本記事は、藤本誠之氏の著書『株は社長で選べ! コロナ継続・収束問わず確実に勝ち続けるたった一つの株式投資術』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
〝将来が明るい会社かどうか〞をすぐに見破る方法
「〝株は社長で選べ!〞はわかったけれど、普通の人は実際に社長には会えないですよね?」というみなさん。でも、ご安心ください。
実物は難しいけれど、ホームページに顔写真が載っている社長さんがほとんどです。
IRに動画で出演されている社長さんも多くなっています。会社概要の説明や決算発表を、社長自ら動画に出演して説明している会社が増えています。企業側が、それだけ個人投資家との接点を重視し始めているということです。
この章では、具体的に動画や企業のIRページを見る際の、これから伸びそうな企業の社長かどうかのチェックポイントをお伝えしましょう。
企業のホームページを訪問したらチェックしてほしいのが、社長のあいさつ文です。
ほとんどの会社の公式サイトには、会社概要の中に社長あいさつがあるはずです。この、社長あいさつの内容に共感できるかどうかと、更新頻度を見てみましょう。
最終更新日が〝3年も前〞とかで公式サイトが放置されている会社は、ちょっと考えものです。公式サイトに気を配っていない、株主やユーザーへ気持ちが向いていない社長さんかもしれないですね。
更新頻度が多い会社のほうが、やる気があっていいと思います。
また、社長あいさつの内容が、かなりの割合で「社会貢献します」とか、「明日へ向かって羽ばたく企業に」とか。どこかで聞いたような内容が書かれていることもあります。ただ、少しでも「なるほど!」と思われることが書かれていたら、気に留めておきましょう。
社長の写真だけでも、会社の状態がかなり読み取れる
意外に社長の姿勢というか、人となりを表してしまうのが、社長の顔写真です。
ライティングもしっかり決めて、顔にテカリもない写真は、プロのカメラマンが撮影したものですね。IRを重視していて、投資家が自社サイトを見に来ることを意識している社長である、という写真です。
お金をかければよいというものではないでしょうが、「株主からどう見えるか」「ユーザーがどんな印象を持つか」意識していれば、スーツのチョイスからネクタイの柄まで気にかけて、写真1枚もおろそかにしないはずです。
社長の写真が、自社の業態に合わせて堅めの会社なら堅実そうに、一般消費者向けであれば親しみやすくと演出していれば、好感度が高い社長さんといえるでしょう。
また、表情やポーズにも注目です。
笑顔でしょうか。睨(にら)みつけるような表情の場合も散見されます。「たかが写真1枚で、社長の何がわかるの?」と思われるかもしれませんが、〝社長で選ぶぞ〞とホームページの社長の顔写真を何枚か見比べてみると、意外に得られる情報は多いです。ワンマン社長タイプなのか民主主義的な社長かなど、なんとなくわかってきます。
僕のこれまでの経験では、腕組みして挑むような表情の社長は、ワンマン社長が多かったような気がします。ワンマン社長でトップダウンの企業でも、カリスマ的に社員を引っ張っていく頼もしい社長も、もちろんいらっしゃいます。ただ、会社の業績が陰った際に、ワンマン社長だともろい場合もあるから、ちょっと注意が必要です。
業績がよいときはガマンできたことも、減収減益などで給料もダウン…なんて場合には、社員から不満噴出なんてこともありがちです。
いい会社は、社内の雰囲気もいいことが多いです。
面白い写真の見方の一つが、公式サイトの役員紹介です。
役員の顔写真がずらりと並んでいる会社は、役員クラスの入れ替わりが少ない、安定した会社といえるでしょう。信じられないかもしれませんが、役員がどんどん入れ替わっているような状態の会社では、顔写真をいちいち取り換えなければならないので、載せていられませんよね。
役員の顔写真が堂々と公式サイトに載せてある会社は、社員を大切にしている、信頼の置ける会社といえるでしょう。中には、アトラエ(6194)のように、全社員の顔写真が掲載されている会社もあります。
公式サイトがスマホでも見やすいかも、大事な確認事項
また、公式サイト全体の見やすさも大切です。
公式サイトの制作をきちんと外注に出して見やすくしている会社は、IRに積極的で、やる気と余裕がある会社といえます。反対に公式サイトの作り込みが甘く、「工事中」になっている場所があるサイトは、自社をアピールする余裕がないのかもしれません。
また、パソコンで見ている場合も、できたら同じサイトをスマホでも開いてみましょう。スマホ連動は今や常識になりつつあります。ちゃんとネット情報の発信スタイルに適応しているかも、大切なチェックポイントです。
自社で業務関連のオウンドメディアを運営していたり、メルマガを発行していたりする積極性的なメディア戦略を展開している企業は、株主や消費者にリーチしようという姿勢が強く、ポイントが高いといえます。