本記事は、坂本光司氏の著書『会社の偏差値 強くて愛される会社になるための100の指標』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています

社員に売上や生産のノルマを課したり、業績面での個人競争をさせていない

ノルマ
(画像=タカス/PIXTA)

この指標に〇がつく企業の「強み」と、つかない企業の「弱み」

ノルマを課され、無理な競争を強いられる環境では、価値ある仕事などできません。ノルマ以上の働きをしようとはせず、同僚に勝ってさえいれば、そこから成長しようと考えることもないでしょう。ノルマや業績競争から解放されることで、社員は企業全体の幸福のために制限のない力を発揮します。

●ノルマから目標へ経営の質を上げる

社員1人ひとりに、その日やその月に達成しなければならない、売上や生産の厳しいノルマを課している企業が少なからずあります。営業で言えば、「1日〇軒訪問」とか「月に〇〇の受注金額必達」などといったノルマです。生産現場では、「1日〇個生産すること」、そのためには「1時間で〇個生産すること」などのノルマがあります。

社員の納得できるものであればともかく、中には心身に過度な負担をもたらすようなノルマもあります。しかも、ノルマを達成できなかった社員にペナルティーを課したり、まるで見せしめのような状況に追い込んだりするケースもあります。そして、その後の昇給や賞与、さらには昇格などに大きな影響を及ぼします。

社員は理不尽に感じながらも、自身や家族の生活を抱えているので、何とか達成しなければと必死で働きます。やがて自分のノルマを達成することだけを考えるようになり、同じ職場で一緒に働く仲間の社員が困っていたとしても、手を差し伸べることもしなくなってしまうと思います。

経営者や幹部社員は、自分が社員であった頃のことを思い出せば、ノルマがいかに理不尽なことか、簡単にわかると思います。ノルマによって、社員は心身ともに追い込まれ、場合によっては大切な顧客に嘘をつかざるを得ない場合もあるのです。

社員は家畜でも奴隷でもありません。幸せになりたい、仲間を幸せにしたいと考えて生きている人間です。

もちろん、社員に目標を示すことは重要です。目標は、何のためにどういう努力をすべきなのかを明確にしてくれます。しかし、目標はノルマではありません。目標とノルマの違いは、その結果を個人の昇給や賞与、昇格などの評価に、これ見よがしに使うか使わないかです。

会社の偏差値 強くて愛される会社になるための100の指標
坂本光司(さかもと・こうじ)
1947年、静岡県(焼津市)生まれ。経営学者。静岡文化芸術大学教授、法政大学大学院教授などを歴任。現在は、人を大切にする経営学会会長、千葉商科大学大学院商学研究科中小企業人本経営(EMBA)プログラム長、日本でいちばん大切にしたい会社大賞審査委員長、他公職多数。徹底した現場派研究者であり、この50年間で訪問調査・アドバイスをした企業は8000社以上となる。専門は中小企業経営論・地域経済論・福祉産業論。近著『「新たな資本主義」のマネジメント入門』2021年ビジネス社、『もう価格で闘わない』2021年あさ出版、『経営者のノート』2020年あさ出版、『日本でいちばん大切にしたい会社7』2020年あさ出版 他。

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