本記事は、小次郎講師の著書『小次郎講師式 世界一わかりやすい投資の勝ち方 ~チャートメンタルズ分析~』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています
チャートメンタルズ分析とは
私は、いろいろなところでチャートメンタルズ分析を披露しています。このチャートメンタルズ分析というのは、私が作った造語です。チャート分析とファンダメンタルズ分析を融合しました。この2つを融合するのは当たり前の話なのですが、私がやっているチャートメンタルズ分析は、チャートに重きを置いています。
チャートに重きを置いて、世界中のチャートを見ることによって、世界経済を見ていきます。ファンダメンタルの変化をチャートで見ていこうということです。世界中のチャートを見ることによって、世界情勢や経済の変化を分析していくのです。
ファンダメンタルの専門家と違い、私は「今、こんな状況ですよ」ということを解説することに重きを置いていません。大事なのは、皆さんも「私と同じような分析ができますよ」ということです。
チャート分析は今、革命的な進化を遂げています。どういうことかというと、「TradingView」(トレーダーのための総合プラットフォーム)で世界中のチャートをほとんど出せるからです。世界中の株価、為替、コモディティ、金利、ありとあらゆるものがTradingViewを通じて出せるのです。それを使うことにより、私が行っている分析と同じことをできるようになります。
チャート分析(テクニカル分析)とファンダメンタルズ分析を融合する手法はたくさんあります。私もいろいろと勉強していますが、それらのほとんどがファンダメンタルズを中心としています。ただ、ファンダメンタルズの決定的な欠点は、「どこで買うか」「どこで売るか」を永久に教えてくれないところです。
皆さんが、どんなにファンダメンタルズ分析を極めて「なんとなくこれから上がりそうだ」「なんとなくこの株は、これから人気になりそうだ」「世界景気が良くなりそうだな」ということがわかっても、「具体的にどこで買うんですか」「どこで売るんですか」ということは永久にわかりません。だから、そこにチャート分析を加えて「どこで買うか」「どこで売るか」「こういったものを補足しましょう」というものが多いのです。
私が本書で紹介するチャートメンタルズ分析は、あくまでチャートがメインです。チャートを見ることによって、ファンダメンタルの変化を見ます。「世界の○○の会社の景気がどうだ」という、具体的なファンダメンタルズは見ていきません。チャートだけでそこを読み取っていくということです。これが小次郎講師式「チャートメンタルズ分析」です。
チャートを見れば世界がわかる
一般のチャート分析とチャートメンタルズ分析の違いは何でしょうか。一般のチャート分析は取引する銘柄のチャートしか見ません。皆さんが米ドル/円を取引するとしたら、米ドル/円のチャートを見るでしょう。
株の取引をするとしたら、株の銘柄のチャートを見るでしょう。コモディティをやるとしたら、金のチャートや原油のチャートを見ます。このチャートメンタルズ分析は、株・為替・コモディティ・債券(金利)等を比較しながら、世界の変化を総合分析します(図2-1-1・図2-1-2)。
もちろん、ファンダメンタルズ分析をやる方の中には、株も見ているし、為替も見ているし、コモディティも見ているし、債券も見ているという方はいます。特にアナリストという、皆さんの前でいろいろと発表される方は、こういうものを見ているでしょう。
しかし、それを見て、皆さんもファンダメンタルズ分析で、株・為替・コモディティ・債券(金利)の分析をしようと思うと時間が足りません。調べることがたくさんありすぎるからです。株のことだけでも勉強するのが大変なのに、それに加えて為替・コモディティ・債券(金利)も分析するというのは、一般の投資家にとっては難易度が高く、時間的にも難しいことです。
では、主なチャート分析ではどうでしょうか。チャートメンタルズ分析でチャートを見るということなら、1日30分あれば株・為替・コモディティ・債券(金利)を総合分析し、今の状態がわかります。
日本の株価を追いかけているだけでは、世界の株がどうなっているのかがわかりません。しかし、チャートメンタルズ分析で見ると世界の株式市場、為替市場、コモディティ市場、債券(金利)市場の変化がどうなっているかが、手に取るようにわかってきます。そして、それぞれの市場の小さな変化を日々追いかけて見ていきます。すると、マーケットで大きな変化が起きるときには、すべてが変化していくということに気がつきます。そこに投資チャンスが生まれるのです。チャートメンタルズ分析を究め、チャートを見て世界の変化を見抜けるようになっていきましょう。
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