本記事は、藤本誠之氏の著書『株は社長で選べ! コロナ継続・収束問わず確実に勝ち続けるたった一つの株式投資術』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=tadamichi/stock.adobe.com)

M&Aは、急成長する企業を見つけるカンタンな方法

M&Aをうまくやれる会社は、株価も上がります。というのは、通常何年もかけて行う設備投資や人材育成を、M&Aを使って企業買収すれば、設備も人材も販路も一度に手に入るからです。通常何年もかかる事業構築などを、短期間で成し遂げられます。言わば、ビジネスをショートカットしちゃうわけです。成功すれば、一気に業績拡大に弾みがつきます。

最近、「後継者不在」の記事をよく見かけませんか? 日本は99.7%の企業が中小企業です。オーナー社長も多い。その社長さんたちが、今続々と70歳台に突入して、事業継承ができない状況に直面しています。ちょっと体がしんどくなってきたから、「自社の中から次の経営者を」と図っても、社員として働いてもらうには優秀でも、経営者として事業を引き継ぐには力不足の場合があるからです。

そんな中小企業のお悩み、「後継者不在」の解決策の一つが、M&Aです。M&Aであれば、現在の設備や販路をキープしたまま、後継者の代わりに買収した会社が経営を引き継いでくれます。

今後、日本の企業は、〝M&A巧者企業〞とそうでない会社とに分かれていくでしょう。

この二者の違いはなんでしょうか。

〝M&A巧者〞は、M&Aされた側の会社の人たちへ、得意なことは任せることができる会社です。ある程度、もともとの社風ややり方を尊重して、任せてみる。うまく行っている部門などは、できるだけ手を出さないほうがいいのです。よいところが消えちゃうので。

それでも、困ったことがあったら、買収側も相談に乗って解決していく。うまく行かなくなったら、手を出されても、誰も怒らないですよね。

会社規模が大きくなった分、問題解決の選択肢も広がっているはずです。資金調達も安定するでしょう。買われた側のもともとあったよい点を活かしつつ、改善していけるのですから、こんなM&Aはほぼうまく行きます。反対に、闇雲(やみくも)に買収側のやり方をゴリゴリ押しつけると、元からいた社員が嫌がって辞めてしまう危険があります。

「M&Aがうまい会社かどうかは、どうやったらわかりますか?」という質問の答えはカンタンです。M&Aを行った後、業績が上がったり、社員数が安定したり(もしくは増えたり)していれば、〝M&A成功例〞の一つになっているはずです。

次の第3章では、第1章、第2章でお伝えしたことを踏まえて厳選した、50の有望銘柄を紹介します。ご期待ください! 社長さんのお人柄や社長さんのお話に魅力を感じて、有望銘柄として選ばせていただいております。各銘柄のサイトなどで社長の写真や話などをチェックしていただくと、僕が選んだ理由もなんとなくお分かりいただけるかと思います(全部の銘柄が確認できるとまではいえませんが)。

なお、各銘柄の解説は、僕のほうで「どんな企業で」「どんなことが期待できて有望銘柄として選ばせていただいたのか」を中心にまとめるかたちで書いています。

株は社長で選べ!
藤本誠之(ふじもと・のぶゆき)
・Yahoo!ファイナンス株価予想2012年勝率1位、伝説の39連勝を成し遂げた証券アナリスト。“相場の福の神"の愛称で親しまれ、「まいど! 」のあいさつ・独特の明るい語り口で人気。
・ラジオNIKKEIなどのレギュラー出演をはじめ、テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジスト、All about株式ガイドを務める。
・1965年生まれ。関西大学工学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)で機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍。その後マネックス証券、カブドットコム証券(現auカブコム証券)、トレイダーズ証券、マネーパートナーズ、SBI証券を経て、財産ネットにて企業調査部長を務める。
・主な著書に『朝13分で、毎日1万円儲ける株』(明日香出版社)、『難しいことは嫌いでズボラでも株で儲け続けるたった1つの方法』(SBクリエイティブ)など。阪神タイガースの熱狂的なファン。

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