本記事は、末永雄大氏の著書『キャリアロジック 誰でも年収1000万円を超えるための28のルール』(実業之日本社)の中から一部を抜粋・編集しています

ベンダーの仕組み、ロジックを理解しておく

転職,キャリア,ビジネス
(画像=bleakstar/Shutterstock)

転職活動をする際に利用することが多い会社やサービスである採用ベンダーも、ビジネスモデル、構造的な仕組みによって利害が決まってきます。

それを理解してサービスを利用しないと、ベンダーに誘導されてしまい、想定していたキャリア戦略が歪められてしまうリスクがあります。

各ベンダーの特徴を把握して、うまく活用しましょう。

転職エージェント:転職エージェント会社は、人材紹介会社とも呼ばれ、求人企業と転職者をエージェントが介在してマッチングするサービスです。転職者から見ると、担当者がつき、自己分析や職務経歴書の添削、求人紹介、面接対策と、転職決定まで手取り足取りサポートしてくれます。

転職者は無料で利用できますが、人材の紹介が決定した場合、エージェントは、紹介先企業から成果報酬で紹介決定者の年収の35%程度のフィーをもらっています。そうするとエージェントによっては、決まりやすい求人を紹介し、効率良く決定者を増やして、フィーを得るという会社も出てきます。

このような視点を持って利用しなければ、エージェントに強く勧められて、当初考えていたキャリア戦略とは全く違う方向性の会社に転職してしまった、というケースも起こりえます。人が介在するがゆえのリスクとも言えるでしょう。

転職エージェントは、大手エージェント、業界・職種特化型エージェント、中小個人エージェント、サーチ型エージェント(ヘッドハンティング会社)と様々で、種類によって特徴が大きく異なります。

大手転職エージェントは、とにかく求人数が多いです。総合デパートのような存在で幅広い業界・職種の求人を豊富に抱えていることが強みです。

しかし、キャリアアドバイザーのサポートはややマニュアル的な対応で、自己分析、面接対策、企業研究などはそこまでサポートしてくれないという話をよく聞きます。過度に転職相談や選考対策サポートに期待はせず、豊富な求人を紹介してもらえる窓口として使えば、強い味方になるでしょう。

業界・職種特化型エージェントは、特定の業界や職種に特化して求人を紹介しており、細かな業界、職種情報を保持しています。

逆に、その分野以外だと、そもそも求人を扱っておらず、情報もないため、エージェントが担当する分野を志望していなければ使用する意味がありません。

また、専門経験やスキルを求められるハイレイヤーの求人が多い傾向があるため、未経験だと、そもそもエージェントが相手にしてくれない可能性もあります。

明確に自分が希望する特定分野があれば、その分野における求人数は豊富なので、手厚いサポートを受けられるでしょう。

中小・個人エージェントは、1〜10人程度の規模でエージェント事業を行っています。個人事業主の集まりのようなスタイルで活動しているため、より親身にサポートしてくれるケースが多いです。

その分属人的で、エージェントとの相性が合うかどうかが大事になります。

エージェントもビジネス面だけでなく、応援したいと思えるかを大事にしている人も多く、好き嫌いでサポートを決めるケースも多いです。

また、特定企業に深く入り込んでおり、経営陣から強い信頼を得ていることもありますが、取り扱い求人数は10件程度とかなり少ないこともあります。

そのため、せっかくサポートしてもらっても、いざ求人紹介をされてみたら、全く興味を持てない求人ばかりで、結果としてサポートしてもらうのが難しいという事例も少なくありません。

