(本記事は、株式会社フェイスネットワーク蜂谷二郎氏の著書『不動産活用で資産を守る 相続対策50の新常識』税理士法人チェスター監修の中から一部を抜粋・編集しています)

Qエンディングノートをつけておけば、自分の意向はちゃんと反映されますよね?

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(画像=PIXTA)

エンディングノートに法的効力はなく、相続に関する意向は遺言書で!

●あくまでエンディングノートは自分の希望を伝えるもので、強制力はない

主にシニアの間で、“終活”の一環としてエンディングノートが人気を博したことがありました。意識不明となった場合の延命治療の是非や、葬儀、埋葬に関する自分の希望、さらには遺産に関する意向などを書き綴ったシニアも多かったようです。

もはや“終活”として定番化しており、今でもエンディングノートに自分の思いを書き込んでいるシニアが少なくないことでしょう。もっとも、きちんと認識しておきたいのは、エンディングノートに法的効力がないということです。

あくまで自分自身の希望を伝えるものにすぎず、誰に何をどれだけ相続させるのかを決定づけられません。「父の思いを尊重してあげないと……」といった具合で心情に訴えかけることはできたとしても、「とはいえ、この分け方には不満がある」という相続人が出てくれば、希望が反映されにくくなります。

●遺言書には法的効力があるものの、形式や内容に関して厳格なルールが!

これに対し、遺言書には法的効力があり、遺産をどのように分け与えるのかについて具体的に指示し、その通りに実行させることが可能です。ただし、書き方について厳格なルールが設けられており、それに従ったものでなければ、法的効力は発揮できません。

形式や書き込む内容についてまったく制約がないエンディングノートに対し、遺言書は相続のことにしか触れられません。前述したように、その内容も所定の形式に沿っていることが大前提となってきます。

さらに、「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」による遺言書は、相続が発生してから家庭裁判所の検認を受けたうえで、すべての相続人が一堂に会した状況でなければ開封できません。もちろん、エンディングノートにはそのような制約がなく、本人さえ了承すれば、家族がその内容を生前に確認できます。

自分の意思に従った相続を実行するとともに、より幅広く自分の希望を遺族に伝えたいと願うなら、正式な遺言書とエンディングノートの両方を用意していくのが無難でしょう。

不動産活用で資産を守る 相続対策50の新常識
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【監修】税理士法人チェスター
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