本サイトにはプロモーション広告を含みます。なお、掲載されている広告の概要や評価等は事実に反して優遇されることはありません。
現物資産であるプラチナの投資は、その資源の将来性から、今まさに注目を集めています。また、株式や不動産などの資産と組み合わせれば、資産運用のリスクを分散させることが可能です。プラチナへの投資方法は、現物、投資信託、ETFといくつかありますが、いずれもデメリットやリスクを知ったうえで投資することが重要になります。未知の投資商品であるプラチナについて、そして、購入・運用のしやすいプラチナETFについて、解説します。
目次
プラチナ投資とは?
プラチナ投資とは、実物資産であるプラチナ、もしくはその関連銘柄株を売買して資産運用を行うことです。詳細を見ていきましょう。
プラチナ投資はコモディティ投資の一種
プラチナ投資は、株式などの金融資産ではなく、エネルギー(原油やガソリン)や穀物(大豆やトウモロコシ)などの「商品(コモディティ)」に投資を行うコモディティ投資の一種にあたります。
プラチナ投資に当てはまるものは、次のとおりです。
(1)現物であるプラチナを直接購入する
(2)少額で毎月積み立てて購入する
(3)投資信託・ETFでプラチナの関連銘柄株を売買する
プラチナといえば「指輪などのジュエリーで使われる」などのイメージが大きいかもしれません。しかし、実際は自動車排気ガスの触媒や化学、医療、エレクトロニクスなど、昔からさまざまな分野で使用されてきました。投資対象としてのプラチナも、宝飾品としてではないもう1つの顔といえます。
実際に、田中貴金属工業や三菱マテリアルなどの金属メーカーや、楽天証券・SBI証券はじめとする証券会社が、プラチナを投資対象として紹介しています。また、日本取引所グループ大阪取引所では「白金標準先物」、「白金ミニ先物」および「白金限日先物」として、商品先物価格情報のリストに掲載中です。取引先や取引方法の選択肢も増え、プラチナが運用資産として注目度が高まっている証といえます。
貴金属には金、銀、プラチナなどが存在
投資対象としての貴金属の代表格として、金を思い浮かべる人も多いと思います。実際にプラチナ以外の貴金属には、次の種類が存在します。
▽プラチナ以外の主な貴金属資産
種類 | 特徴 |
金 | 「有事の金」と呼ばれ古来より取引対象となっている貴金属 |
銀 | 金と比べて安価で投資を始められる貴金属 |
パラジウム | プラチナと同じ白金族メタルの貴金属 |
貴金属の資産価値は、世界情勢や産業業界の動向に左右されやすいのが特徴です。
たとえば、パラジウムの価値はガソリン車のシュア回復の影響で、2016年の2,000円台/グラムから2020年の8,000円台/グラムまで一気に伸びました。逆にプラチナは、ディーゼル車のシェアが落ちた影響も受け、価値を下げたことがあります。
貴金属に投資するときは、金属そのものの世界的な需要と供給に注目するとよいでしょう。
伝統的な株式や債券、不動産とは異なる動きを持つことからリスク分散の効果が期待
貴金属は世界情勢などの枠組みで影響を受けるものの、伝統的な株式や債券といった金融商品の動向との相関性があまり高くありません。それは、紙幣と違い実物資産としての価値を持っているためです。
たとえば、もし円の価値が半分になったとしても、「金属としての金やプラチナ」は世界中で変わらず需要があるため、円の影響を受けることは少なくなります。
つまり、株式市場や不動産価値の変動に備えて事前に貴金属にも投資しておくと、いざというときのリスク分散の効果が期待できます。
また、株式や不動産と違い、1,000円単位などから投資ができる点も、プラチナをはじめとする貴金属のメリットといえるでしょう。
ただし、プラチナに限っては自動車などの工業関係と深く関わりがあるため、工業系の株価の影響を受けやすいという点は覚えておいてください。
プラチナ価格と金価格はどちらが高い?
