本記事は、藤原正明氏の著書『収益性と節税を最大化させる不動産投資の成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています

住みたいエリアと投資エリアは分けて考える

住みたいエリア
(画像=たっきー/PIXTA)

物件を購入する際のエリア選定は大変重要です。しかし、投資家のなかにはエリア選定の考え方を間違えている方が少なくありません。よく見られる誤りは、自分が住みたいエリアに狙いを定めて物件を探してしまうことです。

(株)リクルート住まいカンパニー社が毎年発表している「関東 みんなが選んだ住みたい街ランキング2020」によると、20~40代の回答は1位から順に「横浜」「恵比寿」「吉祥寺」「大宮」「目黒」「品川」「新宿」「池袋」「中目黒」「浦和」と続きます。

関西では、同じく20~40代の回答は「西宮北口」「梅田」「神戸三宮」「なんば」「天王寺」「夙川」「江坂」「千里中央」「岡本」「京都」でした。

関東・関西ともにベスト10に選ばれたのは誰もが知る人気のエリアで、住む街としての魅力は高く、実際に自分が住む物件を探している人にとっては好条件といえます。賃貸物件に住んだり、自宅を購入する場合は、このように「自分が住みたいエリア」で絞り込んで一向に構わないでしょう。皆さんも、実際にこうした視点で選んでいると思います。

ところが、収益物件の場合は別の視点を持たなければなりません。特に、物件購入代金の多くを融資で調達し、資産運用をしたい方にとっては自宅購入時と投資時のエリアに対する考えは全く異なります。物件金額の高さに比例して賃料も高くなれば投資対象として十分考えられますが、実際はそのようにはなりません。

例えば、全く同じ一棟収益物件が不人気エリアと人気エリアにあったと仮定します。物件金額が不人気エリアで5,000万円、人気エリアで2倍の1億円で取引されている場合、不人気エリアでの賃料が5万円なら人気エリアの賃料が2倍の10万円になるかといえば、そんなことはありません。高くなってもせいぜい2~3万円程度です。

物件金額が高く賃料収入は少ないと利回りが低下します。低い利回りの物件に対し、金利3~4%の融資を受けて無理に購入してもキャッシュフローが出ないのです。特別な資産背景を持たない方の資産形成初期の局面では、自分の住みたいエリアと投資エリアは切り分けて考え、投資効率の高さに主眼を置いて物件を選定しなければなりません。

東京都内人気エリアの収益物件の実質的な利回りは3%台となっていますが、こういった物件を融資割合が高い状態で購入してもキャッシュフローは回りません。富裕層の相続税対策であったり、現金購入できる人であれば投資として成り立ちますが、一部の方に限られるでしょう。

憧れの場所に不動産を保有することでステータス感を得たり、資産性の高い物件を持ちたいという気持ちは理解できます。しかし、はじめからそういった不動産投資ができるのは潤沢な現預金・金融資産がある富裕層の方のみです。多くの方にとっては、まずはキャッシュフローの出る物件を購入し、キャッシュフローを積み上げ再投資原資として物件を追加購入し、適宜物件を組み替えながら投資規模を拡大し、最終的に人気立地の物件を自己資金を多く投下して購入すればよいのです。一人ひとりの属性(年収、金融資産)と目標によって、物件購入の進め方が全く異なることをはじめに理解してください。

収益性と節税を最大化させる不動産投資の成功法則
藤原正明(ふじわら・まさあき)
大和財託株式会社 代表取締役CEO。1980年生まれ、岩手県出身。三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後関東圏の不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。全国の投資家や土地オーナーの悩みを解決し、絶大な支持を得ている。著書に『中小企業経営者こそ収益不動産に投資しなさい』、『収益性と相続税対策を両立する土地活用の成功法則』など。

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