dellグループは2020年3月期の割合が10%を割れたものの、2021年3月期Q1は11%(284億円)であり、年間約10%の売上割合となっている。

Appleグループ、Western Digitalグループ、Dellグループが主力取引先であり、年度を通じて上下はあるものの概ね4割程度の売上が3社グループに対して計上されている。


■業績推移
2018年3月期 売上収益1兆2294億円、営業利益4568億円、当期利益7186億円
2019年3月期 売上収益1兆745億円、営業利益459億円、当期利益116億円
2020年3月期 売上収益9872億円、営業利益▲1730億円、当期利益▲1667億円
2021年3月期Q2(予想) 売上収益2980~3300億円、営業利益0~300億円、当期利益▲60~160億円
※同社はIFRSを採用
※2018年3月期は企業再編前の旧東芝メモリ株式会社の決算

企業再編により現在のキオクシアホールディングス株式会社としての決算は2019年3月期からである。

再編前の旧東芝メモリの2018年3月期の営業利益4568億円をピークに以降は減益となり、2020年3月期は赤字に転落した。

同社としては2020年3月期が業績のボトムと考えており、2021年3月期より業績の回復を予想している。尚、今期(2021年3月期)の営業利益はQ2で0~300億円のレンジでの予想が開示されている。Q1時点で営業収益2675億円、営業利益147億円であり、Q2予想に向けた進捗は順調である。


■財務状況
2020年3月期末時点で資産合計2兆7184億円に対し資本合計6992億円、自己資本比率26%である。

借入金1兆1258億円に対し、現預金及び現金同等物2171億円である。資産合計の内で最大の科目は工場などの有形固定資産1兆941億円である。また、のれん3846億円、無形資産1458億円が計上されている。

キャッシュ・フロー計算書では、営業キャッシュ・フローが2019年3月期+4624億円、2020年3月期+1591億円とプラスで推移している。ただし投資活動によるキャッシュ・フローは2019年3月期▲2兆2348億円、2020年3月期▲3524億円となっている。尚、2019年3月期は企業再編にともなう子会社取得による支出(▲1兆8106億円)により、投資活動によるキャッシュ・フローのマイナス幅が拡大した。


■資金使途
IPOにより650億円の資金調達を計画している。調達資金は全額を四日市工場及び北上工場における設備投資に充当される予定である。

公募株数21,562,500株に対し、売出株数66,068,900株であり売出株数の多いIPOとなっている。


■株主状況
筆頭株主(株式シェア41%)は同社設立母体の株式会社東芝である。

第2位株主から第4位株主はベインキャピタルが運営する投資ファンドであり、合計株式シェアは56%である。

事業会社としてHOYA株式会社<7741>が3.1%のシェアを有する株主として出資を行っている。

尚、上記数字は議決権ベースの持ち株比率である。


■まとめ