続いて、2020年11月現在のプラチナ価格と貴金属の代表格である金価格を比較してみます。価格動向の詳細と、その考察をあわせて紹介します。
プラチナと金価格の推移の比較
次の表は、田中貴金属工業や三菱マテリアルが公表している数値を元に、円/gあたりのプラチナ地金および金価格推移をまとめたものです。
▽プラチナと金の価格の年別推移(単位:グラム当たり円)
年 | プラチナ | 金 |
2019 | 3,120~3,385 | 4,918~5,330 |
2018 | 3,215~3,475 | 4,543~4,919 |
2017 | 3,523~3,805 | 4,576~4,952 |
2016 | 3,535~3,819 | 4,396~4,765 |
2015 | 4,205~4,538 | 4,564~4,937 |
2014 | 4,759~5,118 | 4,340~4,660 |
2013 | 4,740~4,985 | 4,453~4,685 |
2012 | 4,078~4,281 | 4,321~4,538 |
2011 | 4,522~4,663 | 4,060~4,252 |
2010 | 4,635~4,868 | 3,477~3,653 |
10年前までは金よりもプラチナのほうが高値でしたが、5年前を境に逆転しています。2020年11月20日時点では、プラチナ約3,500円/グラムに対し、金は約6,900円と倍近く金がプラチナを上回っている状況です。
希少性からプラチナが高価?しかし現状は金の価格のほうが高い
希少性で見ると、本来は金よりプラチナのほうが圧倒的に手に入りにくく価値も高いものでした。なぜなら、採掘地域と採掘量が限られているからです。
▽プラチナが希少である理由
(1)南アフリカで約70%、残りはロシア、ジンバブエ、カナダ、米国などでしか採れない
(2)年間の生産量の平均は約200トンしか生産していない(金の約1/19)
(3)有史以来まだ8,000トンに満たない数しか生産されていない(金の約1/26)
それにもかかわらず、2020年現在、金の価値のほうが高いのはなぜでしょうか。それには、プラチナが景気動向、とくに自動車産業の動向に左右されやすいことが関係しています。
前述のとおり、プラチナはガソリン車のシェアが伸びると同時に価格を下げました。これは、プラチナを利用用途としていたディーゼル車が排気ガス不正問題でシェアを落としたこと、環境問題で脱ディーゼル車が進んだことが原因といわれています。プラチナの需要は自動車産業と密接な関係にあるため、大きな影響を受けることになったのです。
プラチナは景気動向の影響を受けやすい
また、リーマンショックの影響、中国での需要減、プラチナのリサイクルなどが要因となり、現在も以前と比べると価格を落としています。このようにプラチナは、世界の景気動向と、対応する産出国(とくに南アフリカ)の動向に、その価値を大きく左右される貴金属であるといえるのです。
逆に金は「有事の金」として、新型コロナウイルスなどで広がった不安が、そのまま価格に反映されています。「景気が不安定なときはプラチナの価値は下がり、金は上がる」とのニッセイ基礎研究所などの見解もあるため、自然な動きともいえます。
投資としてのプラチナの価値
元々プラチナは、金や銀と比べて投機性が強い貴金属です。その希少性と市場の小ささ、そして世界情勢や自動車産業などの工業分野の影響を受けるという点から、貴金属の中でもハイリスクハイリターンの性質になっているためです。
価格下落に大きな影響を与えた世界的な脱ディーゼル車の流れはいまも続き、過去に見ないほどプラチナの価値は下がっています。現状は、プラチナと金の価値が逆転するといったはじめての局面に突入している状態です。しかし、なかには「歴史的安値の今こそ、今後大きな反発が期待できる」との声もあります。
プラチナは、今後環境に優しい水素自動車が普及して消費増となれば「さらに需要が伸びるのでは」と一部で予想されています。水素自動車に搭載される水素燃料電池には多量のプラチナの使用が見込まれているからです。加えて世界の景気が上昇傾向となれば、安値のプラチナも高値の金も正常価格に戻り、「安いうちに投資したほうが得になるのでは」という考え方も見られました。
また、プラチナは2020年現在、コロナ禍+脱ディーゼル車の流れであっても、リーマン・ショックを大きく上回る下落はしていない事実があります。そもそも、2000年近くと比べてもまだ2倍ほどの価値を保っているのです。安値となった今でも、一定の需要と価値があるという証明になるのではないでしょうか。
プラチナ投資に関する世界市場の権威である「World Platinum Inventory Council」の2020年9月8日のプレスリリースを見ても、「プラチナ投資需要の増加予想」との見解です。日本のプラチナ価格も3,000円/グラムを下回っていた2020年3月と比べ、回復の兆しが見えています。
とはいえ、投機性が強く今後も変動が大きいことに変わりありません。プラチナ投資は、情勢を把握した上で行うことを推奨します。
プラチナに投資する方法は?どこで買えるのか?
