この記事は2023年2月10日にSBI証券で公開された「決算発表が佳境!株価上昇期待の主力好業績10銘柄は?」を一部編集し、転載したものです。
目次
- 決算発表が佳境!株価上昇期待の主力好業績10銘柄は?
- 掲載銘柄の投資ポイント
- 京成電鉄(9009) ~成田空港の利用者増に期待。オリエンタルランドの大株主
- オリエンタルランド(4661)~ディズニーリゾートを運営。効率的な運営が奏功。来期は開園40周年!
- 寿スピリッツ(2222) ~『ルタオ』...etc 熱狂的ファンをつくるお土産で成長。行動規制緩和が追い風
- 住友電気工業(5802)~円安もあり、第3四半期に増益率が加速
- 第一興商(7458)~新型コロナウイルスからの経済再開で回復。ストック型ビジネスの拡大も寄与
- ジェイテクト(6473)~挽回生産の本格化に期待
- 三越伊勢丹ホールディングス(3099)~中国の「ゼロ・コロナ」放棄で、百貨店の回復はこれからが「本番」か?
- カカクコム(2371)~第3の柱が成長。足元では指数除外の売り
- IHI(7013)~「防衛関連銘柄」の中核的存在。航空需要の回復と円安の追い風に乗る
- 日清食品ホールディングス(2897)~インスタントラーメン最大手。海外事業で成長が顕著
決算発表が佳境!株価上昇期待の主力好業績10銘柄は?
2月に入り、日経平均株価は「反発後のもみ合い局面」となっています。2/1(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表、2/3(金)の1月米雇用統計発表を無事通過し、2/6(月)には一時27,821円まで上昇しました。しかし、その後は決算発表を横目に、上値が抑えられています。
上場企業の決算発表については、2月第2週(2/6~2/10)がピークと言えそうです。2/7(火)にはソフトバンクグループ(9984)、2/9(木)にはトヨタ(7203)が決算発表を終えました。数の上では、611社が発表予定日としていた2/10(金)が最大で、550社が発表予定の2/14(火)を過ぎると、決算発表シーズンはほぼ一巡となりそうです。
米国ではインフレや金融引き締めを経て、企業の景況感が悪化し、大手企業では人員削減も増えています。日本でも、企業の景況感は悪化しつつある様です。図表1は、日経平均株価と予想EPS(1株利益)、予想PERの関係を示していますが、企業業績のトレンドを示す日経平均株価の予想EPSは昨年11/14(月)2,238円をピークに低下傾向です。決算発表の開始時期に当たる1/20(金)には2,144円、2/8(水)には2,135円と低下しています。業績予想を下方修正する企業が、上方修正する企業よりも多くなっているように見受けられます。
ただ、逆に好業績銘柄や業績予想を上方修正する企業は「希少価値」を有しているといえるかもしれません。決算発表シーズン終了後は、好業績銘柄とそれ以外の銘柄の間で明暗が分かれるかもしれません。今回の「日本株投資戦略」では、これまでに好業績を発表し、今後の相場で選別物色の対象になるような銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを実施してみました。
(1)東証プライム市場に上場
(2)時価総額1,000億円超(2023/2/9時点)
(3)3月決算銘柄
(4)銀行、証券・商品先物、保険を除く業種
(5)アナリストが2名以上、業績予想を公表
(6)今年度(2023/3期)第3四半期(2022/10~12期)営業利益が前年同期比で黒字転換、または20%超の増益
(7)同四半期累計(2022/4~12期)営業利益が前年同期比で黒字転換、または20%超の増益
(8)来年度(2024/3期)市場予想(Bloombergコンセンサス)営業増益率が10%超の増益
(9)市場予想EPS(1株利益)が過去4週で上昇
(10)2022年4月(今年度入り)以降、今年度会社予想営業利益が下方修正されていないこと
図表2の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。(8)の増益率が高い順に上位10銘柄を掲載しました。
掲載銘柄の投資ポイント
図表2でご紹介した銘柄の投資ポイント(事業内容や業績等)をご説明します。
京成電鉄(9009) ~成田空港の利用者増に期待。オリエンタルランドの大株主
