この記事は2023年2月3日にSBI証券で公開された「NISA活用も!20万円未満で買える「2月株主優待」銘柄」を一部編集し、転載したものです。

NISA活用も!20万円未満で買える「2月株主優待」銘柄
(画像=SBI証券)

目次

  1. NISA活用も!20万円未満で買える「2月株主優待」銘柄
  2. 掲載銘柄の株主還元ポイント
    1. ドトール・日レスホールディングス(3087)
    2. AFC-HDアムスライフサイエンス(2927)
    3. クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)

NISA活用も!20万円未満で買える「2月株主優待」銘柄

日経平均株価は、2022/11/24(木)の短期的高値28,502円29銭から、2023/1/4(水)同安値25,661円89銭まで、約10%下げた後、足元では27,500円近辺まで戻しています。世界的に、金利上昇やインフレ進展に対する懸念が後退しつつあることが追い風となっています。2/1(水)まで開催されていたFOMC(米連邦公開市場委員会)も、政策金利が0.25%引き上げられ、市場の想定通りの結果に収まりました。ただ、米大手IT企業の多くが、人員削減モードになっている他、我が国でも業績予想を下方修正する企業が目立っており、景気・企業業績への不安は強まっています。

そうした中、東京株式市場は「2月相場」になりました。2月は最終消費者に近い、小売や外食といった業種で決算期末を迎える企業が多い月です。このため、株主優待についても、買い物や飲食といった身近な場面で使えるものが多く、株主優待ファンにとっては、欠かさずチェックしたい月と言えるでしょう。中長期的な投資スタンスの投資家についても、株主優待や配当を着実に享受していくうえで、重要な月のひとつであると考えられます。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では「2月株主優待」銘柄をご紹介すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)東証上場銘柄
(2)2月に株主優待の権利確定を予定する銘柄(2月決算、または8月決算銘柄)
(3)2023/2/1(水)までの20営業日で、1日当たり平均出来高が3万株超
(4)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(5)2月決算企業の場合、第3四半期(累計)の純損益が黒字。8月決算の場合、第1四半期の純損益が黒字。
(6)継続企業の前提に不確実性が生じていない
(7)信用取引規制が実施されていない(2023/2/1時点・日々公表、注意喚起銘柄も除きます)
(8)SBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い上位50銘柄に入っていること

図表1の銘柄は、上記すべての条件を満たしており、SBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順に並べたものです。

なお、「2月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが2/24(金)を権利付最終日としています。この場合、2/27(月)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。なお、銘柄名左横に★と記載された銘柄は2/20(月)が決算期末の銘柄で、権利付き最終日は2/16(木)です。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりするなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。今回は、株主優待の権利確定に必要な最低金額を20万円としましたので、資金100万円でも、最低5銘柄以上投資可能ですから、ある程度の分散投資ができる計算です。

もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

なお、「証券総合口座」のうち「一般口座」や「特定口座」では、売買益や配当収入に対し、20.315%課税が行われます。しかし、NISA(少額投資非課税制度)を活用すれば、これらの課税を免除されることができます。図表1の銘柄は、配当を受け取ることができる銘柄も多いので、NISAを活用することにより、受取ベースでのパフォーマンス引き上げを図りたいところです。なお、NISAについては、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。

※重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~

※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。 ※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

NISA活用も!20万円未満で買える「2月株主優待」銘柄 NISA活用も!20万円未満で買える「2月株主優待」銘柄 NISA活用も!20万円未満で買える「2月株主優待」銘柄
(画像=SBI証券)

掲載銘柄の株主還元ポイント

以下、掲載銘柄の一部についてご紹介します。予想配当利回りは2/1(水)株価で計算されています。

ドトール・日レスホールディングス(3087)

ドトールコーヒー、日本レストランシステムを傘下にもつ持株会社です。1/13(金)に発表された2023/2第3四半期(累計)業績は、助成金収入の減少で、純利益は前年同期比18.7%減の29.5億円となりましたが、営業利益は黒字転換しており、本業ベースの業績は回復傾向です。

