本記事は、清水申彦の著書『なぜ、一流の人のデスクはキレイなのか? 片づけが9割』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています
周りと差をつけるメモの極意
何か疑問に思ったことがあったとき、読者のみなさんは何か書き留めたりするでしょうか。あとで調べようと思ったまま忘れてしまってはいないでしょうか。
こうした調べ忘れを防ぐためには、メモをすることが大事です。単純ですが記録を残してあとで調べることで知識を蓄(たくわ)えることができます。
ビジネスパーソンなら誰もが日常的に行っているメモ。社会人として最も基本的なスキルの1つです。
ミーティングや打ち合わせなどはもちろん、上司から仕事の説明を受けたときなど、あらゆるシーンでしていることだと思いますが、実はこのメモを上手く使いこなせているかどうかでライバルと大きな差がつきます。
日ごろから気になったニュースや思いついたことなども記録する癖をつけましょう。そこから発想が広がり、新しいアイデアが生まれます。クリエイティブな人や物知りな人は上手にメモを活用しているものです。
これらのメモが派生して会話のネタにつながることもあります。日付と情報源を一緒に書いておくことで、自分だけのネタ帳になります。これを常に持ち歩いていれば、初対面の相手でもビジネス上での雑談には困らないでしょう。
メモを取る上でのポイントはポジティブな言葉を選ぶこと。仕事の失敗や上司からの注意など反省点を残すときは、ついネガティブな書き方になりがちです。しかし、それではメモを取るモチベーションを保てません。
あとで見返したときにやる気が出るよう、「次からはこうする」といった前向きな書き方をすると、仕事の姿勢もアクティブになっていきます。
<POINT>
何気ないこともメモをすることであとにつながる
A4用紙1枚にメモをまとめる
1日のメモは1枚のA4用紙にまとめることをおすすめします。手帳や付箋を使うことに慣れた人には少し抵抗があるかもしれませんが、試してみると思いのほか便利なことを実感できると思います。
必要なものは、もちろんA4用紙1枚だけ。再利用の裏紙でも構いません。これに電話で聞いた内容やアイデアなど、いろいろなことを1日分のメモとしてまとめます。
メモ用紙を何枚も使うとゴミが増えますし、どこに何を書いたか忘れてしまう可能性もあります。1枚にまとめることで、そういった危険性が排除できるのが最大のメリットです。
さらに持ち運びにも便利で、手帳に挟んだり、シャツやジャケットのポケットに入れたりすることもできます。
伝言や資料作成など、メモした内容への対応が済んだら、斜線を引いたりチェックマークを付けたりして、対応済みであることがきちんとわかるようにします。
先の事柄に関するメモ、例えばアポイントの予定をメモしている場合は、手帳やパソコンに書き写します。こうすることでやり残したことがないか一目瞭然となります。
そして1日の最後にこの1枚をスキャンしてデータ化することを忘れないようにしましょう。もしもあとで見返すことが必要になった場合のための保険となりますし、物理的なスペースも取りません。
そしてデータ化したら必ず廃棄します。そうした流れを習慣づけることで片づけることやモノを減らすことにもつながるでしょう。
<POINT>
社外秘のメモは必ずシュレッダーにかけましょう
「書かない」メモを上手に活用しよう
メモというと紙に書き込むイメージがありますが、そうとは限りません。ちょっとしたアイデアや工夫次第で簡単に記録を残すことができます。
例えば、打ち合わせに使えそうなお店の名刺や、話のネタになりそうな新聞、雑誌の切り抜きなど、すでに形になっている紙の情報は、そのままメモ帳に貼ってしまいましょう。
サイズが大きい場合は縮小コピーをし、2つ折りにすればきれいに貼り付けることができます。
最近では、スマートフォンもメモを取る際に活躍します。会議で使用したホワイトボードや社外での視察時の様子などは、そのまま写真にパシャッと。
言葉では伝えにくい商品の形状や現場の状況を記録できますし、書き留める作業と比較して撮影するのはほんの一瞬で、時間短縮に大きな効果を発揮します。
いまの大学生は、講義の板書なども写真に撮って記録することも多いようです。早く正確に記録する手段として有効です。
会議などの発言を記録するときにおすすめなのは、ICレコーダーです。言葉を正確に記録できるため、あとで聞き返すこともできますし、なによりも相手の話にしっかりと耳を傾けられます。
暗い場所にいるときや自分の両手がふさがっているときにも、自分の声でメモできるので便利です。ICレコーダーを持っていなくても、最近のスマートフォンには録音機能が付いているので(アプリも多数)、そちらで代用できます。
手書きだと転記ミスが起こる可能性もあるメモ。できるだけ正確に記録するためにも、状況に応じて取り方を使い分けるようにしましょう。
<POINT>
ビジネスでもスマートフォンでメモを取ることが普通に
某部材メーカー(従業員数約500人)に入社後、営業部、広告部、資材部などに配属される。入社から15年を経て社内コンサルタントとして全社(事務所・現場)の5S活動を推進。社内、各事務所の業務改善を行い、大幅な生産性向上を成し遂げる。独立後は、オフィスマネジメント、ワークライフバランス、業務効率化の専門家として活動している。
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