千葉県北西部と東京都東部を地盤とする私鉄会社です。
中核である運輸業では、単純な移動需要の他に、成田空港からの旅客人数割合が一定数以上ある点が特徴です。新型コロナ流行による行動規制や水際対策の影響が、同業他社より受けやすい傾向があります。
運輸業には、鉄道以外にも、バス事業やタクシー事業が含まれています。全売上高に対し、運輸業が占める割合は高く、60%弱を占めています(22.03期)。
前々期から前期(21.03-22.03期)は新型コロナ流行による移動需要の減少で、2期連続での赤字でした。ようやく今期(23.03期)から、成田空港輸送の増加による黒字回復を見込んでいます。なお、回復予定水準は、パンデミック前(19.03期)から売上高が同程度、経常利益が47%の水準となります。昨年に水際対策が大幅に緩和され、日本への外国人・入国者数は10月:53万人、11月:97万人、12月:140万人と急回復中であることが心強い材料です(出入国管理統計、月次、速報値より)。2/2(木)に発表された今期(23.03期)第3四半期決算では、売上高と営業利益に関しては標準以下の進捗率(75%未満)でしたが、経常利益は85%と好調な内容でした。
*当社は東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(4661)の筆頭株主でもあります(22%を保有。22.09時点)。今期第3四半期累計時点で、営業外収益の持ち分法による投資利益が130億円計上されています。これは、同時点の当社経常利益の64%に該当し、同社の経常利益が営業利益を大きく上回る要因の一つです。今回の日本株投資戦略では2社同時に選定されているため、ぜひオリエンタルランド(4661)の紹介箇所もご参照ください。
オリエンタルランド(4661)~ディズニーリゾートを運営。効率的な運営が奏功。来期は開園40周年!
東京ディズニーリゾートを運営する企業です。
テーマパーク事業(売上高:80%)をメインに、ディズニーの世界観やキャラクターを活かしたホテル事業(同17%)などを展開しています(22.03期)。
新型コロナによる行動規制を受け、入園者数は一時、通常の2~3割程度まで減少。前々期(21.03期)は赤字、前期(22.03期)は売上高・利益ともに低迷してました。しかし、行動規制の大規模な緩和を受け、今期の入園数は大きく回復する見込み(19.03期の65%水準)です。一方、同社は入園者の数のみを増やしての業績拡大を図っていません。「効率的なパーク運営の確立」を事業戦略に掲げており、ゲスト1人当たり売上高増を経営上の指標として掲げています。例を挙げると、以前は無料で使用可能であったファストパスは、今期からはディズニー・プレミアムアクセスという有料サービスとなりました。また、チケット価格は基本的には上昇傾向です。曜日や時期によって価格が変動する価格変動制を導入し、効率性を向上させています。
1/30(月)の決算発表では、第3四半期として過去最高の営業利益を達成しました。入園者数増加とゲスト1人当たり売上高増が寄与した形です。また、同時に通期業績見通しに関しても上方修正を実施。前述のディズニー・プレミアムアクセスや価格変動制による高価格帯チケットの構成比が増えたことが背景にあります。なお、第4四半期単体の見通しは、過去水準と比較し落ち込んでいるように見受けられます。その要因として、従業員の一時金支払いや40周年に向けた販促費の増加を挙げています。
来期(24.03期)は東京ディズニーリゾート40周年です。1年間「ドリームゴーラウンド」というイベントが開催予定で、さらなる需要増が期待されるでしょう。
*同社は、2023/3/31を基準日、4/1を効力発生日として1対5の株式分割を実施予定です。また、株主優待に関する株数や入園の枚数も変更が予定されていますので必ず同社HPにてご確認ください。
寿スピリッツ(2222) ~『ルタオ』...etc 熱狂的ファンをつくるお土産で成長。行動規制緩和が追い風
お土産などのギフトスイーツを手掛ける企業です。各地に18の子会社を有し、地域ごとの「地域性(Local)」や「専門店性(Specialty)」に特化した製品の企画・生産・販売を行っています。北海道の『ルタオ』や東京の『ザ・メープルマニア』が有名です。