プラチナに投資する方法は1つではありません。現物を直接取引したり、株式と似たような方法で売買したりといった方法が存在します。
今回は「現物」「投資信託」「ETF」の3つの方法をご紹介します。
現物(金地金、コイン、アクセサリー)への投資:貴金属店
市場や金融機関を通さず、貴金属店や宝飾店にてプラチナインゴットやジュエリーを直接購入するのも、プラチナ投資の方法の1つです。
当然、価格は購入時の相場や製品の値段がそのまま反映されます。
たとえば、当記事を執筆したときの時間軸で考えるならば1グラムあたり3,538円、宝飾品として買うならば製品の値段がそのまま投資額になります。
▽プラチナの現物投資の特徴
確認項目 | 内容 |
商品性 | プラチナのインゴットやジュエリーとして直接手元で保管する |
最低投資額 | ・5グラムでも1万円以上、100グラムで数十万など投資額が非常に大きくなる ・宝飾品の売却は安くなることが多い |
手数料 | 基本的に無料 |
その他注意点 | ・盗難のリスクがある ・保管方法によっては業者の破綻に巻き込まれる |
投資信託への投資:金融機関で口座開設
プラチナ投資における投資信託とは、プラチナそのものやプラチナ価格に連動する金融商品を購入し、専門家に運用を任せることを意味します。
主に金融機関で口座を開設し、その後資産運用を進める形です。プラチナの現物は手元ではなく、運用会社に預けることになります。
▽プラチナの投資信託への投資の特徴
確認項目 | 内容 |
商品性 | ・専門家の知見を借りて自分の資産が運用できる ・先物や関連企業など投資先が多い |
最低投資額 | 1,000円からなど少額からスタートできる |
手数料 | 販売手数料、信託報酬等が必要 |
その他注意点 | ・盗難のリスクはない ・業者が破綻しても自分の資産は法律上守られる |
ETFへの投資:証券会社で口座開設
プラチナ投資におけるETF(上場投資信託)とは、証券口座を開設したあと、株式のようにプラチナ関連ETF銘柄を売買することを意味します。
ETFの価格は、日経平均株価や東証株価指数と同じく特定の指数で動きますが、この特定の指数がプラチナの価格となっています。株式売買と近い形で、チャートを確認しながら取引を進めるのが基本です。
プラチナETFには、日本の東証に上場している東証ETF(国内市場)と、ニューヨーク証券取引所に上場している海外ETF(海外市場)があります。
▽プラチナのETF投資の特徴
確認項目 | 内容 |
商品性 | ・証券取引所が開いている時間にいつでも取引できる ・投資信託より価格の変動が見えやすい |
最低投資額 | 1,000円からなどの少額からスタートできる |
手数料 | 株式売買手数料、信託報酬等の手数料 |
その他注意点 | ・盗難のリスクはない ・業者が破綻しても自分の資産は法律上守られる ・他の株式のように配当は出ない |
プラチナ投資信託・ETFを購入するメリット、デメリットは?