会社側は通期の予想営業利益を21.5億円→23.5億円に上方修正しました。株価は1/13(金)に一時1,630円の安値を付けていましたが、その日取引終了後に業績・配当予想の上方修正を行ったため、株価は上昇に転じ、2/1(水)終値では1,860円となっています。

2/24(金)現在100株以上保有の株主に対し、「ドトールコーヒー」や「エクセルシオール カフェ」で利用可能な株主優待カード1,000円相当が贈呈されます。

同カードは、300株以上保有の株主には3,000円相当、500株以上保有の株主には5,000円相当が贈呈されます。1株当たり配当金は2022/8末の14円(実績)に続き、2023/2末は16円の予想(会社予想)で、年予想配当は計30円(予想配当利回り1.6%)となっています。

AFC-HDアムスライフサイエンス(2927)

同社はヘルスケア事業(2023/8期第1四半期・売上構成比63%)、医薬品事業(同9%)、百貨店事業(同21%)、飲料事業(同7%)等に多角化展開をしています。このうち、ヘルスケア事業では、健康食品や化粧品の受託製造(OEM)事業や、自社ブランド製品の販売(店舗、海外)を行っています。2023/8期第1四半期は、ヘルスケア事業が減益となったものの、その他のセグメントの損益が改善し増収・営業増益となりました。

2/24(金)現在100株以上保有の株主に対し、連結子会社の通販カタログで使える割引券2,500円分(2,500円券1枚)が贈呈されます。1,000株以上保有の株主に対しては、商品引換券10,000円分(5,000円券2枚)と割引券5,000円分(2,500円券2枚)が、3,000株以上保有の株主に対しては、商品引換券15,000円分(5,000円券3枚)と割引券10,000円分(2,500円券4枚)が贈呈されます。

同内容の株主優待は8月末株主に対しても実施される予定です。1株当たり配当金は2023/2末12.5円、2023/8末も12.5円の予想(会社予想)で、年予想配当は計25円(予想配当利回り2.8%)となっています。株価は1/25(水)終値778円までは穏やかな動きでしたが、その後は急動意をみせています。

クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)

当社は国内17社、海外5社を有する持株会社で、グループ各社はおもに飲食店を営んでいます。2022/11期末現在、商業施設を中心に多様なブランドでレストランやフードコートを展開している「CRカテゴリー」の店舗が518店舗(2022/3~11期累計・調整前売上構成比34.8%)、繁華街を中心に「磯丸水産」や「鳥丸商店」他の居酒屋を展開している「SFPカテゴリー」の店舗が211店舗(同18.9%)、「専門ブランドカテゴリー」の店舗が241店舗(同売上構成比30.3%)、「海外カテゴリー」が55店舗(同16.0%)となっています。

2023/2期の会社予想売上高は1,150億円(前期比46.8%増)、営業利益73億円(同4.4%減)となっています。本年1/13(金)に発表された2023/2期第3四半期累計の営業利益56.8億円で通期計画に対する進捗率は77%です。今後、インバウンド需要や観光需要の回復が期待される上、新規連結2社の貢献も想定されていますが、会社側は通期計画を据え置いています。

1株配当は、中間(2023/2期第2四半期)で3.0円、期末予想(2023/2期)で3.0円、通期で6.0円の予定になっています。

2/24(金)時点の株式に対し、保有株主数に応じ、以下の株主優待が実施される予定です。また、通常は8月も同様の株主優待を予定しています。

・100株以上・・・・・優待食事券2,000円相当
・200株以上・・・・・優待食事券4,000円相当
・400株以上・・・・・優待食事券6,000円相当(1年以上継続保有の場合2,000円相当追加)
・600株以上・・・・・優待食事券8,000円相当(1年以上継続保有の場合2,000円相当追加)
・1,000株以上・・・優待食事券10,000円相当(1年以上継続保有の場合2,000円相当追加)
・3,000株以上・・・優待食事券16,000円相当(1年以上継続保有の場合4,000円相当追加)
・6,000株以上・・・優待食事券24,000円相当(1年以上継続保有の場合6,000円相当追加)
・9,000株以上・・・優待食事券30,000円相当(1年以上継続保有の場合8,000円相当追加)

▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数