本記事は、佐藤玲子氏の著書『入りやすい 選びやすい 買いやすい 売場づくりの法則』(同文舘出版)の中から一部を抜粋・編集しています

字が下手でも構わない!

ポップ,プライスカード
(画像=matsun/PIXTA)

POPにも、見やすく伝わりやすくするポイントがあります。「字が下手だから」と苦手意識を持つ前に、POPの意味や見せ方を知ってください。

POPの役割

POPはスタッフの一人です。ずっと商品の横について、お客様に商品を案内しているのです。お店側のお知らせしたいことばかりでなく、お客様が、「この商品って…?」と疑問に思うことにも、先回りして無言でさっと答えています。しかも控えめな態度で。

しかも、どのお客様にも、いつでも同じように、抜け漏れなく応対する優秀さです。ときには、私たちが忘れてしまったり、思い出せなかったりすることも、きちんとフォローしてくれています。

POPの効果

POPは、わかりにくい商品にこそ、その効果を発揮します。

・見た目だけでは理解しにくい商品
・よさが知られていない商品
・意外な使い方がある商品など

POPの助けをほしがっている商品は山ほどあります。

お客様も、新しい発見を楽しみに来店されています。POPで、商品とお客様の出会いをつくりましょう。

また、お客様は時と場合によって、接客されるのが苦手と感じることがあります。疑問に思っても、スタッフに声をかけるのは気が重いときもあります。そんなお客様にも、気兼ねなく応えているのがPOPなのです。

POPは読まれるもの

お客様は情報を求めて来店されます。POPは情報元として、字の上手下手とは関係なく読まれています。そこに、POPがあるのとないのとでは、お客様への伝わり方が大きく違ってきます。もうPOPが苦手とは言っておられません。

さっそく、POPをスタッフの一員にしてください。

5-1
(画像=『入りやすい 選びやすい 買いやすい 売場づくりの法則』より)

2種類のPOPを使い分ける

POPには、サービスをお知らせするものと、商品情報を知らせるものの2種類があります。商品情報のPOPは、さらに2つに分けられます。それを意識して使い分けましょう。

プライスカード

品名・価格や容量についてのPOP。

必ず全部の商品に、同一規格で設置します。POP用紙の大きさと素材や色、文字のフォント、記入内容、記入順番などを揃えることで、お客様の比較選択がしやすく、店内の印象も統一感が出ます。

店内の商品の大きさに差異がある場合には、大中小3種類程度のPOPを用意します。その際、大きさだけを変えて、デザインは崩さないように調整します(下図参照)。

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(画像=『入りやすい 選びやすい 買いやすい 売場づくりの法則』より)

ショーカード(コトPOP®)

商品の特徴、価値を説明するPOP。

とくにお客様にお知らせしたい商品にだけ設置します。書き方や用紙は自由です。お客様に伝える内容は「お客様の役に立つこと」「使用した体験談」などのストーリーにします。より伝えやすくするために、イラストや写真を使うこともあります。プライスカードと兼ねて製作する場合もあります。

設置場所に、すでにプライスカードがある場合は、ショーカードには品名や価格がなくてもよいでしょう。

多くの商品にショーカードを設置すると、お客様の視点が定まらず、読まれにくくなります。隣り合うショーカードは、1m程度の間隔が空くようにします。

商品情報を知らせるPOPは、お客様が選びやすく買いやすくなるよう、2種類を使い分けましょう。

※「コトPOP」は、株式会社山口茂デザイン事務所と商人ねっと株式会社の登録商標です。一般的名の「ショーカード」よりも普及している言葉なので、あえて併記します。

入りやすい 選びやすい 買いやすい 売場づくりの法則
佐藤 玲子(さとう れいこ)
オフィスアールエス代表。店舗の見せ方アドバイザー国立岐阜高等専門学校建築学科卒。建築設計事務所勤務の後、専業主婦のときに、趣味の手芸品を販売する中で、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を知り、売場塾®へ入塾。建築設計とVMDの親和性を強く感じ、2010年11月、オフィスアールエスを開業。VMDのフレームワークをもとに、脳の働きや身体の動き、購買心理、色の仕組みなどを多角的にとらえた独自の見せ方「ミセヂカラ®理論」で、さまざまな業種の店舗、催事売場・展示会ブースを提案。各地の商工会・商工会議所の経営支援の専門家としても、相談や提案を行なう。再現性を重視した社員研修・商工会セミナーは、「わかりやすい、すぐに実行できる」と好評。二級建築士、VMDインストラクター。

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