キャッシュレス化の促進を背景に、キャッシュバックやポイント還元などでクレジットカードを「よりお得につかいこなそう」という需要が高まっている。そして、こうした需要に応えるようにネット上でクレジットカードに関する様々な情報が氾濫している。こうした情報の中には、精度の低いものも少なくない。
そんな状況の中で、情報の正確性、ユーザーファーストに徹底的にこだわって作られているのが、クレジットカード比較サイト「クレジットカードを知る」だ。同サイトの編集長であり、株式会社クヌギで取締役を務め、クレジットカードアドバイザー®の資格を持つ石川真太郎氏にサイト運営や富裕層やビジネスオーナーにおすすめのカードについて語ってもらった。
「ユーザーの役に立つ記事」を作ることこそSEOにも繋がる
―最初にクヌギ の事業内容を教えてください。
株式会社クヌギには、メディア事業部とSEOコンサル事業部の2つがあります。SEO事業部はクライアントの売上を上げるためにSEO施策を用いたコンサルティングを行っております。一方でメディア事業部は、私が編集長を務める「クレジットカードを知る」を中心に2つの金融メディアを運営しています。
―「クレジットカードを知る」はどんなメディアでしょうか。
クレジットカードの話題を中心に、スマホ決済、Suicaなどの電子マネーを含めたキャッシュレス決済を使って生活をより良くする情報を提供するメディアです。キャッシュレス決済は利用する目的に合わせて最適なものが異なります。年会費が無料でポイントの貯めやすさを重視するなら楽天カード。使いやすさや始めやすさで選ぶならpaypayなどのスマホ決済。
目的に合わせたキャッシュレス決済の情報を読者に提供するために、弊社の所属のライターと編集者が打ち合わせを重ね1つ1つ丁寧に記事を制作しています。
―記事を作成する際に、他に気を使われている点はありますか?
検索エンジンではなく「検索ユーザー」を意識して記事を作成しています。
通常、SEOを意識して記事を作成する際に、記事内で上位表示を狙うキーワードを頻出させるといった様々なテクニックが駆使されることがまだ多くあります。しかし、私たちは、基本的にそういった小手先のテクニックは基本的に使用しません。
そもそもGoogleの信念が「ユーザーファースト」であり、検索エンジンも「ユーザーのためになる記事を上位表示する」と私たちは解釈しています。つまり、検索ユーザーのニーズを満たし、読みやすく、わかりやすい記事を書けば必然的に上位表示すると考えています。
そのため、「クレジットカードを知る」に掲載されている記事に関しては、あくまで「ユーザーのためになる」という視点を重視して作成しています。細かいテクニックに依存したSEO施策ではなく、ユーザーのためになる記事を制作することが結果的に上位表示に繋がるという信念に基づいてサイト運営に取り組んでいます。
よりクオリティの高い記事を求めて編集部全員でFP試験を受験
―ユーザーのためになる記事を制作するために、社内で取り組んでいることはありますか?
「クレジットカードを知る」に掲載される記事は、原則として外部に発注せず、社員がライターとして執筆しています。ライターが執筆した記事は、担当編集者が修正した上で、専門家であるFPに監修を依頼します。こうした工程を経た上で、最終的に編集長がチェックを行い、サイトにアップされる仕組みになっています。
FPなどの専門家の監修を受けてはいるものの、漏れなく全ての誤情報を正せるとは限りません。間違った記述を見逃してしまう可能性もあります。そうした場合でも編集者が金融に関する知識をもっていれば間違った記事がアップされることを防ぐことができるでしょう。
そうした観点から、編集部員全員でFP試験を受験するといった取り組みもしています。合否は別にしても、専門知識があった方が、よりユーザーのためになる記事をつくることができますよね。編集長としては、メンバーに自分で必要な知識を身に付ける習慣を付けてほしい想いもあります。
富裕層にもお勧めできるカードは意外にも‥
―ZUU onlineの読者には、富裕層の方々も多いのですが、そういった方々にはどのようなカードがお勧めですか?
意外に思われるかもしれませんが、私が富裕層の方にお勧めしたいのは楽天カードです。他の専門家の方は、アメックスなどを挙げられることが多いのですが、私は楽天カードをお勧めしています。
年収1,000万を超えると税金の負担も増してきますよね。ただ、その分、ふるさと納税で所得税の控除を受けることができる上限も20〜30万円、場合によっては50万円と上がっていきます。楽天にもふるさと納税サイトがあるので、ここで楽天カードを使えば、ポイントを大量に貯められます。さらに、貯まったポイントは楽天証券と結び付けることで投資信託の購入にも使うことができます。
このように節税したお金を投資に回すという仕組みをつくることを、富裕層の方にはお勧めしていますね。実際に、ゴールドやブラックではあるものの富裕層でも楽天カードを利用している方もいらっしゃいます。
―ビジネスオーナーや経営者の方には、どのようなカードがおすすめですか?
経営している会社の規模にもよりますが、私はアメックスのビジネスカードだと思います。アメックスのビジネスカードは基本的に利用限度額の上限がない点が、ビジネスオーナーにとっては一番の魅力でしょう。
以前、問い合わせみたところ、事前に連絡して指定口座に振り込んでおくという条件はあるものの1,000万円は余裕で決済できるとのことでした。そのため、アメックスのビジネスカード を利用して車を購入する方もいらっしゃるそうです。もちろん、決済額に応じたポイントも受け取ることができます。1,000万円分のポイントですから、非常に大きな額になるでしょう。
―最後に、自分にとって最適なカードを選ぶためのポイントを教えてください。
まず「自分を知る」ことが重要です。趣味であったり「何に喜ぶのか」「どういう人間なのか」といったことを分析するのです。
現在は、新型コロナウイルスの影響であまり行くことができないのですが、私は旅行が好きなので、マイルを貯めるためにJALカードを利用しています。「とにかく得をしたい!」というのであれば高還元率のカードを選べば良いと思いますが、クレジットカードを持って「自分がしたい体験」を想定して、それに合わせて選ぶことが最も重要だと考えています。
ポイントの還元率が低かったとしても、最終的に「自分のやりたいこと」が実現できていれば、それが一番良いと思うので、まず「自分を知る」ということから始めれば、おのずと持ちたいカードも決まってくるのではないでしょうか。