『熱狂的ファンづくり』が会社の基本ポリシーです。地方で売上が低迷している製菓会社を買収し、マーケティングなどの面から『ブランド価値の創出』を行うことで、売上を伸ばしてきました。インバウンドの効果もあり、業績は急拡大。それに伴い、2015/5以前からのホルダーにとっては「テンバガー(10倍株)」、またはテンバガー以上となった成長力のある企業です。
新型コロナによる水際対策強化や行動規制が観光産業、さらにはお土産用菓子を扱う当社業績へ大きな打撃となり、2021/3期は2.8億円の営業赤字でした。2022/3期は行動規制の緩和やECでの売上増が寄与し、下期から黒字回復となり、通期営業利益は14億円となりました。
2/2(木)に発表された今期(23.03期)第3四半期決算では、好業績を背景に通期見通しを上方修正。売上高は464億円・営業利益は79億円と過去最高を更新する予定です。1-3月期に関しては、よほど大規模で厳格な行動規制等がない限り順調に推移すると考えられます。現在、株価は過去最高値の水準です。東証が明示する「望ましい投資単位の水準(5万円以上50万円未満)」の基準外であることから、将来、株式分割の実施にも期待が持てます。
住友電気工業(5802)~円安もあり、第3四半期に増益率が加速
電線・ケーブル事業を礎とし、周辺分野へ拡大してきた企業グループで、広く海外にも展開するグローバル企業です。ワイヤーハーネス(自動車等で機器間の接続を担っている部品で機器から発せられる様々な電気信号を伝達する)を中心とする「自動車関連事業」の売上高構成比(2023/3期第3四半期累計)が54%(利益構成比1%)、電力ケーブル等の「環境エネルギー関連事業」が23%(利益構成比23%)、フレキシブルプリント基板など「エレクトロニクス関連事業」が10%(利益構成比35%)です。さらに、超硬工具等の「産業素材等」の売上構成比が9%(利益構成比21%)、光ファイバー等「情報通信関連事業」が6%(利益構成比20%)です。
2023/3期は上期の営業利益は前年同期比7.8%増にとどまりましたが、第3四半期(10~12月期)の営業利益は前年同期比48%の増益となりました。物流、銅・資材価格、エネルギー価格の高騰は逆風でしたが、体質改善効果や円安(前年同期比27円の円安・ドル高)効果等が上回りました。通期の会社予想営業利益は1600億円(前期比30.9%増)となっています。市場では今期1,587億円、来期2,059億円を予想しています。中期的にはハーネス事業の技術進化や、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)分野での拡販が課題になりそうです。
第一興商(7458)~新型コロナウイルスからの経済再開で回復。ストック型ビジネスの拡大も寄与
同社は業務用カラオケの販売、およびカラオケ店「ビッグエコー」の運営を行っています。機器販売、カラオケ店の運営の両方でトップクラスのシェアを有し、両者を1社で手掛ける唯一の存在です。売上構成比(2023/3期第3四半期累計)は「業務用カラオケ」が46%、「カラオケ・飲食店舗」が39%、「音楽ソフト」が5%他となっています。同四半期累計は、新型コロナウイルスからの経済再開を受け、売上高945億円(前年同期比35.2%増)、営業利益96.9億円(前年同期比614.3%増)と増収、黒字転換を実現。特に、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた「カラオケ・飲食店舗」の赤字縮小が貢献しました。
「業務用カラオケ」事業では、機器を単純に売り切るビジネスモデルから、機器賃貸や情報提供料(楽曲配信料)によるストック型ビジネスモデルに転換中で、同事業の売上高営業利益率は2002/3期15.6%から、2022/3期22.9%まで拡大。この流れが続くとみられる上、DKエルダーシステム(通信カラオケ機器「DAM」を活用した、介護予防・健康増進コンテンツ配信システム)の成長も期待できそうです。
SBI証券企業調査部は1/16(月)、同社株について「雨過天晴、薄紙を剥ぐように収益は回復」と題するレポートを発行し、投資判断「買い」・目標株価5,550円で調査を開始しました。2023/3期の会社予想営業利益は120億円(前年比黒字転換)です。企業調査部の予想営業利益は今期145億円超、来期(2024/3期)173億円超、2025/3期196億円超となっています。
