本記事は、藤由達藏の著書『「すぐやる人」になる一番かんたんな方法』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
「ハードルの法則」
すぐに行動するためには、徹底してハードルを下げることです。ハードルとは、私たちの行動を妨げたり、障害となるものです。物理的なハードルもあれば、気分的なハードルもあるし、心理的なハードルもあります。
- 心理的なハードル
- 気分的なハードル
- 物理的なハードル
- 社会的なハードル
どのハードルも、ハードルが意識されて行動できなければハードルです。そのハードルは、絶対確実に存在していないものかもしれません。それでも、ハードルだと意識されてしまい、行動できないのであればそれはハードルです。
ハードルを思いっきり低くしてしまいましょう。できれば、ゼロにしてしまうのです。百歩譲っても1ミリ。そのためにやることは、行動できないとき、何が「嫌なのか」を感じ取ってみることです。
「なんとなく気分が重い……」
「気分が重い」と感じていることがわかったら、その重さの原因を探ってみます。心理的に何が不安であるのか、単に体調や気分的なものなのか、それとも物理的に無理だと感じているのか、対人関係における困難さを感じているのか。
大体どのハードルかがわかったら、
「もしもそのハードルをゼロにすることができるとしたら、それはどんな状態か?」
と考えてみるのです。まったくハードルのない状態を夢想してみましょう。
心理的な不安がない状態、体調が絶好調で気分も晴れやか、物理的に楽々できる環境、誰もが応援してくれている(社会的)。まったく邪魔の入らない状態です。
その理想的な状態に少しでも近づくためにできることはないでしょうか?
- 何も調べていなくて不安だったので、少しだけ調べる
- 体調が優れないので、深呼吸して伸びをしてみる
- パソコンが手許にないけれど、携帯電話のメモ機能を使って書く
- 厳しい上司がどうも苦手だが、頼りになる先輩社員に相談してみる
このように、一足飛びに理想的な状態になることは難しくても、ちょっとだけでも理想的な状態に近づくことはできるものです。
実は、このように考え始めているということは、すでに課題に取り組み始めている、つまりすぐにやっているのと同じことです。
ちょっとでも手を付けること。それは、すでにすぐやっているということなのです。取りかかってしまえば、ことは動き始めます。一切手を付けずに放っておいたら見えないことも、手を付けて歩み始めてしまえばいろいろなことが見えてきます。そのために、あらゆるハードルを極端に下げるのです。
- ココがポイント!
- すぐやるためには、ハードルがゼロの状態を想像し、少しでもハードルを下げよう!
「階段とスロープの法則」
行動しやすくするために、イメージを使い、実際に手順や作業を分解していく方法が「階段とスロープの法則」です。この法則は、3段階に分かれ、それぞれの段階で効果があります。
想像してみてください。
あなたの眼の前に絶壁のように垂直に切り立った壁が立ちはだかっています。あなたはその壁の向こうの街に行きたいのだとします。
こんなときどうしますか?
垂直の壁があったら、その手前に階段をつくればいいというのが1つの考えです。一歩一歩登ることのできる階段を用意することができたら、簡単です。いくら高い壁であっても、階段を長くつくれば、登ることができます。
このように、達成すべき目標のために、小さく段階を区切って1つずつこなしていく方法を考えるのが「階段とスロープの法則」の第1段階です。
階段を登るのもいいけれど、もっと簡単に進めたいという場合は、第2段階に進みます。
階段よりもさらに小さな傾斜をつくって、滑らかに行動を続けて行くことで目標に達しようとするものです。階段を緩やかなスロープにして、無理なく歩いて行くイメージです。階段だとガタガタしてしまいますが、スロープならば自転車に乗ったり、車に乗って登っていくこともできます。スロープにして乗り物に乗ってすいすい登っていきましょう。これが「階段とスロープの法則」の第2段階です。
もっと楽な方法をイメージできないでしょうか。
そう考えるのが第3段階です。
目標に向かって進むためのスロープというと、上り坂をイメージするかもしれませんが、それを逆転させて、下り坂のスロープをイメージしてみるのです。目標はスロープを下ったところにあるとしてみるのです。
ころころと転がることもできます。転がりながらスピードが増していくかもしれません。そんなイメージで目標に向かって進んでいくのです。
このように目標への道のりのイメージを自在に変えながら、ますます楽な行動をとって前進していくのが「階段とスロープの法則」です。
このようにイメージ操作はとても効果的です。大変なことだとイメージすると、大変に感じられて、足が竦すくんだり、行動できなくなることもあります。
行動したいと思うならば、楽で簡単にできるイメージをもちましょう。そのイメージに沿うならば、どんな行動をしていくといいのだろうかと発想を広げて考えられます。その結果、実際に楽で簡単な道が見つかります。
目標も「高く」イメージしてもいいのですが、「深く」イメージするだけでも、達成にいたる難易度の感覚が変化します。
楽に、楽しく目的を達する道を探そうとするのが「階段とスロープの法則」です。
- ココがポイント!
- 「階段とスロープの法則」で楽で簡単な方法・手段・道をイメージしよう!
1991年、早稲田大学卒業後、プラス株式会社に入社。営業や企画、新規事業設立などを経験。2009年全プラス労働組合中央執行委員長に就任。2010年、平本あきお氏のプロコーチ養成スクール(講師:宮越大樹氏)でコーチングを学ぶ。2013年独立。2016年に株式会社Gonmatusを設立し、コーチングや研修、ワークショップ、「魂が悦ぶ®出版講座」、「ビーイング瞑想®」などを企業や労働組合、個人の方々に提供している。
著書は、35万部突破した『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(青春出版社)、『「鬼滅の刃」に学ぶ「夢を叶える8つの力」』(ぱる出版)等多数ある。※画像をクリックするとAmazonに飛びます