本記事は、末永雄大氏の著書『キャリアロジック 誰でも年収1000万円を超えるための28のルール』(実業之日本社)の中から一部を抜粋・編集しています
キャリアビジョンを設計して、さらなる高みを目指す!
さらに高いレベルで定着と活躍の可能性を高めたい場合は、キャリアビジョンを設計しましょう。
キャリアビジョンは、自分独自のビジョンを言語化したものです。
キャリアビジョンを設計しておくと、仕事でつらい時や迷いが出た時の拠り所になります。どんな仕事でも、辛いことや大変なことはあります。
その時に、このキャリアビジョンに立ち返ることでブレが減るのです。
将来のビジョンが明確となり、今がそのプロセスであるという自覚を持てると、視野が広がり、やりがいも高まります。
また、キャリアビジョンがあると、仕事に対する目的意識が明確になるので、ビジネスパーソンとしての成長スピードも高まります。
このようにキャリアビジョンを明確にしておくと、たくさんのメリットがあるのです。
それでは、キャリアビジョンの設計について説明していきます。
私は、キャリアビジョンを設計する際に用いるグラフを「キャリアグラフ」と呼んでいます。
一緒にキャリアグラフを書いていきましょう。
キャリアグラフは下図のようになります。横軸を時間Xとし、縦軸を自己実現度Yとします。O地点を現状の自分Bとします。右斜め上の地点に将来ありたい姿Aを設定します。
このA(ありたい姿)からB(現状の自分)のギャップをCとします。
C(ギャップ)は、足りない経験やスキルなどです。C(ギャップ)は1つだけということはないので、目安として3つ程度に分解しましょう。C①、C②、C③と要素分解します。
このギャップであるCを埋めるために、今後とるべきアクションプラン、努力をDとします。Dも1つだけではないので、D①、D②、D③と要素分解します。
そして、選考エントリーする会社をEとします。
今後のアクションDと選考企業Eが重なる部分をFとします。
このFが次の転職先Eに対して自分が求める経験やスキルであり目的で、いわゆる志望動機になります。
キャリアグラフの作成には、このA〜Fを考える必要があります。
まずAのありたい姿を明確にします。
大切なのは「ありたい姿」であり、「やりたいこと」に限っていない点です。
よく「自分は将来やりたいことがない……」と悩む人がいますが、これは「やりたいこと」がないといけないと思いこんでいるから困っている場合がほとんどです。
「やりたいこと」がなくても、「ありたい姿」はあるのではないでしょうか。
話をキャリアグラフに戻します。
ここで注意してほしいのは、What(何を)のみでありたい姿の言語化を終えないことです。What(何を)は、例えば、「将来はマーケターポジションに就いていたい」「32歳で年収1000万円は達成していたい」などです。
キャリアグラフにおいて、ありたい姿であるAは非常に重要です。
なぜならば、A(ありたい姿)がずれてしまうと、前提条件が大きく変わってしまい、その後のプランが意味をなさなくなってしまうからです。
A(ありたい姿)を言語化する際には、What(何を)だけでなく、Why(なぜ)、How(どのように)まで言語化しましょう。
「なぜそう思うのか?」「そう思うように至った過去の原体験は何か?」「どのようにそれを実現するつもりなのか?」。ここまで自問自答しておけば、A(ありたい姿)を具体化できます。
A(ありたい姿)を具体化できたら、A(ありたい姿)とB(現状の自分)とのギャップCを考えていきましょう。
今の自分には何が足りていないのか?経験やスキル、人脈であったりするかもしれません。3〜5点ほどリスト化してみましょう。
次に、C(ギャップ)を埋めていくために、これからどんな努力を積み重ねていく必要があるのか、つまり、D(今後のアクション)を言語化する必要があります。
このD(今後のアクション)も複数考えてみるのです。
ここまで明確になって、初めて志望する求人が明らかになってきます。
このD(今後のアクション)を満たせる求人を選定していけばいいのです。
求人を探すときに考えるのが、Eの仕事内容、企業の特徴です。このE(企業の特徴)とD(今後のアクション)が重なる部分が転職先に期待するものF(志望動機)となるのです。
よく志望動機をどう伝えるべきか相談を受けるのですが、多くの人は志望動機の定義を間違っています。
ここで説明したFが正しい志望動機であり、決して面接官にゴマをすり企業の魅力を並び立てることではないのです。
「なんでうちなの?」という面接官のラフな質問スタイルが誤解を招いてしまうのだと思うのですが、面接官が実際に聞きたいのは、「あなたにとってうちに入ることがどんな意味を持つの?」ということなのです。
キャリアグラフを作る過程で、今の自分に何が足りないのか、それを埋めるためにどんな経験をしていく必要があるか、転職先の会社でどういった経験をするべきなのか、が明確になります。
ノートとペンを用意してチャレンジしてみてください。
●まとめ
・キャリアビジョンを設計しておくと、将来の目標が明確になるので入社後の成長スピードが高まる ・キャリアビジョンを言語化するためにキャリアグラフを書いてみよう
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