本記事は、前川富士雄氏の著書『一生お金に困らない! 世界一カンタンなほったらかし投資』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています。
金利を味方につけると積み立てが楽になる
ここでは積み立てにおいても金利の力を活用していくことを考えてみましょう。老後のためにお金をしっかりと貯めないといけないことはご承知の通りです。では、例えば60歳のときに、今の貯蓄とは別にさらに上乗せで1000万円貯めるとした場合はどうでしょうか。
上の右側の図は0.002%の金利で60歳までに1000万円貯めるために毎月いくら積み立てが必要なのかを示しています。30歳からスタートする場合、毎月約2.8万円、40歳なら毎月約4.2万円、50歳なら毎月約8.3万円の積み立てが必要になります。
ちょうど坂道を登っていくイメージに近いですね。早く登り始めたほうが負荷をあまり感じずに登れます。一気に駆け上がる場合は、重い負荷の中登っていくことになります。
こうして見ると、早くスタートを切るほうが有利です。ただし、今の自分の年齢は変えられませんので今が最善のときです。
では、今から始める場合、もっと負荷を下げる方法はないのでしょうか?
実は、それが金利を味方につけることです。例えば、原動力のついたものなど、もう少し違う乗り物を活用した場合を考えてみましょう。
3%の金利を味方につけた場合を見てみましょう。毎月、いくら積み立てが必要なのか?30歳からスタートする場合毎月約1.7万円、40歳なら毎月約3.0万円、50歳なら毎月約7.2万円の積み立てが必要になります。
5%の金利を味方につけた場合を見てみましょう。30歳からスタートする場合毎月約1.2万円、40歳なら毎月約2.4万円、50歳なら毎月約6.4万円の積み立てが必要になります。
それでは、7%の金利を味方につけた場合を確認します。30歳からスタートする場合毎月約0.8万円、40歳なら毎月約1.9万円、50歳なら毎月約5.8万円の積み立てが必要になります。
ここで40歳の人が毎月1.9万円の積み立てをした場合、20年で1000万円になったわけです。さらに詳しく見ていきましょう。
実際に投入した金額は、月1.9万円×12カ月×20年=元金約460万円です。元金約460万円で1000万円が準備できたことになります。
また、運用せずに貯金ですべて貯める場合を見てみましょう。例えば40歳の人でしたら、0.002%の金利だと月約4.2万円の積み立てペースが必要ですが、これと同じペースの月約4.2万円の積み立てを7%複利で運用した場合、20年後の60歳のときには約2200万円が準備できていることになります。
このように見ていきますと、すべてを貯金だけで考えるのではなくて、一部は貯金で、一部は運用しながら貯めていくというハイブリッド型が正しいといえます。
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