本記事は、横山光昭氏の著書『大人のためのお金の教養』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています
副業者は「確定申告」が必要?
日頃年末調整を行っている方でも、副業をはじめたら確定申告を行う必要があるかもしれません。確定申告の流れを簡単に理解しておきましょう。
●納税の基本である「確定申告」
「確定申告」とは、その年の税額を確定させる手続きのことで、収入や支出、課税所得額などを取りまとめて税務署に申告し、所得税を納税することです。基本的に毎年2月16日~3月15日の間に申告します。
会社に勤務しているだけならば、年末調整によって所得税支払いが完結します。しかし、給与の年間収入金額が2,000万円を超える方や、副業などにより給与を2カ所以上から受けている方、給与収入ではない副収入の所得が20万円を超える方などは、確定申告が必要です。
副業されている方の確定申告はどのような流れで行われるのでしょうか。
まずは年末におもな勤務先で年末調整を行い、翌年2〜3月の確定申告期間内に確定申告をします。所得税が追加で発生する場合は、そのタイミングで納付します。確定申告で副業に関する経費などを計上すると、所得税が軽減される可能性もあります。その場合は申告から2週間〜1カ月程度で、税金が還付されます。
副業者が確定申告をすると、住民税額が変わるため、勤務先に副業が知られてしまいます。もし副業による収入が給与収入ではないのであれば、確定申告時に住民税の納め方で「普通徴収」を選択しましょう。すると自分で納めることができます。給与収入の場合は原則、会社の特別徴収にまとめられます。副業分だけ普通徴収に切り換えられるかどうかは、自治体によって異なります。
●「青色申告」と「白色申告」
確定申告をする場合、「青色申告」か「白色申告」のどちらかで行います。青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除枠ができるため、より多額の節税が可能です。しかし、事前に申請が必要であったり必要書類が多かったりと、手続きが煩雑になりがちです。簡単に申告したい方は白色申告を選びましょう。
副業の種類はこんなにある!
近年、本業以外に「副業」を行う方が増加しています。副業にはどのような種類があるのでしょうか。
●副業は「ほしい金額」で決める
本業以外に収入を得られる手段が多様化しています。自分に合う副業はどうやって見つけたらいいのでしょうか?
最初に考えるべきなのは「副業によっていくら稼ぎたいか」、「副業にどれくらい時間をかけられるか」ということです。
副業はその内容によって得られる報酬や、収入を得るまでにかかる時間、コストが大きく異なります。例えば本業の休日を活用したアルバイトならばコストはほとんどかからないものの、稼働時間が少ないと期待できる収入も多くはありません。一方、株式投資であれば、10万〜30万円程度のお金を用意する必要があります。選んだ銘柄と売買のタイミングによっては損をする可能性も出てきます。短期で利益を狙うことは投機的なものになりやすいため、副業としてはおすすめできません。
どのような副業も「一長一短」です。自分に合った副業を探すようにしましょう。
●副業の種類は豊富
副業はさまざまな観点から分類できますが、3つに分けて紹介します。
まずは「アルバイトやパートなどの副業」です。本業以外の時間を活用してほかの会社に勤務し、副収入を得ます。本業に関係のない仕事を選ぶ方や、本業でのスキルを生かして働く方がいます。元手ゼロで働けるのがメリットですが、労働時間が長いと体力を消耗し本業に差し障る可能性もあるため注意が必要です。
そして「個人事業・ビジネス」です。自分の持つスキルや趣味などを生かして物品やサービスを販売し、報酬を得ます。取り組む事業にもよりますが、大きな収入が得られるまでは時間がかかる傾向にあります。しかし、実力によってはまとまった収入も期待できるでしょう。
「投資」を副業にと考えるのであれば、まずは軸となる資産を投資信託の積立などでしっかり作ってから、それ以外の一部でするようにしましょう。投資にはリスク(不確実性)があり、利益を出せる可能性もありますが、損をする可能性もあります。確実にもうけが出せるものではないため、資産の軸がしっかりしていない人は、副業として手を出すべきではありません。
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