2/8(水)の決算発表とともに、3月末付で株式分割(1→2株)を実施すると発表しています。また、この株式分割後の株式数を基準に、400万株(自己株式数を除く発行済み株式数の3.66%)の自社株買い(4/3~9/30 上限60億円)も実施する計画です。
ジェイテクト(6473)~挽回生産の本格化に期待
ベアリング大手の光洋精工とトヨタ系自動車部品の豊田工機が合併して誕生した企業です。売上構成比(今期第3四半期累計)は、世界シェアトップのステアリング等を製造販売する「自動車」が68%、「産機・軸受」が23%、「工作機械」が12%等となっています。今期第3四半期累計での売上高は1兆2,249億円(前年同期比19.9%増)、営業利益は331億円(同42.8%増)と増収増益。全部門が増収となりましたが、うち、主力の「自動車」が生産回復や円安の恩恵を受けたこと、「工作機械」が大幅増益になったことが貢献しました。通期では経常利益595億円(前年比35.4%増)が会社予想で、中間期から変更はありません。
株価的には、昨年後半以降の円高が嫌気され、トヨタ(7203)が下落基調をたどったこともあり、当社株も冴えない動きです。しかし今後は挽回生産の本格化もあり、業績拡大の継続が期待できそうです。2/9(木)にはトヨタ(7203)が決算発表となり、業績予想下方修正を回避したことで安心感が広がった面もありそうです。
三越伊勢丹ホールディングス(3099)~中国の「ゼロ・コロナ」放棄で、百貨店の回復はこれからが「本番」か?
2008年4月に百貨店の三越(当時百貨店第4位)と伊勢丹(同5位)が経営統合して誕生した持株会社です。「百貨店業」(2023/3期・上半期売上構成比87%)の他に、「クレジット・金融・友の会業」、「不動産業」等を営んでいます。
2023/3期・第3四半期累計は売上高3,671億円(前年同期比16.7%増)、営業利益245億円(同716.4%増)と増収・大幅増益。主力の百貨店業が、外出機会の拡大、消費意欲の回復の恩恵を受けました。旗艦店舗である伊勢丹新宿本店では、上半期総売上高が、免税売上高が戻り切らない中、統合後で過去最高を記録し、通期においても、過去1度しか達成していない売上高3,000億円を見込めるほどの回復となっています。会社側は上半期の決算発表(2022/11/11)と同時に、通期(2023/3期)予想営業利益を170億円→240億円に上方修正しましたが、第3四半期発表時(2023/2/3)にも同240億円→260億円に上方修正しました。
当社業績に大きく影響が見込まれる訪日外客数は2019年3,188万人が2021年には24万人と、ほぼ消失状態になりました。2022年は383万人と回復しましたが、「本命」の中国人の回復は今後本格するとみられ、同社はインバウンド関連銘柄として今後も注目が続きそうです。
なお、株価は足元軟調です。会社側の予想通りであれば、営業利益は2022/10~12月期156億円(実績)→2023/1~3月期14億円(予想)と減速する様にみえるためです。中国人観光客の回復が不透明なためで、やや保守的に過ぎる印象です。
カカクコム(2371)~第3の柱が成長。足元では指数除外の売り
同社は、「価格.com事業」、「食べログ事業」、「新興メディアソリューション事業」からなる「インターネットメディア事業」を中心に展開しています。売上構成比(今年度第3四半期)は「価格.com事業」が30.4%、「食べログ事業」が38.5%、「新興メディアソリューション/ファイナンス事業」が31.1%となっています。大株主は、ネット分野で積極投資を行ってきたデジタルガレージ(4819)、情報通信大手のKDDI(9433)他で、持株比率(2022/9末)は前者が20.6%、後者が17.0%となっています。
「価格.com事業」では、パソコン、家電、ファッション等さまざまな商品を比較するサイトを運営し、送客や販売の実績に応じて掲載店舗から手数料を受け取ったり、見積もり、資料請求、契約等を提供する事業者から手数料を受け取ったり、広告収入を得たりしています。「食べログ事業」では、80万件以上の飲食店の口コミ、情報、検索・ネット予約サービスを提供し、飲食店から手数料を得たりしています。また、「新興メディアソリューション/ファイナンス事業」では、求人情報一括検索サイトや、不動産住宅情報サイト、旅行の口コミ・比較サイト、映画情報サイト等、幅広いサイトを運営し、またオンラインを中心とした生損保の募集代理、媒介、比較情報サービス等を行っています。
