本記事は、河上純二氏の著書『10年後に活きる人脈のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)の中から一部を抜粋・編集しています
呼びかけられる人になる4つのポイント
社外活動の場に身を置くと、自分の立ち位置が見えてきます。また、社内だけしか知らないと将来への夢が広がりませんし、リスクヘッジもできません。
例えば大企業の管理職の人が、さらにその上を目指そうとモチベーションを上げて頑張り出すとします。英語や交渉のスキルを磨いたり、他部署の協力者と連携を図ったり、上級幹部に自分を印象づけるためのことに勤しむ。こうして知らぬ間に出世レースに乗ったものの、人間関係の問題で梯子を外される。こうしたリスクは案外多いのではないでしょうか。実際に僕はこうした経験をしたから、社外の人脈も大事に考えるようになりました。
また、社内だけで仕事をしていると外の変化に気づかなくなることもあります。いま担当している仕事について同業他社の人と話していたら、いままで井の中の蛙かわずにいたということもよくあります。新技術だと思っていたことがもはやレガシー化が進んでいるという話もたくさんあります。
こうしたことを防ぐには外との関係を強くすることです。外との関係が強くなるほど、情報の正確性や精密性が高くなります。そうした情報を得るには、信用度の高い人たちとの人脈を多くつくることです。
信用できる人たちとの関係性は、自分自身が呼びかけてもらえる人になることを目指します。それには仕事やプライベートで培った「知識」「経験」「人脈」が生きてきます。この3つがバランスよく整うと、市場価値の高い人になれるのです。さらに市場価値を高めるには、好かれる人柄も必要です。「知識」「経験」「人脈」そして「人柄」が揃えば、肩書ではなく個人としての市場価値ができあがります。
市場価値の高い人は、この4つがしっかり備わっているからこそ、どこからも声がかかってくるわけです。しかし、呼ばれた先で十分な成果を出すには、その職場の人たちとストレスなく働けることが重要です。
そのために必要なのが、「傾聴」「ポジティブシンキング」「笑顔」です。傾聴する気持ちがある人は相手を尊重する気持ちも併せ持っています。「ポジティブシンキング」は、コンフリクトやトラブルが相次ぐとつい目線が下がってネガティブな発想に陥りがちなとき、それを元のあるべき視座に戻すのにとても役立ちます。また、笑顔で人と接する人は相手との距離が自然と縮まります。こうしたことを意識して会話できる人は信頼感を得ることができます。
さらに、自分のスキルに自信を持ちながらも謙虚でいることの「自信と謙虚のバランス」が取れているとなおよいでしょう。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます