本記事は、浦井麻美氏の著書『老後資産はドルで増やしなさい 毎月3万円で1000万円貯まる方法』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています
米国株式を選ぶのは意外と簡単
米ドルに長期で投資する金融商品はさまざまです。具体的に列挙すると、米ドル預金、米ドル建て投資信託、米国株式と米国ETF、そして米ドル建て終身保険などが考えられます。
私は、このうち米ドル建て終身保険を推奨していますが、ある程度、金融の知識と経験が増えてきた人は、米国株式や米国ETFを組み合わせてポートフォリオを組んでも良いと考えています。
私が米ドルへの投資が有望であると考えているのと同様、米国株式の未来にも非常に期待するところがあります。なによりも米ドルの資産を持つことができます。
これまで説明してきたように、アメリカは、世界でも最強といって良いほどの経済力と軍事力を持ち、基軸通貨国であり、先進国のリーダーであり、安心して投資できるだけの法的な整備もなされている国です。
さらに言えば、人口がまだまだ増える余地があり、日本のような超高齢社会になりにくい構造を持っています。
なぜなら他国から若い人が次々とアメリカを目指して移り住んでいるからです。しかも、優秀な頭脳がたくさん集まっています。それは「世界大学ランキング」を見ても一目瞭然。最新のランキングを見ると、ベスト10のうち5校がアメリカの大学です。
ちなみに1位がマサチューセッツ工科大学、2位がスタンフォード大学、3位がハーバード大学、4位がカリフォルニア工科大学と、ベスト10のなかでも上位はアメリカの大学で占められています。こういった優秀な大学には、世界中から若い優秀な頭脳が集まってくるのです。そういう国の株式市場が弱いはずがありません。
実際、ニューヨーク・ダウやS&P500といった、アメリカを代表する株価インデックスの値動きを見ると、その強さがわかります。
たとえばニューヨーク・ダウは2020年12月1日に3万ドルを突破して最高値を更新しました。ニューヨーク・ダウが算出されたのは1896年5月26日で、当初は12銘柄でスタートしました。現在と同じ30銘柄の平均株価を算出するようになったのは1928年で、算出開始から124年の歴史を持っていますが、ずっと最高値を更新し続けているのです。
ニューヨーク・ダウと並ぶ株価インデックスのS&P500はもう少し歴史が浅く、算出開始は1957年3月4日ですが、こちらも過去最高値を更新し続けています。
米国株式は現在、インターネット証券会社に口座を開けば簡単に売買できます。
え?何を買えばいいかわからない?
実は皆さん、いくつもアメリカの会社をご存じのはずです。買い物でお世話になっているアマゾン・ドット・コム、調べ物をするときによく利用している検索エンジンはグーグル(会社名はアルファベット)、スマホやタブレットはアップル、自宅で映画やドラマを見るのにネットフリックスに加入している人もいるでしょう。化粧品や衛生用品のプロクター&ギャンブル(P&G)、世界最大のヘルスケア企業といえばジョンソン&ジョンソン、清涼飲料水のトップブランドであるコカ・コーラ、今回のコロナ禍で巣篭り銘柄として注目されているドミノ・ピザ、リモート会議で一躍急成長したZOOM、スポーツ用品のナイキ、といったように挙げればキリがありません。そのくらいアメリカ企業は、皆さんの日常生活に浸透しているのです。
ですので、まずは皆さんが知っている、聞いたことがあるアメリカの企業に投資してみると良いでしょう。
しかも、アメリカの株式は1株単位で買うことができます。なかには驚くような高値の銘柄もありますが、1株単位であれば、大半の会社の株式は比較的安価に買うことが可能です。興味がある人はインターネット証券会社に口座を開いて、どんな会社の株式を売買できるのか、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
一方の日本株は、売買できる単位が100株単位です。もし任天堂の株を買うとしたら、株価が6万5610円なら100株単位なので656万1000円が必要になるのです。一般の個人投資家にはなかなか手が出せない金額ですね。
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