最初から、転職の方向性を明示してすり合わせしておけるといいでしょう。

最後に、サーチ型エージェント(ヘッドハンティング会社)は、完全に求人企業を向いて、難易度の高い求人を決定することをミッションとしています。

ヘッドハンティング会社は通常のエージェントと異なり、成果報酬フィーだけでなく、リテイナーと呼ばれる前受金を求人企業からもらうケースもあります。

候補者をサーチ、紹介決定して、さらに追加で成果報酬フィーをもらいます。

そのため、求人の対象になる候補者にヘッドハンター側から口説いていくというアプローチになります。

候補者が求人に興味を持てば企業との接点を作ってくれますが、求人に興味がなければそれまでで、転職サポートや、他の求人は紹介してもらえません。

そもそもヘッドハンターが扱う求人の対象者は、専門スキルを持っているエグゼクティブの場合がほとんどで、普通のビジネスパーソンには声がかかりません。

逆に、専門スキルがないのにヘッドハンターから声がかかった場合、「ヘッドハンターではない」と思った方がいいです。エージェントが自分を権威付けたり、転職者を舞い上がらせるための演出であると考えましょう。

このように、転職エージェントといっても様々で、それぞれの特徴は異なります。彼らの特徴を知ったうえで、自分にあったエージェントを活用しましょう。

次に求人サイト、会社口コミサイトについて解説します。

求人サイト:求人サイトは、求人広告の掲載費用を企業からもらい、求人を掲載しています。求人掲載欄には枠があり、恣意的に目立たせる枠もあります。もちろん目立つ枠は、掲載費が高額になります。

そして、掲載費用をもらっている限り、転職者からの応募数や反響を掲載企業に返せなければクレームになりかねません。そこで、求人サイトとしてはサイト内でより目立つように掲載したり、メルマガで案内をしてきます。

それに釣られて本来の自分のキャリア戦略と異なる求人に応募し、転職してしまう可能性があります。求人広告はあくまで広告です。求人企業と求人サイト側の利害のある情報、という視点で利用するようにしましょう。

会社口コミサイト:仕組みとして、会社口コミサイトを閲覧する際、無料の場合は、現職の口コミを書く必要があります。口コミを書いている人は、今の会社を退職しようとしている人がほとんどです。会社を辞めたいときに書かれるものは、どうしても批判的な内容に偏ります。マイナスのバイアスがかかっている口コミが多い、という認識が必要です。

エージェントがプッシュしてくる求人、求人サイトで目立っている求人が自分のキャリア戦略にとって良いものとは限りません。第三者が良い会社だとオススメしていても、自分のキャリア戦略にとっては関係がない求人の方が多いのです。

極端な表現を使えば、それらの求人はあなたにとってはノイズでしかありません。

また、口コミサイトの悪い評判も、あなたと異なる価値観やビジョンを持った人の声であって、他の人にはブラック企業でも、あなたにとってキャリア戦略上、有益な求人は存在するのです。

ベンダーにそそのかされず、自分のキャリア戦略を忠実に実行していきましょう。

●まとめ

・転職活動で利用するサービス事業者=ベンダーについて理解して、意思決定がブレないようにしよう
・転職エージェントといっても、様々な種類があるのでうまく使い分けよう
・ベンダーの誘惑や大量の求人情報に惑わされず、キャリア戦略に有効な求人を選び取るようにしよう

誰でも年収1000万円を超えるための28のルール
末永雄大(すえなが・ゆうた)
新卒でリクルートキャリア(旧・リクルートエージェント)入社。リクルーティングアドバイザーとして、様々な業界・企業の採用支援に携わる。その後、サイバーエージェントに転職しアカウントプランナーとして、最大手クライアントを担当し、インターネットを活用した集客支援を行う。2011年にヘッドハンター・転職エージェントとして独立。2012年アクシス株式会社を設立し、代表取締役に就任。月間40万人の読者が読む転職メディア「すべらない転職」の運営やキャリアに特化した有料パーソナルトレーニングサービス「マジキャリ」など多岐にわたるキャリア支援サービスを展開。転職エージェントとして20代向けの転職・キャリア支援を行いながら、インターネットビジネスの事業開発や大学・ハローワークでのキャリアについての講演活動、ヤフーニュースや東洋経済オンラインでの寄稿など幅広く活動している。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)