2023/3期・第3四半期累計の売上高は445億円(前年同期比17.5%増)、営業利益179億円(同30.1%増)と大幅増収・増益となりました。経済活動の正常化に伴い、外食需要が回復したことで「食べログ事業」が回復したことが貢献しました。「価格.com事業」と「食べログ事業」を合わせた売上構成比は、2021/3期第1四半期の81%から、2023/3期第3四半期は69%まで低下(売上高は76億円→112億円)し、逆に「新興メディアソリューション/ファイナンス事業」の構成比は同じ期間に19%→31%(売上高は18億円→51億円)と拡大しています。新しい分野も着実に成長しているといえそうです。
なお、足元はMSCIによる標準指数からの同社株除外を受けて株価が下落しています。市場では今後も当面は増収・増益が続くと予想しており、指数除外に伴う売りが一巡した後は見直し買いも増えそうです。
IHI(7013)~「防衛関連銘柄」の中核的存在。航空需要の回復と円安の追い風に乗る
同社は総合重機の大手企業で、航空・宇宙分野に強みを持っています。ジェットエンジン製造では日本国内のシェアトップで、防衛省が使用する航空機のほとんどのエンジンの主契約者になっています。第二次世界大戦末期に開発された国産初のターボ・ジェットエンジン「ネ20」は同社製品です。戦後は日本の宇宙開発に当初から参画し、ロケットエンジンの心臓部となるターボポンプ、ガスジェット装置の開発・生産の推進役でもあります。
売上構成比(今年度第3四半期累計)は、ボイラやプロセスプラントなどの「資源・エネルギー・環境」が27%、橋梁・水門、都市開発、F-LNG・海洋構造物などの「社会基盤・海洋」が13%、物流・産業システム、パーキング・システム、シールド掘進機、ターボチャージャーなどの「産業システム・汎用機械」が33%、航空エンジン、ロケットシステム、防衛機器システムなどの「航空・宇宙・防衛」が27%となっています。
今年度第3四半期累計(2022/4~12期)は売上高9,463億円(前年同期比16.0%増)、営業利益649億円(同42.7%増)と増収・増益になりました。全社営業利益の6割弱(同四半期累計)を稼ぎ出す「航空・宇宙・防衛」は前年同期比で売上高43%増となり、営業損益も前年同期の55億円赤字から380億円に黒字転換するなど、全体のけん引役になりました。民間航空向けエンジンは、引き続き北米航空業界の人手不足が逆風ですが、旅行需要の回復を受けスペアパーツの販売が好調に推移しました。さらに全般的に円安が業績に寄与したもようです。好業績を受け、予想期末配当を40→50円に増配し、予想年間1株配当も80→90円に上方修正されました。
日清食品ホールディングス(2897)~インスタントラーメン最大手。海外事業で成長が顕著
即席めんの最大手です。
「チキンラーメン」や世界80カ国以上で展開する「カップヌードル」、カップ焼きそば「U.F.O」などを手掛けています。
同社製品は世界中で人気を博しており、全売上高の30%弱が海外(22.03期)です。海外事業は目下成長中であり、前期(22.03期)は全ての海外地域で2桁の増収を達成しています。新型コロナ流行で発生した巣ごもり需要から、業績は一気に拡大しました。特需の反動で前期は減益となりましたが、依然として高水準を維持しています。原材料価格の上昇がコスト増につながっていますが、価格改定を2023年6月出荷分から実施予定です。
2/6(月)に発表された今期(23.03期)第3四半期決算では、通期業績予想の上方修正と増配の実施を発表。コスト増に苦戦する国内事業を引き続き堅調な海外事業がカバーする形です。同発表を受け、株価は過去最高値水準まで上昇しています。
株価は東証が明示する「望ましい投資単位の水準(5万円以上50万円未満)」の基準外です。加えて、2022年6月に発表した『投資単位の引下げに関する考え方及び方針等について』では、投資家層の拡大、及び株主数の増加という課題に対し、投資単位の引き下げは有効な施策の一つであるとの認識を示しています。ゆえに、将来の株式分割の実施にもかなり期待が持てるのではないでしょうか。
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。