ここまでプラチナ投資について現物・投資信託・ETFと特徴を見てきました。一部は上記しましたが、プラチナ投資信託またはETFを購入するメリットとデメリットについて、詳しく解説します。
プラチナ投資信託、ETFを購入するメリット
プラチナ投資信託・ETFのメリットは、「手軽さ」「低コスト」「利益」の3つがキーワードになります。
・メリット1.手軽に投資できる
金融機関もしくは証券会社に口座さえ作ってしまえば、手軽に投資できるのが投資信託・ETFのメリットの1つです。ETFは証券取引所の取引時間であればリアルタイムで売買を行える点も利点といえるでしょう。
・メリット2.保管コストがかからない
プラチナ投資信託・ETFは、自宅や倉庫などでプラチナの実物を保管する必要がありません。そのため、保管料や年会費、倉庫の維持費などの保管コストがかからない点がメリットです。
ただし、信託報酬や売買手数料、交換手数料などの各種手数料がかかることは頭に入れておきましょう。
・メリット3.現物を購入するよりも購入コストが安い
投資信託やETFは1,000円や1万円という比較的安価ではじめられます。特に投資信託のなかにはポイントで購入できるタイプも存在します。
プラチナ現物を購入する場合、初期投資に数十~数百万円支払うことになるため、元手がある程度必要になってしまうのは覚えておきましょう。
・メリット4.値動きの下落(信用売)で儲けを狙うことができる
プラチナ投資でも値動きの下落(信用売)によって儲けを狙うことが可能です。
たとえば、2020年11月21日時点のプラチナ価格約3,500円/グラムですが、もしも2019年11月21日時点の約5,000円/グラムのときに信用売りしてから買い戻していたとすれば、差額の約1,500円/グラムの利益がでたことになります。
信用売りは現物での取引では難しいため、ETFならではのメリットといえるでしょう。
プラチナ投資信託、ETFを購入するデメリット
プラチナ投資信託のデメリットは、宝飾品としての価値に関わるものになります。金銭面ではないとはいえ見過ごせない部分ではあるので、以下で見ていきましょう。
・宝飾品と異なり鑑賞の楽しみがない
プラチナ投資で考えると価格や工業製品の概念で考えがちですが、プラチナは本来非常に美しい宝飾品としての価値があります。事実、2018年度のプラチナ世界用途別需要でも全体の27%と4分の1を占めています。
日本では、結婚指輪や婚約指輪などのブライダルリングに使われるのが一般的です。そのほか、さまざまなジュエリーにも用いられるほど人気が高い貴金属です。
投資信託・ETFでは、手元にプラチナの現物が存在しません。そのため、観賞用や自身の装飾品として使えないのは所有している感覚を味わえず、それがデメリットになりえるのです。
実際に投資できるプラチナETFは?
ここからは、東京証券取引所にて売買ができるプラチナETFを紹介します。その特徴や現物との交換の有無など、確認してみましょう。
銘柄コード1541、1682、1674
実際に投資できるプラチナETFは、主に銘柄コード1541、1682、1674の3つです。
▽プラチナETFの種類
銘柄コード・管理会社 | 名前 | 概要 | 交換の有無 |
1541 三菱UFJ信託銀行 (2020年6月30日) |
純プラチナ上場信託(現物国内保管型) | 最低購入金額:2,720円/株(1口から) 信託報酬:0.55% 総資産総額:96億円 |
一定の受益権口数を持っているとき、受益権と引き換えに現物受取が可能 |
1682 野村アセットマネジメント株式会社 (2020年6月30日) |
NEXT FUNDS日経・JPX白金指数連動型上場投信 | 最低購入金額:1万7,137円/株(100口から) 信託報酬:0.495% 総資産総額:4.5億円 |
0.05%の手数料、100万口以上1万口単位で現物受取が可能 |
1674 ウィズダムツリー・マネジメント・ジャージー・リミテッド (2020年11月20日) |
WisdomTree 白金上場投資信託 | 最低購入金額:9,460円(1口から) 信託報酬:0.49% 総資産総額:不明 |
無 |
まとめ:資産分散の一手となるプラチナ投資。ポートフォリオへの組み入れも
プラチナETFはほかの株式と異なる動きをするため、リスク分散にも有効な資産といえます。ポートフォリオ(資産の組み合わせ)に入れて資産の分散を図ることも検討できるでしょう。プラチナETFは、万が一株式または不動産の価格が暴落したときにも変動値が少ないため、資産を大きく失うことを防げるはずです。
また、情勢が不安定であればあるほど、実物資産として保有しておくことで自身の資産状況を安定させることにつながります。もしもプラチナETFを始めたい場合には、楽天証券やSBI証券などのネット証券であれば、手数料が安く口座開設の手続きも簡単です。現物受取の可能な銘柄を選ぶとよいでしょう。
【関連記事】
・分散投資に注目のコモディティETF。メリットとデメリットを解説
・短期投資におすすめの手法と金融商品は?注意すべき点も解説
・株の売買タイミングで語られる「目標株価」とは?どうやって計算するの?
・何%で売却する?株式を売るタイミングはこう決めよう!
・目指せ日本のロビンフッダー!スマホで少額取引から始める株式投資