本記事は、小林弘幸氏監修『最先端医療の人生を変える7つの健康法』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています

自律神経ストレッチは、なぜトータルに効くのか?

リフレッシュ
(画像=PIXTA)

自律神経ストレッチは最先端のスポーツ医学に基づいた、自律神経機能とパフォーマンスの向上に役立つ世界初のエクササイズです。

筋肉や関節が強化されるだけでなく、内臓や自律神経機能が増強されます。しかも、子どもから高齢者まで、一般の人からトップアスリートまで、誰もが同じような効果が得られるのです。

人の身体はそれぞれだから、誰にでも適合するエクササイズなんてないのでは?そう思いがちですよね。いいえ、先端医学において、この考え方は否定されています。

誰もが体力向上でき、自律神経の機能も上がります。ストレス解消、ダイエット、ボディメイキングも可能です。

筋肉や内臓をパソコンのハードにたとえますと自律神経はこれらを動かしコントロールするソフトウェアなどです。つまりソフトウェアである自律神経機能の向上こそ、健康になるカギであり身体能力を向上させるカギなのです。

自律神経は免疫機能とも密接な関係があり、なかでも副交感神経はリンパ球の機能と関係していることが多くの研究からわかっています。

副交感神経機能はストレス下では低下します。この副交感神経機能向上こそが血流を促進する大きなポイントになるのです。

なぜこのような数多くの効果と特徴が実現できるのでしょう。

自律神経が本体(筋肉、内臓、血液など)のすべてを制御しているため、パソコンの操作性、すなわち身体のパフォーマンスを上げたければ、まずはソフトウェアである自律神経をバージョンアップしてあげないと、身体はうまく反応してくれません。いくら筋肉を鍛えても、自律神経の機能が低下していては意味がないのです。

心身をいまよりも鍛えたいのであれば、まずは自律神経の働きを高めることを優先させましょう。自律神経の機能を強化すれば、身体(ハードウェア)と自律神経(ソフトウェア)の両方をパワーアップできます。

自律神経ストレッチは、いわゆる筋トレではありません。身体機能を神経レベルまで向上させるものです。脳、神経、内臓、筋肉、関節や腱、靭帯が連動してスムーズに動く身体をつくり上げることで、真に健康な身体づくりを目指しています。

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(画像=『最先端医療の人生を変える7つの健康法』より)

実践!自律神経ストレッチ

ではいよいよ、具体的な自律神経ストレッチを紹介していきましょう。

自律神経ストレッチは、動的ストレッチを導入しています。動きはダイナミックですが、ハードなものではありません。

自律神経ストレッチのポイントは、次の4点です。

・自律神経を整える、とくに副交感神経を優位にする
・セル(細胞)レベルに働きかける
・四肢のストレッチだけでなく、体幹や内臓にアプローチする
・体幹から末端までを連動させる

まずは簡単な準備運動で、副交感神経を優位にします。

方法は次の3つです。その日の気分で選んでもかまいませんが、3つ行えば、よりリラックスして始められるでしょう。

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(画像=『最先端医療の人生を変える7つの健康法』より)

自律神経ストレッチの基本動作は14個あり、そのアレンジも数多くあります。その中から、なるほどこういうことか!と実感できる代表的な動作を5つ紹介しましょう。

●自律神経ストレッチ例(1)

まずは基本中の基本である背伸び。これまでのストレッチとの違いがわかるポイントは、手首です。私たちはずっと同じ姿勢でいた後などに、伸びをしますよね。そのとき、両手はどうなっているでしょう。ばんざいの形のように両手をまっすぐ平行に、上げていませんか。

自律神経ストレッチでは、両手首を交差させてロックしてから伸びをします。全く伸びしろが違います。ロックすることで身体の重心が固定され、体幹部から指先までの筋肉が連動するからです。体全体を連動させることで、身体のどこか一部に負担をかけることもなくなるため、全身に呼吸と血液がまわります。伸びる際はつま先立ちになり、踵を上げて息を吸い、落とすときは脱力しましょう。

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(画像=『最先端医療の人生を変える7つの健康法』より)

●自律神経ストレッチ例(2)

内臓へダイレクトにアプローチできる、効果的なストレッチを紹介します。腰全体を大きく回します。他のストレッチとの違いがわかるポイントは、両手の位置です。腰を回すとき、両手を左右対称に置かず、一方は肋骨の下、一方は腹部と対角線上に置くのです。ただ手を当てるのではなく、しっかりつかむのがコツです。時計回り、反時計回りに2回ずつ回したら、今度は左右の上下を変えて、さらに2回ずつ行いましょう。

この動きは、腹圧を高め、内臓の血流を増やします。身体全体の筋肉を滑らかに動かすことができ、なかでも大腸をもっとも効率よく刺激するので、腸のぜん動運動が活発になり、腸内環境も改善されます。

また、腹横筋を意識的に動かすことで、体幹まで刺激が届き、インナーユニットが強化され、骨盤のゆがみも解消されます。

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(画像=『最先端医療の人生を変える7つの健康法』より)

●自律神経ストレッチ例(3)

みなさんがふだん見慣れている、もしくは行っているスクワットとずいぶん違うと思います。いわゆるスクワットは、全身、とくに下半身の筋力強化をはかれるとてもいいエクササイズですが、簡単そうに見える分、負荷のかけ方やひざの位置などを間違えている人が少なくないのも現実です。

このストレッチは、歩行の動きを使ってスクワットすることで、下肢と体幹のエネルギーをくまなく末端まで伝えられるようになっています。ストレッチをする際、末端の力を抜くことはとても大切です。末端に力が入っていると、体幹のエネルギーが伝わっていかないからです。この動作は、両手を投げ上げることで末端が脱力でき、体幹から末端にエネルギーをロスなく届けることができるのです。

身体を上下させるだけでなく、歩行によって前後のねじりが加わるので、上半身から下半身まで全身の連動性が上がります。リズミカルな歩行が身につくので、お年寄りの方にもおすすめです。

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(画像=『最先端医療の人生を変える7つの健康法』より)
最先端医療の人生を変える7つの健康法
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。AMWA代表理事。1960年、埼玉県出身。順天堂大学医学部、同大学大学院医学研究科博士課程修了後、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、アスリートやアーティスト、文化人へのコンディショニングやパフォーマンス向上指導に関わる。腸のスペシャリストとして、順天堂大学に初の便秘外来も開設。自律神経や腸内環境を整える習慣やストレッチなどを考案し、心と身体の健康づくりを提唱。

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